夏の里山 剣山 次郎笈    2016.06.18
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- 剣山 次郎笈 -

今年は木の花を十分に楽しんだ。

東赤石山ではタカネバラなどの夏の花も見頃となっているみたいだ。

しかし、最近は車で遠くへ出かけるのが億劫になった。

高速代や燃料費なども重荷に感じる。

その点、県内の山なら、殆どが高速を使用すること無しに出かけることが出来る。

今日は気温が上がりそうなので、出来るだけ高い山が良い。

と言うことで、何時もの剣山に出かけることにする。



見ノ越に着くと駐車場には車が一杯。

昨日から来て、山頂ヒュッテに泊まったり縦走している人も多いようだ。

何時ものように、事故の無いようにと剱神社にお詣り。



気温は13度。

ヤマアジサイが咲き始めている。

7時48分出発。



軽やかに登って行く男性の後から登って行く。

ヤブウツギが咲き始めている。

やはり剣山は、他の低い山に比べて花の咲くのが遅い。



葉が長楕円形なので、オククルマムグラかな。

ウワバミソウが咲いているが、本当に地味な花だ。



朝早いというのにドンドン気温が上がってくる。

数年前なら、歩き始めて10分もするとドーパミンが出て、次にアドレナリンが分泌されて山歩きの負荷が快感となった。

それがターボが効いた感じになり、グイグイと登ることが出来た。

最近はドーパミンやアドレナリンの分泌が少なくなったのか、30分以上経たないと調子が出ない。

家内にドンドン離されてしまう。

一時笹が復活していたが、またスズタケなどが少なくなっている。



途中で何度か待ってもらって付いていく。

結構キツいぞ。

ナナカマドの花が満開だ。

秋には真っ赤な実が成るのが楽しみだ。



西島神社の手前で振り返ると丸笹山も緑が濃い。

ドウダンツツジが咲き始めている。



遊歩道分岐で一息ついて、山頂や次郎笈を眺める。



三嶺も綺麗だ。



西島駅着

8時29分。

剱神社から41分。

私としては、タイムは悪くない。

今日の私のペースが遅いのではなくて、家内が調子よいのだと思う。

大きなリュックを背負った若いペアは、地図を見て迷ってから大剱コースを登って行った。



ベンチで一息入れる。

暑くて水が美味しい。



一休みしてから刀掛けの松コースを行く。

丸笹山や赤帽子山が夏山の気配。

高城山方向は少し霞んでいる。



風が無いので日差しがジリジリと感じる。

三嶺が美しいが、こんなに暑いと雪を被った三嶺が懐かしい。



先行して行った男性が休んでいる。

暑いのか肌シャツ一枚になっている。

お聞きすると木屋平の方のようだ。

山頂も夏の山のように見える。

実はこの時期の日差しが一年で一番キツイ。

風があれば少しはマシなのだが全く風は無い。

ベンチに座って、凍らせてきたスポーツドリンクを飲む。

冷たくて美味しくてついゴクゴクと飲んでしまう。



枝折神社にお詣りして急坂を登ると、イシダテクサタチバナが花の盛り。



今年は花付きが良い。

木屋平の町も曇っている。



やっとペースが戻ってきた。

汗を拭きながら一生懸命登って行く。



ヒュッテ下の階段道には、ツマトリソウが咲き誇っている。

ほんのりピンクかな?



9時7分

頂上ヒュッテに着く。

土曜日なのに山頂本宮神社は閉まっている。

宮司さんは、リフトが動き出してから登ってくるのかもしれない。



木屋平の山々を眺めながら一息入れる。



ヒュッテに寄ってみるが、女性が一人いるだけで新居さん達はお留守だった。

今朝の最低気温は7度だったらしい。



ヒュッテを出ると、大剱神社コースに向かった若い男女ペアが登ってきた。

やはり大剱神社コースは少し時間が掛かるようだ。

あんなに沢山の車が停まっていたのに頂上は人が少ない。

皆さん縦走されているのかな?

それとも先に次郎笈に登っているのかも。



先日は強風で吹き飛ばされそうだったが、今日は無風。

鉄板焼きになりそう。

木道の周りのミヤマクマザサは、雑草が生えてきて埋もれている。



こんなに雑草が多いと笹の発育に影響しないのだろうか。

木道が傷んでいるのでモノレールを建設して立て替えると計画されているが、そんなに傷んでいるようには見えない。

傷んでいるところがあるとしても、少しの補修で済むと思われる。

何故、県が環境破壊してまでモノレールを建設し、早急に工事を進めようとするのか?

