里山の秋 伊予富士 〜 東黒森 2007/9/22
         

− アサマリンドウに出会った初秋の伊予富士 −

家内にやっとお医者さんから山歩きのOKが出た。復帰第一弾として、三嶺か天狗塚に行こうと計画した。

朝5時半過ぎに出発してから、突然伊予富士に行きたいと言いだした。

リンドウの花が見たいという。

伊予富士には、2003年に霧氷を見てから行っていない。

吉野川オアシスから高速に乗り西条インターへ。

新しいローソンで弁当を購入。

寒風茶屋を目指す。



8時45分寒風茶屋着。

茶屋の前の駐車場はほぼ満杯。

8時55分出発。

所が、いつものコンデジの電源が入らない。

3ヶ月前に同じ症状で修理に出したばかり。

一眼レフタイプのデジカメを手に下げて出発。

この桑瀬峠への道は最初が厳しい。

カメラを片手でかばいつつ岩に足をかけようとして、浮いた木の根に引っ掛かった。

岩で膝下を打ち付けて唸り、更に出した足が岩で滑り、とがった岩に前腕を打ち付けた。

おまけに突き指までして、ふと腕を見るとメスで切った様になって血で真っ赤になっている。

こりゃ大変だと応急手当をするが、幸い直ぐに痛みも和らいだので、どおって事無いみたい。

カメラをかばって、我が身かばわず。

やはり歳だなあ。気を付けなければ..



この坂はキツイ上にいつも濡れている。

アキノキリンソウが咲き始めている。



カニコウモリかと思ってよく見たら花が全く違う。

葉も違う。

何だろう?

葉っぱはモミジの様な朝顔の様な..

蘭ちゃんにフクオウソウだと教えて戴きました。

初めて出会った野草です。



ツルリンドウの咲く岩道を登り切ると少し緩やかな道となる。



この蕾は何かなと思ってしばらく歩いていくとアサマリンドウの蕾だった。

リンドウの咲くのにはまだ少し早かったかな?



シロヨメナの咲く暗い山道には沢山の山野草が咲いている。

アキチョウジも多い。



モミジガサ



他の山ではこの季節ヤマジノホトトギスが多いが、この山では見かけなかった。

かろうじて一株。

かなり小さくて花弁が開いていないので、赤ちゃんのヤマジノホトトギスかな?

