春の里山 雪が降らなくてもお高越山    2016.03.26
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- 春爛漫の気配漂う尾高越山 -

中の郷の桜は来週一斉に咲きそう。

神山の枝垂れ桜も咲き始めたようだ。

今日は天気が良いので桜の花を眺めながら山里の散策も良いかなと思っていた。

しかし、家内はお高越山に行きたいと言う。

そういえば今年はまだお高越山に行っていない。

雪が降ったらお高越山と言って毎年行っていたが、今年は雪が少なく機会が無かった。

中の郷の桜がもしかしたら咲き始めているかもしれない。

今日は夕方から西の方に所用があるので丁度良いかも。



ふいご温泉の電力保線路の登山口に向かう。

途中ふいご温泉入り口ではヤマザクラが満開だった。

土曜日なので先着車があるかと思ったが私達が一番乗りだった。

8時21分 出発。

登山口には阿波和紙会館の方がコウゾの白い杖を置かれていた。

持ってみたがとても軽い。

ガードレールには「マムシに注意」

そう言えばそろそろニョロニョロちゃんも顔を出す時期だ。



シハイスミレが咲き始めている。

ヤマザクラも花を開き始めている。



シハイスミレが沢山咲いている。

種類の多いスミレの中でも平凡だが大好きな花だ。



ショウジョウバカマが咲いているが元気が無い。

三角点を過ぎる。



気温は低いが日が照って気持ちが良い。

松の子供かな?



ネジリン棒の樹は今年も元気。

ミドリの若葉がひときわ鮮やかなのはミヤマハンノキかな?



ヤマザクラの咲き始めも美しい。



クロモジは花と同時に葉が開くと言われているがこの花はどう見てもクロモジ。



吉野川の流れが美しい。



シュンランが咲いているかと思ったが葉も見ることが出来ない。

まだ早いのかな?



