夏の里山 白山 2019年07月29~31日  
里山倶楽部四国編 

- 白山 南竜山荘から室堂 御前峰 御池周り 観光新道へ -


やっと梅雨が開けた。

しかし、未だ山の天気は不安定らしい。

今年は、夜叉神峠から鳳凰三山または徳本峠から蝶ヶ岳への周回を検討していた。

しかし、心房細動を発症して、ほとんど山歩きが出来ていない。

心房細動を発症すると、心臓が血液を送る能力が20~30%低下するそうだ。

また、脳梗塞になる確率が5倍になるという。

その為に、血液を固まりにくくする抗凝固薬を飲み始めている。

医者に相談すると、無理をしないように言われたが登山が駄目とは言われなかった。

それではと、8年前の秋に登ったことがあるが、花の時期には初めてとなる白山に行くことにする。

白山は、日帰り登山する人が30%。

殆どの人は一泊して登る。

私も前回は、夜中に徳島を出発して、そのまま別当出合から御前峰に登り、お池巡りをして室堂に泊まった。

翌日は、大汝峰へ登り、再度御池周りをして観光新道から下山した。

特にキツかった記憶はない。

今回は一日目は砂防新道から南竜山荘に泊まり、翌日御前峰から大汝峰と御池周りをして室堂宿泊。

そして、その翌日下山という超ゆったりで高山植物を堪能する計画とした。

これならいくら身体能力が落ちていても大丈夫だろう。



朝5時に自宅を出発して、北福井まで順調に来るが、北福井ICを降りた所で、道がわからなくなる。

中部縦貫道というのが出来ていて、対応できていないカーナビが悲鳴を上げている。

この道路は松本へと伸びているらしいが、白山へ行くのは何処で降りたらよいかわからない。

永平寺ICを過ぎて勝山ICで降りてカーナビを再設定する。




白山登山口の市ノ瀬や別当出合の標識がないのが心配だが、とりあえずカーナビの指示通り走る。

恐竜道路を走り、市ノ瀬ビジターセンターを経由して、10時30分頃やっとの事で別当出合に着く。

ところが平日というのに駐車場は満車。

手前の車道沿いにも延々と駐車されている。

大駐車場まで行って、下山者が帰るのを待つ。

幸いなことに10分ほどして出ていった車があり、その後へ駐車する。

駐車場からは階段道を登っていく。



上の駐車場は大型バスなどで満車。

更に石段を登っていく。

暑くて足が重い。



やっと別当出合登山センターへ着き、トイレを済ませて、Compassで登山届を提出。



登山口は8年ぶりで懐かしい。



11時14分 ユラユラ揺れる長い橋を渡って出発。



登山道脇には、涼し気なエゾアジサイが咲き誇っている。



アカショウマが群生している。

キンミズヒキも。



オオウバユリと?の赤い実。

yuuminさんから、ニワトコの実だと教えていただきました。

ありがとうございます。

ニワトコとは、ハリーポッターの最強の杖の木ですね。



前回登った時は、何とも思わなかったのに今日は石段が急に感じる。

暑いと思ったら気温が29度以上もある。



未だ出発してから650mなのに汗だくになる。

タマガワホトトギスが咲き誇っていて、写真撮影休憩。



ニワトコの赤い実とガマズミの実。



ダケカンバの林を眺めながら登っていく。

イワガラミの白い萼が目に染みる。

子供連れの下山者が多い。



砂防工事現場の不動の滝を眺める余裕もないほどキツくなってきた。

鼻水が滴り落ちて止まらない。

そういえば昨夜暑くて寝付かれなくて、エアコンを掛けたまま寝てしまった。

夜中に寒くなって起きてエアコンを止めた記憶がある。

風を引いてしまったのか?

クサボタンの花が咲いている。



12時2分 中飯場着。

今朝、下山してきた人たちが大勢休憩している。

冷たい水を頭から被り、ゴクゴクと飲む。

体中に冷たい水が染み渡る。

しかし、まだ1.5キロほど歩いただけなのに、こんなに汗びっしょりで大丈夫か?

既に私だけで、ペットボトル2本を飲み干している。

冷たい水を補給。

下山してきた人の中にも気分を悪くした人もいるし、此処から引き返そうと話し合っているご夫婦もいる。

暑さで、熱中症状態になっているのかもしれない。



未だ歩き始めたばかり、何時までも休んでいる訳には行かない。

また石段道を黙々と登る。

小さな子供も降りてくるが、疲れのためか泣きながら降りてくる子供もいる。



ミヤマシシウドかな?