それとも他の種類?こんな咲き方をしているのを初めて見た。



やがて右に巻くと緩やかになる。

アキノキリンソウが陽に輝いている。



稲叢山方向と伊予富士への崩れた稜線。



やはり此処でもリンドウは開いていない。

冠山頂上は雲の中。



寒風山もガスの中で見えない。



9時46分。桑瀬峠着。

いつもは風が良く通るのだが今日は無風。

照りつける陽差しがキツイ。

ミゾソバの様だが何か白っぽい。

先ほど峠下で休んでいた夫婦が到着。

今治のご夫婦らしい。

今日は花が満開という剣山に行く予定だったが、遠いので伊予富士にやってきたとか。

伊予富士は初めてだと言うがもう既にかなり疲れているようす。



バナナの行動食をとり、出発。

向こうにギザギザの伊予富士頂上が見える。

振り返るとやはり寒風山は雲の中。

先ほどのご夫婦が記念撮影をしている。



気持ちの良い笹の稜線を行く。

前回来た時はこの辺から霧氷が綺麗だった。



振り返ると寒風山が少し見えだしている。

右の方には冠山も顔を出す。



一面に咲いている小さな花。多分ミヤマヒキオコシ。

タカクマヒキオコシとの区別が良く解らないが、花が小さいのでミヤマヒキオコシにしておこう。



小さな黄色い花は不明。



稜線に出るとやっと開いているリンドウに出会った。

淡いムラサキがとても清楚で可愛い。

白い縞模様があるのもチャーミング。



振り返ると、寒風山が顔を出している。

寒風山の右は笹ヶ峰。その右奥はちち山。



寒風山頂上にはもう沢山の登頂者が居る。



高度を上げると樹林帯に入って行く。



ヤマトウバナの小さな花が目立つ。

オオバコにもこんな花が..ヘラオオバコみたい。



登るに釣れてリンドウが増えてくる。

嬉しい悲鳴。

写してばかりで前に進めない。



樹林帯を出ると、一旦下って行く。



高知県側の眺め。



段々と気温が上がってきた様だ。

伊予富士に向かう快適な稜線歩きも汗が流れ落ちる。



ホソバノヤマハハコと咲き残ったイヨフウロ



伊予富士から帰ってくるご夫婦と出会う。



花の萼が小さくて水平に開いているのでアサマリンドウだと解る。

アサマは「淺間」ではなく三重県の朝熊山に由来する。

四国(高知県の横倉山)で発見されて学名の一部には「四国」も付いたが,

この花は朝熊山周辺でそれ以前からよく知られ個体数も多かったことから「朝熊竜胆」となったようだ。

青紫のグラデーションが何とも言えない。



よく見ると淡緑色の細かな斑点が有るのもアサマリンドウの特徴。

こんな色の薄い一見ツルリンドウの様な花もあった。



鞍部に下りると林道へと下りる道が出来ていた。

ここから22分で伊予富士頂上と書いてあるが?

現在10時48分。



松中OBでまだ登山されている方がおいでなのかな?



さて四国三大急登へと近づいてきた。



3人程上っているのがコメツブの様に見える。



山頂を目の前にして、一息入れる。



振り返ると寒風山から冠山、平家平が一望。



冠山の左奥には特徴有る二ッ岳。



平家平に陽がさして、なだらかな頂上部が美しい。



冠山の右側の山々



気合いを入れて一歩一歩登って行く。



頂上部にもアサマリンドウの群生。

11時17分伊予富士到着。

以前霧氷を見に来た時は1時間40分で登ってきたが今日は2時間以上掛かっている。

でも復帰第一弾としては頑張ったなあ!



また寒風山方向はガスが深くなってきた。





東黒森への稜線の北側は一面のガス。

瓶が森や石鎚山は見えない。

正面に手箱山や筒上山が見える。



私達の先を登ってきたご夫婦は直ぐに下山していった。

寒風山とセットにして登る人が多いので急いでいるのかな?



ご夫婦が去って頂上は女性二人と若い男性一人。

いつもはごった返している山頂だが、のんびりと昼食。

しばらくして何人かが登ってくるのが見える。

あの今治から来たご夫婦は鞍部で座り込んでいる。



やがて東黒森から4人のお年寄りが登ってきた。

高知の人らしいが、沓掛山を見たかったがガスで見えないとがっかりしていた。



その内、岡山から若いご夫婦。そしてこれから寒風山に折り返すという老夫婦が到着した。

今治のご夫婦は、途中まで登ってきているのが見えたが到着しない。



食事を終わった頃、瓶ヶ森方向が見えだした。

東黒森まで行けば石鎚山も見えるかも知れないと、足をのばすことにする。

11時54分出発。



ドンドン下って行って、鞍部の下山口分岐



瓶ヶ森林道への道は綺麗に笹が苅ってある。



振り返ると伊予富士にもガスがかかり始めている。

東黒森への坂を上り返す。



東黒森12時30分着。



伊予富士方面。



瓶ヶ森も石鎚山もガスの中で全く見えない。



高知方面



手箱山方面もガス



大岩にへばりついて黄色い花が?

しばらく待つが霧が晴れないので帰ることにする。

12時42分。



ミゾソバかと思ったが違うみたい。



ひたすら下りまた登って行く。

先ほどの高知の4人組と出会い励ましていただく。



13時22分伊予富士に帰ってきた。

丁度、若い二人が登ってきた。(帰りに車のナンバーを見ると相模ナンバーだった)

休憩していると首筋をブヨに噛まれた。

堪らず下山開始。

13時31分。

頂上の看板では登山口まで1時間20分だとか?



頂上直下のアサマリンドウの群生。

頂上直下は笹の枯れ葉で滑りやすい。



来る時には気が付かなかったが鞍部からダラダラとした登り返しが続く。



樹林帯にはいると変わったアジサイとミヤマヒキオコシの群生。



寒風山、笹ヶ峰、ちち山に向かって進む。



ミヤマかタカクマかかえって良く検討しよう。



シシウドの実?

桑瀬峠15時1分着。

また水休憩。

今日は二人で500ogのボトルを7本も飲んでしまった。





小さな花を楽しみながら下山。



登る時は気が付かなかったがアケボノソウ発見。

二人でしばらく見とれる。



15時30分無事登山口到着。

やはり下りも2時間かかっている。

駐車場はガラガラになっていた。

伊予富士山頂で会った若い二人が丁度下りてきた。

やはり若い人は早いなあ..

家内の復帰第一弾山歩きも何とか無事終了。

これで来週の検査でGOTが上がっていなければ、良いのだけれど。

秋の山を思い切り歩いてみたいなあ。