何か裏があるように思える。



この写真の下方から左へと斜面を横切り頂上ヒュッテを左に巻いてモノレールが設置される予定らしい。

この写真も懐かしい剣山の姿を写しています。

東西のテラスは出来ていますが、頂上部の木道は出来ていません。

広々とした笹原の頂上が美しいですね。

剣山山頂は平坦であるために登山者に踏み荒らされ裸地化が著しかった。

そのため1974年にはロープで登山道以外を立ち入り禁止にする措置を執った。

1993年から「平家の馬場」の登山道に木道を設置する工事が進められ、

2004年に山頂三角点周辺が木道化したことにより、ほぼ全てが木道になった


モノレールを建設して壊した自然は、工事終了後モノレールを撤去しても戻っては来ない。

資材運搬用なので、少なくても高城山や三嶺のモノレールと同等かそれより規模が大きいと思われる。

剣山の北斜面は、過去の土砂崩れ崩壊の復旧工事跡で痛々しい姿となっている。

剣山の頂上部は石灰岩で安定しているが、北面の急斜面は大雨が降ると何時土砂崩れが起こっても不思議では無い。

昭和51年に起こった一の森北面の大崩壊は未だに深い傷跡を残している。

また、昨年にはモノレール設置ルートに近い行場一帯が大崩落してまだ復旧できていない。

そのような斜面の樹木を伐採して、モノレール設営工事をするのはなんとも怖い。

県は工事終了後元に戻すと言っているらしいが、モノレールを撤去しても植生は元には戻らない。

モノレール跡が裸地となり大雨で土砂崩れを誘発する危険性が大だ。

何よりも、剣山山頂のエコトイレ横に設置したヘリポートはこんな時のためにあるのでは無いだろうか。



雑草の少ないところにはツマトリソウが沢山咲いている。



頂上にはトレラン風の男性が一人休憩しているだけ。

9時16分着。

剱神社から

1時間28分。

私達としては、結構良いペースだ。

それにしても家内は元気良すぎ。

2004年に木道化して立ち入り禁止となった頂上部は、未だに裸地のままで植生が復旧していない。

高山では一度植生が失われると復旧するのは大変だ。



木屋平の男性が次郎笈に向かっている。

私達も次郎笈に向かって出発。



木屋平の男性は凄い勢いで下って行く。

あっという間に下って次郎笈峠の辺りまで登っている。

家内は膝が悪いので下りはドン亀となる。

転ばないように慎重に下って行く。

今度転んで、残った片一方の靱帯を痛めたら、もう登山は出来なくなる。



ツマトリソウが沢山咲いているし、トゲアザミも沢山つぼみを付けている。



次郎笈峠で、水分補給と行動食のあんパンを食べる。

男性が一人追い抜いていった。



霧氷ポイントを登り切って一息入れる。

ここからの剣山は美しい。



岩場の急登も何故かキツく感じられない。



前ピークから三嶺への縦走コースを眺める。



一呼吸して頂上に向かう。

10時15分 次郎笈頂上着。

木屋平の男性が、急登で大変だったと言っていた。

下りは早くても登りはやはり大変のようだ。



先ほど追い越していった男性は疲れたのか、一言も言わず座り込んでいる。

昼食には早いので私達も座って剣山を見ながら休憩。

時々冷たい風が吹いて気持ちよいがやはり暑い。

何時もなら丸石に行くことが出来る時間だが、今日はとにかく暑い。

家内が丸石に行くと立ち上がるかとヒヤヒヤしたが、今日はここで昼食にして帰ると言う。

ほっと安心。



何時もの東のテラスに行って昼食。

今日は定番の鳥丼。

定番の弁当は値段も安いし、味が研究され尽くしている。

鰹だしをかけて食べると冷えていてもとても美味しい。

ちょっとカロリーが高いのと塩分が多いのが難点だが、今日のように汗を沢山かいたときには良いかも。

食べながら見ていると大勢が次郎笈に向かって登ってきている。

暑い所為か皆さんペースが遅い。

男女ペアが登ってきてお声掛けいただく。

ジ○インのガイドをされていた方で、今日はこれから奥槍戸まで下ってホラ貝の滝コースを登り返してくるそうだ。

普段でも大変な周回コースだが、今日のように暑い日は余計大変だろう。



頂上まで帰って眺めると、団体が何組も登ってきている。

縦走するのか大きなザックを背負っているのでペースが遅い。

これではすれ違いが大変なので、丸石分岐に向けて下山する。



大剱神社経由で登ってきた若いペアが前を下っている。

これから丸石に向けて縦走するようだ。

次郎笈の登りで苦労していたようだが、長い縦走路大丈夫かな?