直ぐに外来生物除去マットを過ぎる。



眼下に作業用道路が見える。

あの大きい滝は二段の滝かな?



ヨツバヒヨドリはまだ蕾。



センジュガンピが咲き誇っている。



タカネナデシコはシワシワになっている。

黄色い花は、鋸歯があるのでカンチコウゾリナかな?



サンカヨウはもう実になっている。

甚之助避難小屋まで未だ0.9キロ。

どんどんと下山者が降りてくる。

暑いですねと言うと、昨日の土砂降りよりマシだと言う。

私は、土砂降りでもいいから冷たい水を頭から浴びたいと思う。



ゴゼンタチバナに花が咲いている。

小さな池があるが水は濁っていて、顔を洗う事もできない。

若い人たちが何人も追い抜いていく。

何組かのご夫婦に追いつくが、奥様がグロッキーで旦那がリュックを2つ担いでいるご夫婦と一緒になって登る。



エンレイソウに大きな黒い実が出来ている。

やっと急登が終わり木道歩きとなる。



高山植物も多くなる。

ヨツバシオガマが花の盛り。



白い花は葉の形からしてモミジカラマツかな。

ミヤマキンポウゲの咲く大きなベンチで一休み。



ハクサンフウロが増えてくる。

ハクサンチドリの実かな。



エゾシオガマの白い花も多い。



暑さにグッタリとなって甚之助避難小屋着。

14時23分。

標高差700mに、なんと3時間余り掛かっている。

予定より1時間も遅い。

砂防新道の良い所は、水が豊富なこと。

冷たい水を頭から何度もかぶり、お腹が痛くなる心配も忘れてがぶ飲みする。

ずっと前後して登ってきた団体のガイドが、雨が降りそうなので雨具を取り出しやすいように準備するように言っている。

雨が降り出すと一瞬の間に土砂降りとなるらしい。



重い腰を上げて出発すると直ぐに旧避難小屋跡に着く。

前回来た時は解体作業中だったが、綺麗に整備されている。



クルマユリの鮮やかなオレンジの花が目立つ。

少し登ると室堂まで2.2キロの標識が倒れている。



綺麗に整備された石段道を登っていくと、キヌガサソウの花が咲いているが色が緑色に変わっている。



ミヤマキンポウゲの花が多くなる。

赤い実は、アカモノかな。



ゴゼンタチバナの花が多くなってくる。

南竜分岐まで、あと一息だと喘ぎながら登るが、家内にどんどん離される。

下山者から此処を越せば楽になりますよと励まされるが、鼻水がズルズルで息が苦しい。



まだつぼみのヤマハハコと咲き誇るヨツバシオガマ。



やっと南竜分岐に着く。

15時7分。

予定では、とっくに南竜山荘に着いている時刻だ。

此処から、室堂まで2km。

先程までグロッキーだった奥様は、胸のムカムカが治ったと言って室堂に向かって登って行った。



脳梗塞予防のために、水をタップリ飲んで出発。

此処からは、水平道なので楽ちん。



ハクサンフウロの濃いピンクが綺麗だ。

赤い血筋のあるシコクフウロとは雰囲気が全く違う。

でっかいイブキトラノオがニョキニョキ。

剣山などに咲いているのより何杯もデカイ。



アカショウマやクロトウヒレン、シモツケソウなどが咲いている。



快適な水平道のはずが、山腹が崩壊していて落石を乗り越えていくところもある。

急にガスってきて、せっかく咲き誇っている花々が霞んで見える。



エゾシオガマの白い花が暑さを忘れさせてくれる。



ニッコウキスゲやシモツケが咲き誇っている。

ニッコウキスゲに出会うと、夏の高山に登ってきた実感がある。



小さな花を咲かせているのは、ミヤマホツツジ。

象の鼻のような雄しべが可愛い。



サンカヨウの実とクロトウヒレンの蕾



急に涼しくなってきた。

と思ったら、遠くでゴロゴロと雷鳴が轟き始めた。

これは大変だ。

雷が近づく前に小屋に到着しなければ。



テガタチドリはもう花の終わり。

エコーライン分岐に到着。



一面にコバイケイソウが咲き誇っている。



今年は当たり年だとは聞いていたが凄い。

ニッコウキスゲもガスの中でひときわ綺麗だ。



ミヤマダイモンジソウやハクサンフウロの咲く快適な遊歩道を下っていく。



橋の所で二人のご婦人が追いついてきた。



オオシラビソに実が出来ている。

剣山のシコクシラベとよく似ている。

ホソバノヤマハハコの花が開き始めている。



南竜山荘が見えてきた。

雨がポツポツ落ちてきたが、なんとか大降りになる前に着く事とが出来た。



アオノツガザクラやネバリノギラン



イワイチョウとミヤマキンポウゲ



やっと南竜山荘に着く。

15時46分。

別当出合から4時間30分。

予定よりも1時間以上遅れた。



受付を下の小屋で済ませて南竜山荘へ。



寝床は蚕棚の下段。

一人布団一枚で、1~3名で頭のところに仕切り板がある。

ドット疲れて寝転がろうとしたらパンツからシャツまでビショビショ。

乾燥室で上から下まで全部着替えて乾す。

今日は、120名ほどの予約があり、ほぼ満室らしい。

通常の山小屋では16時を過ぎて到着すると叱られるが、此処では日暮れまでドンドン登山者が到着してくる。



南竜山荘には広いベランダがある。

生ビール大とアンパンを買ってベンチで寛ぐ。



5時から夕食。

ハンバーグや魚も付いていてご飯の振りかけは自由。

美味しく戴くが途中で胸がムカムカしてくる。

熱中症か?



