夏の里山 高城山 樫戸丸      2015/06/16
ホームページ

 オオヤマレンゲが咲きました 樫戸丸 -

樫戸丸のオオヤマレンゲが花開いたとのレポートが届いた。

もう茶色になっている花もあるという。

これは急いで見に行かなくっちゃ。

今日の天気予報は曇りで午後には雨も降るかもしれない。

雨の降る前に天女花を見に行こうと出発。



樫戸丸の登山口の風の広場へはファガスの森からは崩落で工事中のため行くことが出来ない。

木屋平から川成峠経由で行こうかと思うが、家内は高城山経由で行こうと言う。

帰りの高城山までの登り返しがちょっと嫌だがまあ何とかなるだろうと最短コースの登山口に向かう。

朝早いというのに工事の車が走っていく。

この先の崩落現場の工事に向かっているのだろう。

紅葉のシーズンまでに修復できれば良いのだけれど。

8時28分出発

此所で、時計を忘れたことに気がつく。

時間は温度計でも解るしまあ良いか。

今日はよく知っている山なのでコンパスや高度計の機能が無くても大丈夫だろう。

(これが後で摩訶不思議な体験をする原因となる。)



登り始めるとすぐにブナが出迎えてくれる。

ガスの中のブナはとても雰囲気が良い。

今年は凄く多くの実が出来ている。

成熟したブナには数万個の実がなると言う。

一個の殻斗に2個の種、つまりドングリが出来る。

一昨年から一年実がならなかっただけで、今年このような豊作となるのはブナが危機感を感じているからだろうか。

それにしても徳島県のブナの実が同時に豊作となるのは不思議だ。



小雨が降り始めてガスが濃くなる。

笹が雨に濡れているが、今日は長靴を履いてきたので冷たくない。

濡れた地面にも確りグリップして快適。



アメダスを越えて頂上に向かう。



笹の花が沢山咲いている。

花の咲いた後の笹は赤茶けて枯れている。

今年は徳島の彼方此方の山で笹の花が咲いているのを見る。

鹿害の進む中で笹が枯れたら腹を空かした鹿が樹皮をかじる被害が増えるかもしれない。



カマツカがまだ元気に咲いている。

あっという間に高城山頂上着

8時52分。

20数分で1,628mの頂上に立つことが出来るのはお得かな?



