冬の里山 眉山  2019年02月25日  
里山倶楽部四国編 

- 眉山一周 遍路道を下る -

今日も温かい一日の予報。

桜の咲き始める前のこの時期は、何故か心が落ち着かない。

少しは蜂須賀桜も咲き始めているだろうと、眉山の周回を楽しむことにする。



八万町の黒岩口から歩き始めると菜の花が満開。

ジョウビタキもすぐ近くで遊んでいる。



ハッサクが熟れている農家の庭先から登山口へ。



対象15年9月の道標が有る鳥居を潜る。



黒岩神社参拝道の緑色泥岩の自然石階段を登っていく。

古い木の鳥居があった処まで登ると緩やかな道となる。

道端には銀色や金色に少し輝く石が転がっている。

黄銅鉱や黄鉄鉱が混じっているのだろうか。

私の小さな時に徳島の街が都市計画で掘り返された。

其の時にこのキラキラ光る石が沢山出てきたことを覚えている。



モチツツジも綺麗に咲いている。

花の無いこの季節に綺麗な花を咲かせるモチツツジは貴重だ。



大正15年11月に造られた立派な石鳥居を過ぎると、直ぐに黒岩神社に着く。

黒岩神社は、古代巨石崇拝の遺跡だと言われている。



石段から街を眺めると、丁度東九フェリーが入港してきた。

今日は月曜日なので、新門司発東京行きの「フェリーりつりん」だろう。

昨日の18時に新門司を出港して、明日の朝5時40分に東京に着くらしい。



何時も綺麗に掃除された拝殿でお参り。



黒岩神社横からピークに登り切ると、山の神様が祀られている。



シロダモの赤い実が美味しそうに熟れている。

分岐から今日はパコダ方向へ行く。



熔造皇神社や三角点を過ぎる。



車道に出ると年配の男性が休んでいた。

ポカポカ陽気でまるで春のようだ。



男性が追い抜いて行って、車道から山道に入ったので後を付いて行く。

チョット急坂を登ると、簡保センターの前に出た。

車道を行くよりずいぶんと近道だ。



簡保センターの前には蜂須賀桜がたくさん植えられている。

山の上なのでまだ咲き始めたばかり。

蕾がぶら下がっているのが特徴かな。



植栽のツツジも咲き始めている。



ニホンタンポポも可愛い花を咲かせている。

街を見下ろすと春がすみ。



このチラホラ咲いている桜はなんだろうか。

眉山山頂は桜の名所なので、もう暫くすると一斉に咲いて、一面ピンクに染まることだろう。



パコダに着く。

パコダはビルマで戦士された方々を偲び、永久の平和を願うために建てられたという。

太平洋戦争終盤、攻勢に転じた連合軍を前に、日本軍は苦しい闘いを余儀なくされ、戦死者は16万人にのぼった。

その中でも、過酷な退却戦を強いられた徳島県の郷土部隊、歩兵第143連隊。

武器も食糧も補給されず、四方を連合軍に囲まれる中、決死の覚悟で、連合軍の包囲網を突破しようとした。

雨季で増水したシッタン河の濁流に、多くの兵士たちが飲み込まれていった。

部隊が孤立したのは、いち早く撤退した日本軍司令部によって、前線に置き去りにされたからである。

殆どの兵隊が飢えと疾病で死んでいった。

その事実を現代の徳島県人は殆ど知らない。



一等三角点「眉山」277m



せっかくの絶景も霞んでいる。



景色を楽しんでいると、数人で休憩中の男性からお声がけ頂いた。

なんと中学校の同級生だった。

彼と同級だったのは14歳位の時だから、もう55年も前になる。

彼の家は駄菓子屋さんで、私の家は釣り道具屋さんだった。

お互い同じように貧乏だった。

それにしても、あの頃の一年は本当に密度が濃かった。

今はボランティアで何年も付き合っても、殆ど思い出が残らない。



暫く話し込んでいると、ボランティア仲間がお客さんをガイドしてやってきた。

私達は失礼することにする。



帰りは車道を通らずに山道を辿ると、縦走路入り口に着く。



縦走路を進んで眉山最高点で休憩する。

シロダモの実が一杯落ちている。



三角点まで行くと後は急下り。



地蔵峠で昼食。



天保二辛卯年のお地蔵さんにお詣り。



長谷(八万町)と上鮎喰町の女講中と書かれている。

江戸後期に、この辺の女性は講を行い、立派な地蔵尊をこの峠に建立するだけの力を持っていたようだ。



今日は初めての道、恩山寺に向かう遍路道を下る。



遍路道は歩き安く整備されている。

ムラサキサギゴケがもう咲いている。



カンヒサクラ系の桜が咲き始めている。

アオモジも花を開き始めている。



車道に出る所に道標。

暫く車道を下ると此処にも古い道標。

この道標の裏にも道があるが、何処に続いているのだろうか。



権現神社が祀られていた。



寛政13年(1801年)のお地蔵様。

天照大神の第四子が祀られている四王子神社が有る。

境内には山の神が祀られていて、ひな節句にはなにか行事が有るらしい。

この四王子神社には昔、神踊りが踊られていて7種類の神踊り歌が残っているとたと言う。



この辺は椎茸栽培が盛んな所で、立派なシイタケ御殿が沢山建っている。



ジンチョウゲが満開で甘い香りが漂っている。



園瀬川の土手の満開近くに咲き誇っている桜。



ウミウや鴨がたくさん遊んでいる。



瑜伽大権現

由加神社本宮は日本三大権現の一つ。

厄除けの総本山として祀られた。

今は曹洞宗丈六寺の末寺となっていて、ゆうがさん(慈眼庵)と呼ばれているらしい。



嘉永7年(1854年)の徳島型垂れ耳の狛犬。

首がなく、まん丸眼でおかっぱ頭。

昔の素朴な子供のように見える。




口を瞑っているとムッとしているように見える。



キリシタン灯籠と言われているが灯籠は竿の部分のみで、上部に十字架ともとれるふくらみがある。

下方には着物か、あるいはガウンを着たような細面の像らしきものが刻まれている。

これがキリストかマリアの像ではないか、隠れキリシタンが密かに拝んでいるのではないか、などとも言われている


後は車道を黙々と歩き駐車場へ。

ドラッグストアで缶ビールを購入して帰宅。

今日はアップダウンは少なかったが、タップリと歩くことが出来た。

熱いシャワーの後の、冷たいビールが美味しい季節となった。

もう少しで3月となる。

これからは季節が加速度を付けて、あっという間に過ぎ去ってしまう。

慌ただしいが楽しい季節だ。





総歩行距離 11.2㌔

累計標高差 ±525m

行動時間 5時間30分




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