中の郷に沢山植えられている桜はもう爆発寸前。

ピンクと緑の花芽があるが桜の種類が違うのだろうか。



石鳥居の横のヤマサクラは綺麗に咲いていた。



萬代池のフルナシの花はまだ蕾が堅い。

桜は此所でも爆発寸前。



萬代池横のベンチで一休憩。

何時もの一口あんパンで活力注入。



ヤブツバキの咲き誇る道を登って行く。



クロモジの花が多い。

山川ワンダーフォーゲルさんの建てた山頂まで1.5㎞の道標を通過。



何故か足が重くなる。

昨日はへたくそゴルフだったがその疲れが足の筋肉に来ているのだろうか。



お不動さん像を過ぎて合掌の看板まで来て一息入れる。

この合掌の看板を書かれた住職は1年ほど前の雪の日に遭難してなくなられた。



後1キロの標識を過ぎると不動小屋に着く。



不動小屋でコーヒータイム。

ちょっとユックリして出発。



川田への道はまだ通行止めになっている。



お寺に行くのに立派な石鳥居を潜る。

高越寺は高越大権現を祀る神仏習合の残るお寺だ。



高越寺に10時44分着。



仁王さんがお迎えしてくれるが、仁王像の痛みが激しい。

特に左の吽の仁王さんは腰巻き?が壊れている。



鐘楼で一突きして高越神社に向かう。



急階段を上ると忌部族所縁の高越神社に着く。



神社横にある廃屋は芝居小屋だろうか。

壊れて朽ちかけているトイレ横から三角点に登る。



三角点から頂上に向かう。

ブナの古木が素晴らしい。



弘法大師さんは今日もしっかりと大地を踏みしめ立っておられる。

10時57分着。

今日は登山口から2時間36分かかった。

一生懸命歩いたのだけれど2時間半をオーバーした。

北アルプス登山不可タイムだ。

もう少し鍛えなければなあ。



眺望ポイントへ行く。

二日前には真っ白だった剣山も雪は殆ど無くなっている。



樹間に四国カントリーと吉野川。

奥の院に向かう。



高越寺の奥の院は高越大権現を祀る神社なので多くの鳥居を潜っていく。



高越大権現にお詣りする。



円の行者と仏さんが祀られている。



気温は温度計では3.9度だがもっと寒く感じる。

坂を下っていくとホラ貝の音が響いている。

急斜面を下っていると家内が急に止まった。

なんとニホンカモシカが掛け登ってきた。



目の前2m位に居てこちらを見ている。

でっかいニホンカモシカだ。

凶暴性は無いと思っているが尖った角がやはり不気味だ。

可愛いので動画を撮ろうとしたら電池が切れた。

しまったと思ったが、替えの電池を取り出して交換している間も興味深げにこちらを見ている。



電池交換している間も愛らしい目で私達を見ていた。

家族は居るのだろうか。

ニホンジカに追われて剣山系から下りてきて寂しい一人生活をしているのでは無いだろうか。



こんなにじっくりと間近でニホンカモシカを見ることが出来たのは初めてだ。

わんこなら近寄って頭を撫でてやるのだが、ニホンカモシカにはどの様にして接したら良いか解らない。

可愛い小さな角があるけれど近づき過ぎると危ないかも。

10分以上も見つめ合っていたら寒くなってきた。

こうなってきたら慌ててもしようが無い。

カモシカの見ている前でリュックを下ろしダウンジャケットを着込む。

ニホンカモシカはジッと興味深げに見ている。



このままでは下山することも出来ない。

ストックで突くわけにも行かないし、口笛を吹いても耳をぴくぴくするだけ。

襲いかかってくることも無いだろうと進む事にする。

気配を察したのか踵を返して去って行ったと思ったら、またすぐ其処でこちらを見ている。

よほど人恋しいのかな?



三面大黒にお詣りして高越寺に帰る。

宿坊に寄ると4人の登山者と寺守さんが談笑中。

今度の寺守さんも明るくて気さくな方のようだ。



お地蔵さんの手水鉢には厚い氷が張っていた。



お寺なのに狛犬がある。



以前は此所に珍しい舟形の鳥居があった。

高越大権現にお詣り。



樹木の隙間から山川の町を眺めながらお弁当。

今日はちょっと軽めの三色弁当。

食後のコーヒーの後何時もの430でCQを出すと加古川の局が繋がった。

加古川は35年以上も前に神戸に勤務していた時に良く訪れた所で懐かしい。

ユニークな企業が多くて営業で訪問するのが楽しかった。



次に繋がったのは山川町モービルの三宅さん。

お聞きすると、お爺さんとその前のお爺さんが宮大工でこのお高越山の本堂や仁王門そして鐘楼の彫刻をされたそうだ。

びっくり。

お高越山の彫刻は地方にしてはとても素晴らしくて何時も感心してみていた。



本堂は三宅さんのお爺さんの作。



山門は,第28世良俊上人の起請によるもので,本県でのこの種の建造物としては極めて貴重な存在となっている。

県下五大重層門の一つだそうだ。

入母屋造,銅板葺,三間一戸の二重門で軸部は総欅)。

重層な二重軒に繁を扇に打ち,斗拱は出組二手先となっている。

壁の中央に板扉を入れて左右には和様と禅宗様が混交する火燈窓を配し,擬宝珠高欄を廻らしている。

初層は二重軒に繁を平行に打ち一手斗拱で軒を支えている。

柱根には礎盤を敷くが壁の板は横張りに使用するなど和様と禅宗様が混交する。

それがよく融合し,堂々とした風格と威厳に満ちた格調高い建築となっている。

各所に配された彫刻が素晴らしい。

特に虹梁の木鼻や,初層の軒下の欄間に見られる十二神将のかわりとして登山者の安全を祈っている十二支が印象深い。

彫師は,美馬郡脇町拝原の名工,九世三宅石舟斎畢生の大作であり,本堂を彫った十世の実父である。

特に透彫の技法に優れ,その作品は見事である。

お聞きするとお父さんの代から宮大工は辞められているようだ。

この技が継承されていないことは非常に残念だ。




鐘楼の彫刻も見事。



このような素晴らしい技が継承されずに消えていくのは残念だ。

それにしてもアマチュア無線をするとまた色々知らないことが解ってくるから嬉しい。

無線をしていると次々と登山者が登ってくる。

流石人気の山だ。



アセビやヤブツバキの咲く道をひたすら下っていく。



アブラチャンが綺麗に咲いている。



中の郷でアカガシの7人塚にお詣り。



タチツボスミレやヒサカキも咲いている



キブシとクロモジの花



ホバリングの得意な可愛いビロードツリアブが飛び交っている。

シハイスミレは何度見ても可愛い。



お地蔵さんに無事登山のお礼のお詣り。

このお地蔵さんを奉納した川田村の車屋 廣治さんとはどんな人だったのかな?

帰りにふいご温泉で筋肉の張りをほぐす。

お高越山はやはり足膝に厳しい山だ。

しかし何故か登った充実感を感じる。

明日は天気が悪いようだが何をして過ごそうか。




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