雲早山 〜 高丸山 縦走(往復)2009/05/10
 勝賀連峰縦走
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− 雲早山 〜 高丸山 シロヤシオ咲く従走路 −

アケボノツツジやシロヤシオが咲く季節に雲早山から高丸山まで縦走したいと思っていた。

しかし、高丸山千年の森や四季美谷温泉のツアーは何時も満員。

私達だけで行くのは車の都合で難しい。

往復している人もいるがとても厳しいコースで私達には無理だと思っていた。

先日、高丸山で従走路の下見をして益々歩いてみたくなった。

この春、薬研谷や砥石権現でニアミスだった倶楽部まーくつうさんのHPで往復したレポートを拝見した。

雲早山から8時間40分ほどで歩かれている。

いいなあ!

私達も行きたい!

家内と相談して決行する事となった。

皆さんのGPSデータを参考にすると、往復して累計標高差1370m総沿面距離13.2q

数字だけ見るとそう驚くほどの事もない。

しかし皆さんのレポートには健脚者向けだとか書かれている。

ちょっと心配。

私達は足が遅い(遅いのは私だけ?)ので朝早く出発する事にする。

ところが土曜日は夏日のゴルフでちょっと疲れ気味。

体に熱がこもって寝付きが悪かった。

5時過ぎに出発してコンビニでトイレをお借りし、6時過ぎに雲早山登山口着。

もうすでに一台駐車している。早いなあ。



6時20分登山開始。

今日は今年最高の気温で真夏日だとの天気予報。

私は水3リッター(ペットボトル6本)。家内は2リッター(ペットボトル4本)を担ぐ

そのうち2リッター分(ペットボトル4本)は凍らせてある。



早速ヤマウツボ発見。



沢沿いの道には山野草が多い。

白くて可愛いのはシコクスミレかなあ?

シコクスミレの距はぽってりしてごく短い。
葉は心形で薄く光沢があり、脈がへこむ。




シロバナネコノメソウはもう花期の終わりの様だが一面に咲いている。



イチリンソウの葉が沢山出ている。

咲いている花を発見。

蕾にピンクが可愛いね。



ワチガイソウも岩陰にビッシリ。

葉が細いヒナワチガイソウは全く見かけない。

砥石権現ではヒナワチガイソウばかりだったのに不思議だ。

ジロボウエンゴサクもひっそりと咲いている。

つい足を止めるが先は長い。



新緑の萌える急坂を上る。

昨日の疲れか?

