冬の里山 眉山    2017.01.07
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- 徳島市民の山 眉山 -

万葉集に船王の歌として「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山」と詠われている眉山。

私達、徳島市民にとっては懐かしい故郷の山だ。



長らく徳島を離れていても、眉山の姿を見ると故郷に帰ってきたとの実感が湧いてきた。

最高地点は山の中央部の標高290mの峰だが、徳島市中心街から見える標高277mの峰が山頂と呼ばれている。

山頂へはロープウェイやドライブウェイで簡単に行く事が出来る。

しかし、徒歩で登る道も無数にある。

特に標高290mの最高点に行こうと思えば、数え切れない程のルートがある。

新春の里山歩きとして、其のルートの一つ黒岩神社コースを歩いてみよう。



八万の黒岩口に車を停めて歩き始める。

9時5分。

正面の山の中腹に、これから向かう黒岩神社がある。



1年程前から山を削って造成されていた所の急斜面に、ソーラーパネルが設置されていた。

其の下の区割りされている所は、分譲地になるのだろうか?

水宮へ八丁の丁石を左へと曲がる。



マユミによく似たピンクの実が沢山出来ている。

黒岩神社道と記された青石の標識から左へと人家の庭に入る。



庭先を右に進むと石の鳥居が有り参拝道入り口。

大正15年の黒岩神社道と書かれた立派な青石の標石。

隣りに七丁の丁石がある。

とすれば先程の八丁の丁石も黒岩神社の丁石と言う事になる。



のっけから急な岩階段の道となる。



青石の自然岩に段を彫って階段状にしてある。

歩く人が少ないのか緑の苔に覆われている。

グイグイと登って行くと六丁の丁石。



岩道にスミレが咲いている。



流石、眉山は有名な青石の産地。

この登山道自体が大きな青石の塊で出来ている様だ。



左に古い木の鳥居を見て進むとまた立派な石の鳥居。



鳥居の横には青石の灯籠。



二丁を過ぎると人工の階段となる。



青石の大岩の下に祠がある。

青石の大岩の上に黒岩神社が見えてくる。

古い緑色泥岩は遠くからだと黒く見える。

この黒い大岩を信仰したのが八万村史に載っている黒岩神社の由縁かな。

黒岩神社の名稱及社地の状態より察すれば、太古、先住民族(神代以前)の巨石崇拝の遺跡にして

当時巨厳を以て御神体とせしが後に至り、社を建てゝ祀る。之れ黒岩神社の起源ならんと




鳥居の下には狛犬が出迎えてくれる。



黒岩神社着。

9時53分。

参拝口の鳥居から30分位。



拝殿前にも狛犬がある。



賽銭箱が中にある為に戸を開けて参拝。

天狗の面が奉納されている。



黒岩神社は春の例祭が有名だが、この1月18にも神職による朝日舞が奉納されるそうだ。

この神社の神職は銅の鳥居の八幡神社の神職が兼ねている。

あの神職が舞を舞うのかな。



神社前の石段に腰掛けて家内と肉まんを半分こ。

此処からは八万町から勝浦川、津田山、日の峰山等が一望できる。



神水や狛犬の足のウラジロと一緒に祀られている木の葉はなんだろうか。

葉柄が赤くてユズリハの葉のようにも見えるが。

調べてみると、長寿の象徴のウラジロと一家の繁栄を象徴するユズリハの葉を一緒に使うとある。

ユズリハは眉山にも沢山自生している。



ティカカズラの実が彼方此方に落ちている。

種髪が日に輝いて綺麗だ。



社務所裏から登って行く。

結構急坂で中々ピークに着かない。



やっと着いたピークには青石の上に乗った二つの社がある。

これが水宮だろうか。



少し下ると、剣山最高点から東の頂上への縦走路に出る。



若い女性が走って追い抜いて行った。

若いって良いなあ。

私達はマイペースで最高点に向かう。



豊崎八幡宮への道を右に見て、真っ直ぐ進むと眉山最高点290mに着く。

10時44分。



少しばかり八万の眺望を楽しんでから考える。

まだ時間も早いし、久しぶりに地蔵峠のお地蔵さんに会いに行こうか。

帰りの登り返しがキツイが、少しは筋力強化が出来るだろう。



そうとなれば直ぐ出発。

地蔵院への道を右に見て長谷方向に下る。

直ぐに四等三角点「長谷」234.2mがある。



ロープがある急坂を下ると電力鉄塔。



またロープのある急坂を下る。

この辺は鴨島~眉山ウォークラリーの時にヒイヒイ言って登った場所だ。



下りきると広場に出る。

歩き遍路の方が二人休憩されていた。



上鮎喰、長谷講中と書かれた天保二年辛卯年に建てられたお地蔵さん。

約200年近く、この峠でお遍路さんを見守ってくれている。



此処から遍路道を降りて行くと園瀬橋に出て、あずり越えから恩山寺に行く事が出来る。

一休憩してから少し考える。

此処から引き返すのは急坂がきつい。

私達も此処から花杏に下りて銅の鳥居経由で出発点に帰ろうか。

しかし、やはり頂上には行かなくては。

今度、先に頂上に行ってから地蔵越えまで来て周回する事にしよう。

急坂をエンヤコラと登り返して行く。



可成り筋肉に負担を掛けて最高点に帰ってきた。

竹のベンチで一休憩。

今日の行動食はミニドーナツ。



後はドンドンと頂上に向かう。



「溶造皇(ようぞうのすめら)神社」。とも言われている祠。

お酒やミカンが祀られている。

横下には昭和十三年の百度石も。



直ぐ横には四等三角点「三谷」282.88mがある。

竹のベンチもあるが朽ちている。



ドンドン進んで車道に出る。



車道を進んで健保会館横から野鳥観察小屋へ。

今日の昼食はローソンのカレー。

290円だが結構コクのあるルーで美味しい。



何故かセンニンソウやコスモスが咲いている。



グミの実が出来はじめていて、トベラ?の実は弾けている。



頂上まで行って眼下の景色を楽しむ。

徳島市街地と城山。

其の向こうに吉野川とシラサギ大橋。



新町川と県庁。

其の右に私の実家のあった場所。



パゴダ前の一等三角点「眉山」276.6m

剣山方向はガスって居てハッキリとは見えない。

剣山から、この眉山がよく見えるのだから此処からも剣山が見えるはずだ。

良く良く目をこらすと高城山の右に一の森、剣山を見る事が出来た。



NHKの放送タワーの前から旧道を下って行く。



この道は江戸時代から、新四国八十八カ所と西国三十三観音霊場として親しまれた道だ。



途中のベンチから見下ろすと白いフェリーが入港してきた。



中には天明6年の石仏も。



みんな新しい赤い前掛けをしている。



車道まで下りてきた。

神武天皇像まで続くこの道は、明治44年に天野亀吉が眉山公園として開発した。

持明院から三島神社までつなげる予定であったようだが、亀吉が死亡した為頓挫した。



後は車道を黙々と駐車場まで帰る。



やはり此処でもセンニンソウが咲いていた。

駐車場まで帰ってビールのつまみを買って帰宅。

草津の湯の素を入れた熱い風呂で固くなった筋肉をもみほぐす。

冷たいビールを飲んで夕食までコックリ。





総歩行距離 12.2㎞

累計標高差 ±778m

行動時間 5時間44分



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