食後、ウィンドブレーカーを着てベンチで休憩。

山荘の自然観察ガイドによる観察会が開かれていて、大勢が南竜ヶ馬場を散策している。

白山では、別当出合からの登山道や室堂の御池周りなどで、無料の自然観察会が開催されている。

いつの間にか天気が回復して夕焼けが綺麗だ。

明日も良い天気だとよいのだけれど。

テレビのニュースで白山市では大雨警報が出るほど降ったらしい。

夕方の雷鳴は麓の方からだったのかな。



朝5時前に起きるが曇っていて朝日は見えない。

6時から朝食。

やはりあまり食欲がない。

無理して残さずに食べる。

家内は相変わらず殆ど食べ残していた。



トイレは快適な水洗だった。

6時30分頃出発。

気温は16.4度。

ガスっていて、2000mの高原の朝にしては気温が高い。



展望歩道を登るつもりだったが、天気が悪いので山荘横からトンビ岩コースを登る。

チングルマの花が満開。



ウラジロナナカマドやオトギリソウが沢山咲いている。



ハクサンコザクラが一面に咲いてピンクの絨毯のようだ。



コイワカガミも一面に咲いている。



ミヤマキンバイやアオノツガザクラも所狭しと咲いている。



トンビ岩コースは意外と険しい。

イワイチョウも独特の花を咲かせている。



咲いていました。

念願のクロユリ。



コイワカガミやゴゼンタチバナ。



コバイケイソウやチングルマ等、花が途切れることがない。



アカモノやオオヒョウタンボク



アオノツガザクラとクロユリ



マイヅルソウとモミジカラマツ



小柄なセリ科の花、ハクサンボウフウやクロユリ。



蒸し暑くなってウィンドブレーカーを脱ぐ。

コバイケイソウが咲き誇っている。



アオノツガザクラやコイワカガミ



ハクサンコザクラの花畑。



突然雨が降ってきた。

急いで、レインジャケットを着てザックカバーを付ける。

パンツは撥水加工されているし、もう直ぐ室堂に着くだろうとスパッツだけを付ける。

これが失敗だった。

カメラは防水用に替える。

使用していたカメラは、レインのポケットにとりあえず仕舞う。

これがまた大失敗。



雨が滝のように降り出した。

足元にはミツバオウレン。



雪渓が残っている。



大きな岩が現れて御前坂に着く。

室堂までは後800m。



一面の花畑の中を登っていく。



益々雨が激しくなり、バケツを引っくり返したような大雨となる。



カメラは防水なので問題なく撮影できる。



晴れていればどんなにか素晴らしい花園だろうか。



雨の中で咲く花達も可憐だ。



トンビ岩に到着。



トンビが羽を広げているように見えるのかな。



ハクサンシャクナゲが咲く緩やかな道となる。



白い実はシラタマノキかな。

タカネナナカマドに実が出来ている。



一面にハクサンシャクナゲの花。

少しピンクの花が可愛い。



何処までも広がるコバイケイソウの花園。



大きな雪渓の横を通る。

雨がますます激しくなり、登山道が小川のようになっている。



8時59分、室堂着。



ビジターセンターには入れずに、宿泊楝のトイレの前で雨宿り。

次々に雨宿りに登山者がやってくる。

下着までビッショリ濡れている。

靴を脱いでひっくり返すと、水が一杯溜まっている。

トイレで上から下まで着替える。

此処でトンデモナイことが発覚。

カメラをゴアテックスのジャケットのポケットに入れて忘れていた。

何とポケットの中に水が溜まっている。

カメラを出すと、カメラからジャバジャバと水が溢れてきた。

スイッチを入れていないのに、赤いランプが付いてバチバチと音がする。

水でショートしているようだ。

急いで電池を外すが、カメラはもう駄目だろう。

まさかレインジャケットのポケットに水が溜まるとは思ってもいなかった。



左は家内のジャケット、右は私のジャケット。

普通のジャケットはポケットの上にカバーが有り、少々の雨ではポケットに雨が入らない。

私も冬用や古いジャケットは同じ構造になっている。

ところが去年購入したジャケットは、カバーがなくてポケットの開口部が大きい。

そこにカメラを入れた為、開口部か開き雨水が入って水が抜けずに溜まったようだ。

大失敗。



暫くして雨脚が収まったので、ビジターセンターに移動。

センター内は登山者で、ごった返している。

山頂へ行くのを諦めて、食堂で私は生ビール、家内はコーヒーで寛ぐ。



暫くすると落ち着いてきた。

レインジャケットとパンツで身を固めて山頂に向かうことにする。

11時丁度出発。



室堂平の白山比咩神(しらやまひめじんじゃ)は、白山開山1300年にちなみ、2016年に新築された。

奥宮祈祷殿にお参りしてから出発。

登山道の両側はコバイケイソウの花園。