此所でもミヤマザクラの実が沢山出来ている。

花が咲いているのはまだ見たことが無いのだが、いつ頃咲くのだろうか。

少し休んですぐに西尾根に向かう。



ナナカマドに花が咲き始めている。



バイケイソウの葉が囓られたのか枯れかけている。



天気が良い日はアルプスの高原の雰囲気がある所だが今日は真っ白。

コナスビがビッシリと群生している。



気温は21度

雨が降っている割には湿度は57%

道理で蒸し暑くないわけだ。



タンナサワフタギが綺麗に咲いている。

快適な道を下っていくが、鉄塔手前の急坂で爪先が痛くなってきた。

長靴は足首が締まらないので靴の中で足が滑り爪先が痛くなるのが欠点。

梱包用ベルトで足首を締めると快適となった。



スーパー林道に下りて風の広場に向かう。

コゴメウツギが群生している。



シコクバイカウツギが道路脇に沢山咲いているる

ツルアジサイが今年も花を咲かせている。



ヤマボウシの花も咲いているが今年は少ない。

風の広場到着。

9時54分



山野草の花が少ない中でタツナミソウがいくつか咲いている。

シコクブシが群生している、

花が咲くと見事なことだろう。



大川原高原などでよく見られる赤色チャートの岩が転がっている所がある。



足下に小さな花が落ちているので見上げるとマユミの花が咲いている。

何時ものシコクバイカウツギの木が花を咲かせているが今年は花が少ない。

これから咲くのだろうか。



沢山咲くと見事なんだけど。



ブナに着生しているのはアオベンケイかな。



樫戸丸は最初は緩やかな登りだが途中で少し急となる。

フタリシズカがまだ元気に咲いている。



アキグミの花も今年は少ない。



バイケイソウが群生しているが囓られて枯れかけている。



何故か囓られずに残っているバイケイソウは蕾が出来ている。

しかし囓られた物は無残



ガスが漂い薄暗い中で今年も咲いていました純白の花。



今年は花数が多い。

雨に濡れて少し下を向いているがその清楚な姿に魅入ってしまう。



流石、天女花と呼ばれるだけのことはある。

その存在感は半端でない。



今年は丁度花の盛りに来ることが出来たようだ。

雨の中登ってきた甲斐があった。





茶色になった花も多いが蕾もまだ沢山ある。

今週いっぱいは楽しむことが出来るだろう。



十分にオオヤマレンゲを楽しんでタンナサワフタギの咲く頂上へ向かう。



樫戸丸頂上着

11時24分



頂上から天神丸や剣山方向を見るがガスが巻いて真っ白。



雨脚が強くなってきたのでポンチョを着て下山開始。



雨は益々強くなるがのんびりと下りていく。



枯れかけたバイケイソウの中を下りていくとブナの幹に水が滝のように流れている。



ブナの細かな葉に降った雨が枝に集められてやがて幹を流れ落ちている。

登山道から少し外れた所に見事なブナがある。

真下に行って、つい見とれてしまった。

急いで登山道に戻り道を急ぐ。



凄い勢いでブナに流れる雨水



ふと、気がつくと家内の姿が見えない。

先に進んでしまったようだ。

大急ぎで駆け下りるが家内に追いつかない。

雨は益々強くなり視界が無くなる。

大きな声で呼んでも返事が無い。

幸いなことに電話が通じた。

家内も私を見失って引き返しているようだ。

追いかけているからゆっくりと下るように言う。

尾根道を行けばどこかで会えるはずだ。

急いで下ろうとすると、一旦下ってまた登りとなる。

なんか変だ?

進むほどに登りとなる。

まさか?

進む方向が逆?

時計が無いので高度も方位も確認していなかった。

ガスが濃くて視界が殆どない。

ポンチョを脱いでリュックに付けたコンパスを取り出して見る。

なんてことだ。

南の頂上方向に向かっている。

不思議なことがあるものだ

脇道に入ってブナを見上げて撮影しているうちに方向が180度回ってしまったようだ。

小さなアップダウンがあったので、一瞬気がつかなかった。

急いで方向転換して駆け下りる。

家内から何回も電話が入るが状況を説明できない。

走り下りるしか無い。

やっと登山口手前で追いついた。



そのまま先に進んで、今度は風の広場手前で右に行きすぎて、気がつくと風の広場の右下の斜面を下っていた。

急斜面を広場に駆け上がり家内が広場に下りてくるのを待つ。

家内はまた私を見失ってウロウロしているので大声で呼ぶ。

雨のため注意力が散漫になるのとガスで周りがよく見えないのが原因かもしれないが、注意力が欠けていた。

風の広場 13時13分着。

少し明るくなってきたが雨はやまない。

スーパーの林道に出て大きな木の下で雨宿りしながら立ったままで昼食。

すぐに高城山西斜面に向かう。

13時34分 登り始める。

崩壊現場での工事の音が大きく響いている。



高城山西斜面は何時もはルンルンで下るだけだが、逆に登り返すのは初めて。

なかなかの急斜面だ。



頂上の大きなブナにたどり着いて登ってきた西斜面を眺める。



高城山頂上に帰ってきた。

14時22分

雨も強いのでそのまま下山。



雨脚は強いがガスは薄くなってきた。

アメダスがクッキリと見える。



登山口 14時48分着。



帰りにファガスの森に寄るが平井さんは池田に出かけていて留守だった。

初めてお会いする女性と少し話をするが、もしかしたら平井さんの娘さんかな?

冷えた体に温かいコーヒーが美味しい。



しばらくのんびりとしてから失礼する。



雲が舞い上がる様子を雲早隧道を越えた所で撮影。

今日は雨の中の歩きだったが、可憐なオオヤマレンゲに会うことが出来て最高。

しかし、ブナを見上げてグルッと撮影している間に180度進む方向を間違えてしまうとは摩訶不思議な出来事だった。

雨が降ったりガスが深かったりした時は、コンパスでの確認を頻繁にやらないと駄目だと反省。

また、雨が降っていてフードを被っていると、すぐ近くに居て大きな声で呼んでも聞こえない。

呼んで返事が無いと不安になりウロウロしてしまう。

ホィッスルも持っているが使わなかった。

よく知っていて登山道がシンプルな樫戸丸でもこんな事が起こる。

初めての山や道が複雑な山などでは遭難にも繋がる。

注意しなければ。





総歩行距離 9.9㎞

累計標高差 ±960m

総歩行数 24,011歩


随分と歩いたような気がしたが、中津峰山のいやしの道を往復したくらいだった。


里山倶楽部四国編 

ホームページにも是非お立ち寄りください