秋の里山 剣山     2017.10.30
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今シーズン初霧氷 一の森 剣山  -

昨夜見た、お山の天気予報「てんきとくらす」によると、剣山の今日の登山指数は「C」。

天気は朝は曇りで9時過ぎから晴れ。

「C」の理由は高度2000mで風速が12時で19m。

山頂で風速19mと言うと体が吹き飛ばされそうになる風速だ。

しかも気温が9時で-1度。

朝は強風とガスそして氷点下の気温。

これは霧氷が出来る最適の条件。

しかも昼前から快晴となれば、青空に生える霧氷を見る事が出来るだろう。



6時過ぎに家を出て佐那河内から神山に向かうと、電光掲示板に「438号線神山上分山腹崩壊全面通行止め」。

台風の影響かな?

鬼籠野から石井へと抜けて192号線貞光経由で行くことにする。

随分と遠回りとなった。

しかも通勤時間と重なりノロノロ運転。



山道に入ると、ガスが出てきた。

前の車のテールランプがやっと見えるくらい。

スキー場を越えると数メートルも見えない。

とうとう香川ナンバーの前の車が止まってしまった。

追い越して黄色のフォグランプを点けて走るが殆ど何も見えない。

おまけに小雨も降ってきた。



見ノ越の駐車場に着くと4台ほどが停まっている。

家内はこんな日に登りたくないと言う。

これから天気が回復する予報だと言ってなだめすかす。

しばらく休んでいると雨が止んだ。

出発しようと準備していると、停車している人達が寄ってきて、「こんな天気で登ることができますか」と聞く。

皆さん県外の人でしかも剣山は初めてらしい。

「剣山は、少々のガスや雨では登るのに危険はないと思う」と言うが、皆さん不安そう。

リフトが動いているので、とりあえず西島までリフトで登って様子を見たらどうですかと言って私たちは出発する。

9時11分出発。

ガスも少なくなって明るくなってきたようだ。

5人ほどのパーティが降りてきて、これから登るんですかという。

昨夜ヒュッテ泊まりで三嶺まで縦走する予定だったが風が強く中止にしたらしい。

頂上の木道が凍っていて風に煽られて歩けなかったそうだ。

まあ天気はこれから回復するから大丈夫だろう。



劔神社にお参りして出発。

気温は3度。

レインジャケットを着用。



ガスの中でツリバナのピンクが可愛い。

トンネルまで来ると出発時に動いていたリフトが止まっている。

天候が悪いので運行停止したのかな?



少し登ると寒くなってきた。

襟首にタオルマフラーを巻いて、手袋も冬用に変える。

短パンの男性が元気に登ってきた。



ガスの中のモミジの紅葉も味がある。



遊歩道分岐についても何も見えない。

10時4分 西島駅着。



当然、三嶺等は全く見えない

リフトが動いていて、ご夫婦とヒュッテの新居さんが降りてきた。

リフトはまた直ぐ止まった。

ご夫婦は広島から来られたそうだ。

天気予報は晴れだったのにと奥様が残念がっていた。

新居さんと少しお話をしてから出発。



景色は全く見えない。

風も出てきたようだ。

刀掛けの松に着くと、此処でもご夫婦が看板を見ながら思案中。

初めての剣山で視界がないと、看板を見ても道が解りにくいかもしれない。

広島のご夫婦がやって来て、次郎笈まで行ってまた剣山に登り返して来るとの事。

風も強いのに大丈夫かな?