オンタデとイワギキョウもビッシリ。



クルマユリも群生している。



登山道は石が綺麗に敷き詰められていて歩きやすい。

ハクサンフウロが雨に濡れていい感じ。



イワギキョウとミヤマコウゾリナ。



イワツメグサとオトギリソウ。



コケモモの花も咲いている。

前回来た時は実になっていて、美味しかった。



もう山頂に着いたかなと思ったら、まだ高天原。



11時52分。

御前峰 白山奥宮着。



奥宮にお参りしてから山頂へ。

標高2,702m。

山頂には、ご婦人二人と若い男女ペアが一組だけ。

濃霧で眺望はゼロ。

岩に座って一休みしていると、御池周りに向かっていったと思われる男女ペアが引き返してきた。

濃霧で、御池周りへの道がわからなかって引き返してきたとの事。

道を聞くので、尾根をずっと行って天柱石の大岩の手前から左へと巻いて降りていくと教えてあげた。

家内はもう引き返そうと言うが、せっかく来たので御池周りに向かうことにする。

すると頂上に居たご婦人ペアが付いて行きたいと言う。

チョット責任を感じるが、GPSにも御池周りのコースは明確に出ているので一緒に行くことにする。



天柱石まで尾根道を行き、岩の手前を左に巻く。

天気が良ければ、剣ヶ峰や大汝峰が目の前に見えるので間違うことはないのだが。

濃霧ではチョット不安。



ザレた道を下り始めると、家内が大声を上げた。

何とオコジョがコチラを見ている。

初めての出合いだ。

カメラが雨用なのでズーム倍率が低く大きく写せない。

手間取っていると岩陰に隠れてしまった。

諦めていたら、また顔を出してハイマツや岩陰を走りまわってはコチラを見る。

とてもすばしっこい。

適当にカメラを向けてシャッターを切ったら、幸運なことにマグレで写っていた。

可愛いなあ。

オコジョに出会えただけでも、白山に来てよかったと思う。

横浜から来られたというご婦人たちも感激していた。



岩道はジグザクでガスで真っ白。

何処を歩いたら良いかよくわからない。

赤丸印を見ながら時々GPSでも確認して下って行く。

何しろ見知らぬ連れがいるので責任重大。

お二人は「濃霧の時は危険だから歩かないように言われている」とか、心細そうに言いながら付いてくる。



このあたりには火口が沢山あり、1659年に最後の噴火があったそうだ。

今でも活火山で、また噴火するかもしれないとか。

1659年は万治2年。

第4代将軍徳川家綱の時代だ。

剣ヶ峰も紺屋ヶ池もガスの中。

池には雪が厚く残っている。

翠ヶ池(みどりがいけ)だろうか。



一旦斜面を登って行く。

溶岩で出来たような大岩の横を過ぎる。



目の前に青く澄んだ水を湛えている池がある。

不思議なことに、この池には雪が残っていない。

血の池だろうか。



大汝峰への分岐に着く。

計画では大汝峰へも登る予定だったが、濃霧だし連れもいるので通り過ぎる。



千蛇ヶ池は雪で覆われている。

此処で近道と周回道とに分かれる。

一休みしてどちらに行こうか考える。

花は、周回道が多いが、ガスが益々濃くなってきた。

また雨になってもまずいので、雪に覆われた池の側の近道を行くことにする。



コイワカガミの群生。



コバイケイソウの群生とキバナノコマノツメ。



百花繚乱。

見渡す限り色とりどりの花園。



何処までも広がるコバイケイソウ。



ミヤマダイモンジソウとクロユリ。



ハクサンコザクラとクロユリの蕾。



ゴゼンタチバナとハクサンシャクナゲ。



まだ蕾も多い。



ミヤマアキノキリンソウとクロユリの群生。



コバイケイソウの花園は途切れることがない。

今年はコバイケイソウの当たり年に間違いない。



クロユリもビッシリと咲いている。

こんなに大群生しているのは初めて見た。



朝日岳の花園も素晴らしかったが、白山もやはり花の名山。

タップリと可愛い花達を楽しむことが出来た。

オオバタケシマランの可愛い花を見て歩くと、室堂の白山雷鳥荘の横に着いた。

白山雷鳥荘は全室個室となっているようだ。

室堂、14時43分着。

近道を歩いたつもりなのに、ログを見ると周回道を歩いていた。

何処で間違えたのだろうか?

チェックインすると蚕棚の上段だった。

梯子が急で、上り下りが大変だ。

同室には子供連れが多い。

乾燥室に濡れた衣服や靴を吊るして外に出る。



曹洞宗大本山永平寺は、白山権現を永平寺の守護神・鎮守神としている。

毎年夏には永平寺の僧侶が白山に参詣して奥宮の前で般若心経を読誦する。

今日はその日に当たるようだ。

今年入山したばかりのような若い僧侶が多い。
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食事は5時20分から。

