春の里山 春爛漫 気延山    2016.04.06
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- 桜舞い散る気延山から前山公園 -

風邪をひいて3日ほど安静にしていたお陰で咳も治まってきた。

まだ鼻水は少し出るが、今日は天気が良いし明日は雨と言うことで桜花見のラストチャンスかも。

先週歩いた時、まだ桜が十分に咲いていなかった気延山の周回をもう一度してみよう。



徳島市立考古資料館は、入り口がすべてチェーンで施錠されていて入れない。

9時30分が開館なので まだ閉まっているのかな?

遺跡公園の駐車場に駐車して出発。

8時15分。



宮谷古墳の桜は満開。すでに葉桜になっている樹もある。

先週は殆ど咲いていなかったのに桜は咲き始めると散るまでが早いなあ。



公園にはソメイヨシノ以外の色々な桜が植えられている。



少しずつ花色や葉の出方が違うが何桜かは解らない。

緑の葉と一緒に咲いている桜はやはりオオシマザクラ系なのかな?



200基もあるという古墳やその上にある神社を見ながら坂を登っていく。



コナラの若葉が美しい。

ナイロン袋に一杯何かを摘んでいる男性がいたのでワラビですかと聞くと「野生のスミレです。」と得意そうに言う。

そんなに沢山スミレを採って帰ってどうするの?

あまりにアッケラカンとしているので何も言えなかった。

当人は盗掘なんて意識は全く無いのだろう。

やはり啓蒙活動が必要だと思う。



170段ほどの石段をエッチラ登ると天石門別八倉比賣神社。

境内の桜が見事だ。



境内にはピンクの桜の花びらが絨毯のように一面に落ちている。



気延山は散策するお年寄りが多いが神社の階段が敬遠されるのか境内には誰も居ない。

素晴らしい桜を二人でしばらく堪能する。



八倉比賣神社だが祀られているのは大日孁女命(別名天照大神)

実は、天石門別八倉比賣神社の論社はもう一つありそれが神山の大粟山にある上一宮大粟神社。

上一宮大粟神社は、大宜都比売神を祀っているが、大宜都比売は八倉比賣と同一神とも言われる。



それらのことから大宜都比売 - 八倉比賣 - 天照大神 - 卑弥呼とが同一とも言われている。

どちらにしろ阿波の古い神社が女神を祀っていることは興味深い。



今日は奥の院に行かずに真名井の井戸に行こうとしたが、一つ手前を登ってしまった。

何時もの展望所に出て森林公園とその後ろの大川原高原を眺める。



気延山手前の峠の休憩所は珍しく誰も居ない。

此所から真名井の井戸に下りていく。



五角形の井戸が大泉神社として祀られている。

真名井とは高天原(たかあまはら)の神聖な井戸の事。

真名井の井戸は全国に多いが、五角形のは他には無いと思う。



また元の峠に引き返して気延山山頂に向かう。



何時ものように静かな気延山山頂。

矢倉比賣神社は元はこの山頂にあったとか。

神山の高根山にあったのが、気延山山頂に移されそして現在の杉尾山に移されたとも言われている。

? → 高根山 → 悲願寺 → 大粟山 → 気延山 → 大杉山(矢野神山)

