春の里山 阿千田越 旧土佐街道  2019年03月31日  
里山倶楽部四国編 

- 春うらら 旧土佐街道 阿千田越え 星取寺 岩脇公園の桜 -


先日、阿波の峠を歩く会の写真展を見に行った。

其の時にお誘いがあった例会の案内があった。

せっかくだから参加させていただくことにする。

家内を誘うと、山なみウォークに出たいと言う。

鴨島から眉山まで、約30㌔。

過去に二回ほど歩いたが、その時は職場の友人と一緒で鴨島まで車で送ってもらった。

私達だけで行こうとすれば、交通の便が不便。

峠を歩く会は10時からなので、6時に起きて家内を鴨島まで送る。

7時に出発したので、8時間掛かるとして、3時前に眉山に迎えに行けば良い。




私は羽ノ浦の岩脇公園に向かう。

初めての参加だが、私のホームページを見てくれている方が数人いた。

準備体操をして出発。



何時も、吉野川や鮎喰川沿いの山を歩いていると、緑色片岩が多い。

お地蔵さんの台石や灯籠なども、青石で出来ている。

しかし、羽ノ浦と立江の間にあるこの妙見山は鶴林寺などと同様に砂岩が多い。

昔は海の底だったのだろうか。

この辺は、地質帯としては、秩父帯に属する。



シームレス地質図を見ると、やはり勝浦川流域とこの妙見山は繋がっていて、「汽水成層、海成、非海成混合層・砂岩」となっている。

つまり、川や海の底で出来た砂岩層ということだろう。



今日の参加者は16名。

感じの良い道を少し登ると、立江寺の奥の院となる取星寺に着く。

此処は、妙見山の中の松寿山と呼ばれている。



気持ちの良い境内に由来記の石版が有る。

今から1200年ほど前、太龍寺で弘法大師が修行中に、悪星が現れて伝染病が流行った。

大師が祈り落とすと、悪星はこの寺の松の木に落ちたと言われている。

同じく立江寺の奥の院である、勝浦の星谷寺にも同様の伝承が有る。

中津峰山頂の天神神社は星を祀ってあるし、長の国には星にまつわる伝承が多いようだ。



取星寺本尊虚空蔵菩薩が祀られている。



寺の横の一段高いところに明現神社が有る。

南北朝時代の至徳元年(1384年)、増吽上人が鹿島大明神・香取大明神を勧進し妙見宮としたと言われている。

明治の神仏分離で、明現神社と取星寺に別れた。

妙見さんは北極星を祀っており、取星寺の伝承と関係があるようだ。



古い大師像が祀られている。

宝篋印塔も立派だ。



阿弥陀堂



大きな花弁のピンクの艶やかな桜。



三宝大荒神王 かまどの神様 台所の神様



荒々しい感じの狛犬



遊歩道を行くと、砂岩の巨石の間に馬頭観音と新お四国さんがある。



低い山なのに、デッカイ砂岩がゴロゴロしているのに驚く。



悪星の星かかり松を過ぎて、監視哨跡で景色を見るが雑木が邪魔をしている。

監視哨とは、大日本帝国陸軍の、敵機を遠く発見し、これを 防衛司令官 に報告する場所だ。

太平洋艦隊からやってくる敵機を監視していたのだろう。



経塚がある。

このお地蔵さんの下に経筒が埋まっているのだろうか。



見晴台に着く。

眼下に那賀川の流れと日亜化学の本社。



みんなで一息入れて景色を眺める。



岩脇城跡に着く。

桜が五分咲きくらい。



桜が満開の広場に着くと、そこが阿千田越。



橋の下に降りると 此処は旧の土佐街道らしい。



地元の人に愛されているらしく、沢山の絵馬などが有る。



ギャラリーとなっている。



旧土佐街道を立江方向に降りていく。

竹林が多い。



綺麗に整備された竹林が続く。

地元の方が、家族で竹の子掘りを楽しんでいる。

樫の木台大師に着く。



大師像が祀られている。



大師の井戸が有るらしい。



また阿千田越まで登り返し、反対方向に降りていく。

津乃峰へ60丁の標石が有る。

遊歩道の真ん中が盛り上がっている。

よく見ると竹の子の頭が少し顔を出している。

此の位の竹の子が一番美味しい。

落ち葉を除けると、びっくりするほど沢山竹の子が顔を出している。

通路だから掘って持っ帰ってもいいのかな?



阿千田越えの広場で昼食。

先程、筍を掘っていた家族が、大量の竹の子をドラム缶で焼いている。

焼き立ての竹の子は美味しいだろうなあ。



岩脇城跡に戻ると、先程より開花が進んでいる。



この下にはフジバカマが植えられていて、アサギマダラが沢山やってくるらしい。

岩脇公園まで戻り、桜の馬場から羽ノ浦さくら堤公園に向かう。



初めて来たが、人出の多いのに驚く。



若い人達も多い。

暫く桜を楽しんでから、家内を迎えに眉山公園に向かう。



眉山公園に来ると、桜が先日よりも開花している。



ゴール地点で勤労者山の会の役員さんと話をしながら家内を待つ。

桜が満開で30㌔歩いてきた皆さんを待っている。

達成感一杯の皆さんの間で、参加していない私が混じっているのは何だが恥ずかしい。



所が予定時間の3時を過ぎても家内が現れない。

邪魔してはいけないと電話をしなかったが、しびれを切らして電話する。

なんとまだ眉山最高点に着いたばかりだという。

何だか非常に疲れたと言っている。



それから一時間もして、やっと家内がやってきた。

9時間5分掛かったようだ。

以前よりかなり時間がかかっている。

途中から疲れて何度も休んだそうだ。

自宅に帰ると、家内の声がガラガラになっている。

体温を測ると37.8度位ある。

どうも風邪を引いたようだ。

それでも無事歩き通すことが出来て喜んでいた。

軟弱な私は、初めての羽ノ浦の峠を歩くことが出来て良かった。

家内も体調不良だったが無事歩き通すことが出来た。

明日からはまた寒の戻りらしいが、その後は市内も桜満開になるだろう。

楽しみだ。



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