未だ随分と時間がある。

これなら大汝峰まで行けばよかったかな。

入口近くの椅子で休んでいると、若い僧侶たちがインスタントラーメンを買ってウロウロ。

郵便局ではがきを書いたりしている。

しかし、出入りするたびにドアを閉めない。

他の登山者は10人中9人はキチンとドアを締めるのに、僧侶は10人中5人までがキチンとドアを閉めない。

ドアを開けたままだと寒いので、その度に誰かがドアを閉めに行く。

まあ、まだ若くて世間知らずだから仕方がないかと思う。



夕食後部屋に帰ってもすることがない。

また、広場に出て景色を眺めている。

すると突然青空が広がり、御前峰がくっきりと見えるようになった。

家内も出てきて暫く眺めいる。



今年も夏の山歩きが出来たことを感謝。



やがて夕日が沈んでいった。

乾燥室の衣服を片付けて、7時半頃部屋に帰ると皆さんもう寝ている。

団体客が騒がしいが、遠くの部屋なのであまり気にならない。

8時過ぎには寝入ってしまった。



5時前に起床するがガスが出ていて、朝日の出は見えなかった。

6時に朝食後、出発。



一面のコバイケイソウを見ながら石畳の道を下る。



オンタデが赤くなっている。



弥陀ヶ原を下っていくと黒ボッコ岩に着く。



花の多いと言われている観光新道を下ることにする。



シナノキンバイやキヌガサソウの咲く登山道を下って行く。



朝早いと言うのに天気が良くて気温が上がっていく。



ニッコウキスゲの花園。



シモツケとハクサンシャジン



カライトソウとシモツケ



右に見えているのは白山釈迦岳だろうか。



タカネナデシコとミヤマオトコヨモギ



タカネマツムシソウとカライトソウ



ミヤマコゴメグサとシモツケ



眼下に、
殿ケ池避難小屋が見える。

その先のピークまで稜線歩きとなる。



タカネマツムシソウとイワオウギ



快適な登山道だが、ザレているので急ぐとズリっとすべりそうになる。



ミヤマクワガタだろう。

小さな花。



イワオウギとハクサンフウロ。

左に聳えるのは別山。

きれいな形をしている。



ヘリコプターが何度も何度も荷物を運んでいる。




ミソガワソウとカライトソウ。



ハクサンシャジンの群生。



段々暑くなってきて降りているだけなのに汗が出て来る。

ハクサンフウロももう見納めかな。



タカネマツムシソウとミヤマウツボクサ



ノアザミとシモツケ



殿ケ池避難小屋にやってきた。

随分歩いたと思うのに室堂から2km。

別当出合まで未だ4キロメートルもある。

7時55分着。



小屋のベンチで一休み。

故障していたトイレは治っていた。

しかし、やはり水はない。

コバイケイソウばかりかと思っていたら、バイケイソウも咲いていた。



キヌガサソウとエンレイソウの実。



火口域まで2キロの標識。

噴火するとこのへんまで危険ということだろうか。



グングン下って岩場を登り返す。



?の実とハクサンオミナエシ。

この赤くなりかけている実も、ハリブキの実だとyuuminさんから教えていただきました。

ありがとうございます。

yuuminさんは流石によくご存知です。



仙人窟に着く。

標高1800m。

別当出合まで丁度真ん中。

9時14分着。

たった1km下るのに1時間以上掛かっている。



左に砂防ダムの作業用の道路が見えてくる。



萼が五枚もあるのはノリウツギだろうか。



やっとの事で別当坂分岐に着き一休み。

9時50分着。