コメツツジは大半が枯れているが、元気に花を咲かせている木もある。



鏡岩でよく見ると、本当に鏡のように写るところがある。

カメラではよく解らないが、手などがクッキリと写って見える。

磨き込まれた大理石よりもクッキリと写る。

今まで写ったことは無いのだが誰かが磨いたのかな?



丸石への縦走路は、見ていると行きたくなるが、今日はここから帰る。



今日は今年で最高の気温だろう。

汗が出て体力が奪われる。



幸い、水場の水量は十分で冷たい。

手を5秒も浸けていると痺れるくらいだ。

頭から何度も被って冷たい水を飲む。

甘くてとても美味しい。

ヤマガラシが沢山咲いている。

ヤマガラシは剣山が南限らしい。



ツマトリソウが群生している。

ほんのりツマがピンクなのが愛らしい。



大声が聞こえるので見上げると、大きなザックを背負ったパーティが次郎笈の稜線を登っている。

今日は避難小屋は超満員だろう。

コケの花の中に咲くツマトリソウ。



剣山に向かって帰って行く、

ニガナがまだ綺麗だ。



ヤブウツギはまだ蕾が多い。

ツマトリソウを写していた男性から、ホームページ見ていますよとお声掛けいただく。

ありがとうございます。

今までニアミスが多かったそうだ。



振り返ると次郎笈山頂へ次々と団体が登っている。



今日は剣山へ登り返さずにトラバースを帰る。



遊歩道が崩れているので途中から大剱神社へと登らないとイケないらしい。

ドウダンツツジはまだ咲き始めたばかり。



小さい赤い花はウスノキかな。



ダケカンバの若葉が綺麗だ。



二の森などでは鹿害で全滅寸前だが、不思議なことに此所では殆ど被害が無く元気だ。



ダケカンバの大木が青空に向かって立ち上がっている。

見事だなあ。



ナナカマドの向こうに御塔石。



崩落で通行止め地点から大剱神社に向かって登る。



御神水を戴くと冷たくて美味しい。

大剱神社は開いている。



この数年開いているのを見たことが無かった。

天涯の花の主人公の宮司さんは体調が悪く、奥様が神社を守っておられるようだ。

奥様は3歳の時に高知から養女に来られて、やはり養子のご主人とご結婚されたそうだ。

剱神社は息子さんご夫婦に任せて、この大剱神社を守っておられるようだ。

何時までもお元気で。

この神社は縁結びの神様だが、家内安全のお札を買って下山する。



神社横にはイワガサが咲いている。

今年は行場が通れないし、遊歩道も通過できないのでイワガサを見ることが出来ないと思っていたがラッキー。



眼下に見える西島駅に向かって下りていく。

マルバアサガラはもう赤い実が出来ている。



西島駅でまた水休憩。

水場や御神水で冷たい水をたっぷり飲んだのにまだ喉が渇く。



鳴門秘帖で間者牢とされていた太鼓くぐりを過ぎて遊歩道を下る。

水か少ないがこの沢が鳴門秘帖の書かれた紙が流れていたところ。



巨木の枯れた切り株にブナの赤ちゃん。

切り株に守られて数百年後に大木になるかも。



この遊歩道は巨木が多いが枯れて切り倒された樹も多い。

ナナカマドはまだつぼみ。



突然甘い香りがして見上げると特徴ある丸い葉。

カツラの木だ。

散った葉が先日の雨で甘い香りを出しているようだ。



ショウキランの咲くところに来たが、今年はまだ蕾も見えない。

ミズナラの大木はまだ元気。



まだ100年位は元気でいて欲しい。



ツルアジサイが古木にビッシリと巻き付いて咲いている。



祖谷川源流の水が元気に出ていたのでまた戴いて頭まで被る。

例年ヌルくて美味しくないときもあるが、今日は冷たくて美味しい。



剱神社まで帰ってくると気温は26度。

標高1400mでこの気温なら平地はとんでもない暑さだろう。



駐車場に帰ると更に車が増えていた。

家に帰りシャワーを浴びてビールを飲むと睡魔が襲ってきて二時間ほど爆睡。

起きると体中が火照っていた。

これから本格的な夏山のシーズン。

暑さ対策を考えないといけないなあと思う。






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