突然家内が、一ノ森に行きたいと言い出した。

台風後の行場道は大丈夫かなと思うが、もし荒れていたら引き返すということで出発。

行場道に下っていくと北斜面からガスが舞い上がってくる。

木の苔には霧氷が付き始めている。



まだホンの少しの霧氷だがガスが強く吹き付けると大きな霧氷になるかもしれない。



荒れた岩場道を慎重に下っていく。



急に寒くなってきた。

リュックから温度計を出すと0.9度。

穴吹川源流に向かうと立派な橋ができていた。



追分への道はまだ通行止め。




ガスの中のカツラの古樹は良い雰囲気。



シコクシラベの大木が倒れて片付けられていた。

切り口が新しいので先の台風で倒れたのかな。



急に寒くなって霧氷が付き始めた。

凄い風で頬が痛い。

此処でカメラが不調となる。

レンズのズームが効かなくなったり電源が落ちたりする。

気温が低いせいだと思う。

スマートフォンで写そうとすると寒さでバッテリーが上がっている。

電池を入れ替えて、懐に入れて温めて騙し騙し撮影する。



一ノ森分岐に来ると北斜面をすごい勢いでガスが舞い上がっている。

斜面の木は霧氷で真っ白。



ガスが舞う一の森北斜面。

霧氷が一気に出来る様子がよくわかる。



ガスの切れ間には日が差している。

霧氷と黄葉のコラボが素敵だ。



一ノ森へはトラバース道を進む。

霧氷の欠片が風に吹かれて顔に当たる。

ドシンと肩に当たったのは、霧氷の付いたナナカマドの赤い実。

次々と枝が折れて飛んでくる。



一ノ森山頂着。

気温を見ると測定不能。

この温度計は零下の温度は測れない。

これからは冬用の温度計に変えなければ。



三角点に寄ってから一ノ森ヒュッテへ。

今日は休業中だった。

避難小屋をお借りして昼食。



昼食後剣山に向かう。

風は益々きつきなる。



ヨイショッと二の森へ。



時々青空も見えるようになった。



霧氷が凄いがガスの中では映えない。



凄い風だ。



ミヤマクマザサにも霧氷が付き出した。

風が強くテラスに上がるのにも一苦労。

木道を歩くと風で体が持っていかれる。

おまけに木道に霧氷が付いていて滑る。



なんとか踏ん張ってエコトイレへ。

ありがたいことに鍵が開いていた。

トイレの中には避難している人が大勢。

少し休んでから頂上に向かう。



所が、何人かが木道の手前でたむろしている。

木道に踏み入れると、強風でふらつく。

踏ん張ろうとすると木道が滑る。

とてもじゃないが進むどころではない。

流石、風速19m。

コレでは転倒すること必須。

誰も頂上には向かっていないようだ。

諦めて引き返すことにする。



ヒュッテに寄って暖かいおソバを注文。

昼食は先程食べたばかりだが温かい蕎麦は美味しい。

お聞きすると、木道で滑って転落した人もいたようだ。



おソバを食べてゆっくりしてから下山。

やはり気温はマイナス。



下山路には真冬のような霧氷が出来ている。



雲が忙しく流れて雲の切れ目から日が差すようになった。

霧氷の付いたマユミのピンクの実が綺麗だ。



霧氷の付いたカラマツが日に輝き始めた。



木屋平の町にも日が差し始めている。



西島駅に帰ってきて振り返ると、雲海荘下の霧氷が輝いて見える。

もう一度頂上に引き返そうかとも思うが、それほどの元気はない。



帰りは遊歩道経由。

カエデやブナの黄葉がちょうど見頃。



丁度日が差してその素晴らしさに目を見張る。



あまりの素晴らしさについ上を見ながら歩く。

所が、私がカエデの紅葉を撮影していると家内がキャッと叫んだ。

見ると、登山道から足を踏み外して、頭を下にして仰向けに倒れている。

幸い崖になっているところではなくて笹が深いところなので、家内は笹を掴んで落ちないでいる。

急いで手を掴んで引き起こす。

紅葉に見惚れて後ろに下がりすぎたようだ。

直ぐ数m先で転倒していたら崖になっていて頭から下に落ちるところだった。

景色を見ながら歩くのは注意しなくては。



祖谷川源流の水も勢い良く流れている。



モミジの燃えるような紅葉。



ブナの葉も日に輝いている。



まだ少し緑が混じっているが最高のタイミングだろう。



シロモジも汚れのない美しさ。



遊歩道は途切れることのない錦絵の世界だった。



15時15分 劔神社着。

怪我なく歩けたことのお礼をして駐車場に帰る。



駐車場に帰ると車が増えていた。

土木事務所に電話して通行止めの様子を聞く。

やはり、川井峠から少し下った所で山腹が大規模に崩壊していて、当分の間通行止めだそうだ。

仕方がないのでまた貞光経由で帰る。

今日は天気が回復するのが遅れて、強風で剣山の山頂を踏むことができなかった。

しかし、今シーズン初めての霧氷をタップリ楽しむことが出来た。

また、丁度見頃のブナや楓の紅葉も楽しむことが出来た。

家内が転倒したけれど怪我もなくてよかった。

これからは急激に冬山のシーズンとなる。

冬山対応のツールに入れ替え慣れればと思う。


 


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