別当出合まで後2km。

急な岩道を下り始めるが、岩がとても滑りやすい。

注意していても時々ツルッと滑る。

もし転倒して出血でもすると、抗凝固剤を飲んでいるので血が止まらない。

注意して降りると、汗が吹き出してくる。

そのうち若い人たちが追い越していく。



永遠に続くような岩道を下り切ると、やっと歩きやすくなる。

風が吹かずに蒸し上がる。

山シャツを脱いでアンダーシャツだけになる。

やっ少し涼しくなった。

ガマズミの実が赤く熟れている。

ツリガネニンジンの蕾だろうか。



少し平坦になっても未だ道は遠い。



マタタビの花が咲いている。



やっと着いたかと思ったら未だ後1km。

沢水が流れ落ちていて、冷たい水で顔を洗い喉を潤す。

ペッボトルに汲んだ水を頭から被って生き返る。



ツルアリドウシと?の赤い実。



タケシマランの実が真っ赤。

やっと別当出合に着いた。

暑いのと岩が滑るのでヘトヘトになった。



11時58分着。

室堂から通常3~4時間のところを6時間、別当坂分岐から2kmを2時間も掛かってしまった。

前回は、室堂から3時間40分で降りている。

8年間に随分と身体能力が低下したものだと思う。





別当出合から南竜山荘まで

総歩行距離 5.1km

累計標高差 +980m -101m

総行動時間 5時間49分



南竜山荘から御前峰、御池回り経由室堂

総歩行距離 5.8km

累計標高差 +696m -330m

総行動時間 8時間21分

室堂から別当出会まではログが飛んで記録が取れませんでした。


別当出合登山センターで冷たい水を目一杯飲む。

その後、私はノンアルコールビール、家内はCCレモンを一息に飲む。

ギンギンに冷えていて美味しい。

昨日御池回りを一緒に歩いたご婦人が降りてきていた。

12時30分の金沢行きのバスに乗り、新幹線で横浜まで帰るそうだ。

駐車場に帰ると今日も満車状態。

平日というのに花の時期の白山の人気は凄い。

帰りに白峰温泉に寄り、熱い温泉と冷泉に交互に入る。

ソフトクリームを食べて一路自宅に向かう。


去年、二回も手術をして、後遺症に苦しみ、やっと治ったと思ったら今年心房細動になった。

心臓の効率が20~30%低下すると言われたが、その所為だろうか随分と疲れた。

余裕のあるスケジュールを組んでいて良かった。

また転倒などして出血しなくてよかった。

毎年山歩きが厳しくなるだろうけれど、ゆったりしたスケジュールでこれからも山歩きを続けたいと思う。


後日談

水没したカメラは帰って直ぐに、ヘアドライヤーで乾かしたが全く動作セず。

SDカードは、大丈夫で画像を読み出すことが出来た。

二日間陰干ししたら、電源は入るようになったが、レンズが出ずに撮影出来ない。

三日目、レンズは出るようになったがズームできず、シャッターも降りない。

諦めて、Amazonで同型の中古を発注。

流石Amazonは早くて先程届いた。

壊れたのを捨てようとしたら、何とズームが正常に動く。

しかしシャッタは相変わらず降りないので、やはり駄目かなと念の為リセットしたら撮影できるようになった。

液晶も水が入っていたのに綺麗に乾いた。

フラッシュだけは水没した時ショートしたのか、光らなくなった。

しかし、今日届いたカメラは無駄になってしまった。

家内からは、気が早すぎるからだと叱られる。

困った。困った。



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