この流れから、古代縄文時代に阿波山岳地帯に栄えた都が時代と共に低山へそして扇状地へと移っていたと見る事が出来る。



ヤマザクラの赤い蕊が沢山落ちている。



ヤマザクラが散って花弁が登山道に落ちているがソメイヨシノの様にピンクの絨毯にはならずに控えめなのも良い。



稜線を地蔵峠に向かうとまだ綺麗に咲いているヤマザクラやコナラの新緑が綺麗だ。



赤みを帯びた若葉と真っ白な花が魅力的だ。



大きなクマバチが飛び回って占有行動を取っている。

ハナバチの仲間なので人を襲う事は無いと思うが沢山飛び回っていると少し怖い。

子供の頃、クマバチは「クマンバチ」とも呼ばれハチの中でも一番強力な毒を持つ凶暴なハチだと、思い込んでいた。
 
「クマンバチ」の名称は、『みつばちマーヤの冒険』や『昆虫物語みなしごハッチ』の中でスズメバチと混同されている。

「クマンバチ」は、大きな羽音を立ててホバリングしながら花を探す。

性質は温厚で、攻撃をしかけなければ人を襲うことはない。

メスは毒針を持つが、オスは毒針を持たない。

ホバリングして占有活動をしているのは雄なので毒針を持っていない。

大きくて丸々としたクマンバチが小さな翅で、ホバリングしたり急旋回するのを見るのも楽しい。



青空の下ヤマザクラの繊細な美しさが一際目立つ。



花が咲いた後後、赤い若葉が徐々に緑に変わっていく様も好ましい。



一番見たかったヤマザクラを見る事が出来て幸せ。

「花はさくら、桜は、山桜の、葉赤くてりて、ほそきが、まばらにまじりて、花しげく咲きたるは、

またたぐふべき物もなく、うき世のものとも思われず。 」

本居宣長 「玉勝間」




モチツツジが一際綺麗だ。



シハイスミレが消えてナガバノタチツボスミレとニオイタチツボスミレが沢山咲いている。



地蔵峠に着く。



もうモミジが真っ赤。

大勢が休憩している。



正面に東竜王山から西竜王山の山並みが綺麗に見える。

この方向から東、西竜王山を眺める事と、何時も見ている姿と異なった印象を受ける。

その奥に、大川原高原や高根山などの古代阿波の文明が開けたとされる峰がある。

更にその奥には雲早山等の勝浦三山から天神丸、一の森、剣山、三嶺へと続く。

この竜王山の向こうには、佐那河内から八万町に向けて流れる園瀬川があり古代の長の国だ。

この小さな山塊が粟の国と長の国を分けていたと思うと不思議だ。



また地層的に言ってもこの気延山や鮎喰川北流域は阿波青石(緑色片岩)を産出する山波川帯。

神山の南の山々から剣山へと続く山並みは秩父帯に属してチャートや石灰岩が多く見られる。

その堺にある御荷鉾構造線。

御荷鉾構造線は神山の川井から府殿そしての先の園瀬川南岸まで続いている。

大川原高原の北斜面は御荷鉾緑色岩類で出来ている。

そして、稜線の直ぐ北側は苦鉄質火山岩類(玄武岩)で出来ている。

しかし、大川原高原の南はまた三波川帯となっておりチャート層が東西に伸びている。

大川原高原山頂に多く見られる赤い石はこの赤色チャートだ。

狭い範囲で地質が異なった層になっているのは、この2億年位の間にかなり地層がグチュグチュになったのだろう。

その複雑な地質のため大川原高原には珍しい山野草が咲く。

神山からら西へと続く剣山系の山は北斜面が御荷鉾帯で稜線や南斜面は秩父帯となる。



鮮やかな桜が満開。



子供達が坂道でダッシュの練習をしている。

モミジの新葉が開き始めている。



柴桜も綺麗だ。

 広場に下りると大きな杉が。

気延山を散策している人達が、地蔵峠を一本杉と言っている理由が良く解った。



一本杉の下に祠があり地蔵尊などが祀られている。



このお地蔵尊が地蔵越えの由縁らしい。



此所にもカンサイタンポポ。

セイヨウタンポポが侵入していない事が嬉しい。



前山古墳に寄ってみるが青石が転がっているばかり。



ヤマザクラが沢山咲いている尾根道を童学寺越えに向かう。



シダは良く解らないがこれはコシダの新芽かな?



ヤマザクラは見れば見る程その美しさに魅せられる。



童学寺越えに到着。

何時もなら此所から前山公園に向かうのだが今日は少し足を伸ばす。



曲突(くどう)峠に向かうがこの先まで行くと前山公園には行けない見たいので引き返して下る。



黄色い花が目立つのはミツバツチグリだろうかキジムシロだろうか。



キランソウやムラサキケマンが花盛り。



セントウソウも咲き乱れている。



シダ類の新芽が沢山出ている。

やはり良く解らない。

右はゼンマイか?



葉と一緒に花が咲いているがヤマザクラとはちょっと違うみたい。



クヌギの新芽かな?



車道に出ると、山肌は素晴らしいグランデーション。



ソメイヨシノはクローンなので気象状況さえ同じなら同時に咲くが、ヤマザクラはそれぞれにDNAが違うので咲く時期も違う。



桐の花が丁度咲き始めている。



遠くに農大の桜並木が見える。

丁度満開のようだ。



ホウチャクソウが群生している。



バクチの樹は益々茂ってきたいる。



コナラに似ているが葉が細いのはクヌギかな。



花もコナラとよく似ている。



こんな所にヒゴスミレが咲いていた。

ヒトリシズカも。



カエデに蕾が出来ている。



前山公園では桜が散り始めているがまだまだ綺麗だ。



圧倒的なボリュウムの桜は迫力がある。



満開の桜の下で昼食。

今日はローソンのジャコ弁当。

細かく切った梅干しがコリコリして美味しい。



ソメイヨシノは花にボリュームがあるだけ落花もすごい。

一面、花の絨毯になって居る。

蝶も旧蜜に来ている。



カエデの新緑と蕾も美しい。



食後、桜の花を楽しみながら石井の町を散策。

高人神社に立ち寄る。

立派な神社だが、最近は集会場も使われていないようだ。



亀趺に乗った地神塔も健在。



古い一見枯れているように見えるヤマザクラに花が咲いている。



青亀 政藏さんとは珍しい名だ。 

亀趺と関係あるのかな?



シャガの花が咲いていると矢倉姫神社に着く。



この八倉姫神社の存在が不思議だ。



直ぐ下に八倉姫神社がある。



古墳の上に神社が建っており3基の石棺がある。



そしてその上にも立派な八倉姫神社がある。



女性の宮司さんがおいでたようだ。



立派な神社なのにお参りする人も少ないようだ。



青い実がなっている樹は?

天童さんの桜はもう散り始めている。



東王子神社の枝垂れ桜は散っているがソメイヨシノは満開。



農大の桜並木は満開。



ボタン桜は咲き始めている。



ボタン桜も、これはまたこれで美しい。



古木の幹に花が咲いている。



ツバキ園から帰る。



地面から直接ニョキニョキ出ているのはワラビかな?

ちょっと違う気も。



これはコシダで?



これは何?



また気延山に登り返し帰途に着く。



ヒメウズの花が咲き始めている。

上を見上げるとアオダモの白い花。



ヒメハギの花が咲き誇っている。

もうムギワラトンボが。



遺跡公園に帰ってきた。

今日はなんとか美しいヤマザクを見る事が出来た。

また来年が楽しみだ。



GPSの軌跡が前山公園で切れていた。

総歩行距離 29,800歩の山歩きだった。





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