いつもよりも足が上がらない。

こんな事で縦走できるのか??。

ハルトラノオが可愛く顔を出している。



6時56分、分岐の峠に到着。写真を撮りながら36分はちょっとハイペース。

私はもう息が上がっている。

早くも水をがぶ飲み。



7時すぎに高丸山へと向かう。

最初のピークに出ると、先週歩いた高城山から砥石権現そして鹿舞ダキ山の稜線が左に見える。



気持ちの良い雑木林をどんどん進む。

アワノミツバツツジの濃いピンクが鮮やか



ワチガイソウやスミレが咲き乱れている。



1445mのピークには雲早山〜高丸山の古い道標

左へ行くと旭の丸。きちんとした踏み跡もある。

此処から南東に向けて下って行く。



カタクリが道筋にずっと咲いている。

葉も綺麗で咲き始めたばかりの様だがまるでカタクリロード。

コミヤマカタバミも朝早いのに花を開いている。



緩やかなアップダウンをしながら高度を下げていく。



昔の林業作業者のワイヤロープや一升瓶が所々に残置されている。



目の前に高丸山が見えてくる。

遙か遠い。



今年初めてツクバネソウの花を見る。

ミヤマハコベも日の光を浴びて輝いている。



右(南)には西三子山。

これから後ずっと右に見える。

いよいよ急坂を下りる。



登り返すと目の前に1334mのピークがそそり立っている。

アケボノツツジのピンクが見える。



右には西三子山の右に深い菊千代谷

下りていくと立派な双子のヒメシャラに出会う



ヒメシャラは芽吹き始め。

その下のブナはもうすっかり若葉となっている。



リョウブの林の中を行く。

明るい若葉に反射する朝の光が素晴らしい。



ブナの花はもう散っている。

1260m程の鞍部から急坂を登り始める。

7時58分



アケボノツツジが現れる。

なかなか厳しい登り。

木々を掴みながら登る。



シャクナゲの中を潜る様にして登ると崩壊地に出た。

左側が崩れて足を踏む場所に気を付けながら登る。



登り切るとシャクナゲが咲き始めている。



少し下りて、もう一度シャクナゲの尾根を這い上がる。



ピークにはシャクナゲが満開。



アケボノツツジのピンクの光に中に包まれて夢見心地



また下って細尾根を行くとマイヅルソウの葉が一杯



1334mの岩のピークは皆さんのレポートで右を巻くように書いてある。

どこから右に巻くか解らない。

踏み跡を辿ると谷に降りてしまう。

テープもない。

仕方がないので真っ直ぐに這い上がると踏み跡がある。

この従走路では間違いやすい所では踏み跡が薄くなり、彼方此方に薄い踏み跡があり迷いやすい。

そんな時はピークや尾根に登ると踏み跡がある。



ピークのすぐ下を巻いていくとミツバツツジが美しい。



巻いてからまた登って尾根に乗る。

アケボノツツジが次から次へと現れる。



また厳しいピークがあり足下が危ういが、木々がしっかりとしており掴みながら登る。

気を許せない登りが続く。



ピークにはまたアケボノ



細尾根を行く。



また少しだが厳しいピークにとりつく。



倒木の多い崩れた尾根を越える。



此処で右に下りる道があるが左へと行く。

此処は唯一迷いやすい所だった。(帰りにしっかり間違ってしまった)

シャクナゲの大木があり満開。



ヒメシャラとブナ



やつと緩やかな道となりのんびり進むとシロヤシオが咲き始めている。

この辺はキャンプでも出来そうな広いところがある。



岩陰にヤマシャクヤクが咲いていた。

また、倒木の多いピークに登る。

1359mのピークに着くがツツジやアセビの木々は殆ど倒れている。



ピークを下ると皆さんのレポートに出てくる。

素晴らしいブナが出迎えてくれる。

左への踏み跡には進まずに右へと下る。



また小さいピークを越えていく。

高丸山方向から男性がやってきた。

やはりピストンらしい。

この従走路は初めてだと言っておられた。

また帰りにお会いできるかな?



石灰岩が露出しているところに来ると石灰岩の苔にヤマシャクヤクの群落が。

咲き始めたばかりで初々しい。

まだまだ蕾も多い。

9時30分



敬宮愛子内親王様御印の花、シロヤシオ(ゴヨウツツジ)の木も多くなる。

こんなにシロヤシオがビッシリと咲いているのに初めて出会った。

蕾が多いのでこれからが楽しみ。



五枚葉が輪生するので五葉躑躅と呼ばれる。



1258mの鞍部を越えると後は登りだけかと思ったがまだ二つほどイボを超える。

途中で初老の男性がやってきた。

雲早山の登山口の車の男性だった。

もう折り返してきている。

早いなあ。



さあいよいよ最後の登り。



此処が正念場と急坂をよじ登る。

振り返るとアケボノの向こうに雲早山



先日偵察に来た岩場までやって来た。

ここまで来れば後はもう少し。

此処のアケボノツツジはもう終わりかけていた。



此処の急坂は足場がしっかりしているから登りやすい。



スズタケのトンネルをくぐると高丸山頂上1439mに飛び出す。

10時16分着。

頂上には香川から来られた若いカップル。

登山口から3時間56分。

分岐から3時間16分。

やはり皆さんのレポートより時間が掛かっている。

此処まで休まずに一生懸命歩いたんだけど。

此処まで私は既にペットボトル3本を飲み干していた。



頂上には新しい標識が出来ていたが既に割られておまけに方角が180度反対。

正しい方向に直しておく。

ここで今日初めての休憩をしようと思うが、気温が上がって直射日光がジリジリときつい。

少し先まで行ってみるが休める日影はない。

引き返してヤマシャクヤクのの谷で休む事にする。



アケボノの谷に向けて急降下していく。

今までは初めての道で緊張していたせいか疲れを感じなかった。

熱気がムンムンする中を下って行くと疲れが出てきた。

水をがぶ飲みせずにはいられない。



下りて上り下りると、シロヤシオのコルに着く。

こんなに綺麗に咲いているのには初めて出会った。



更に上り下りると、ヤマシャクヤクの岩場。

少し早いが、ヤマシャクヤクをを眺めながら昼食タイム。

11時5分

所が暑くて食欲が無い。

おにぎりを半分食べて後は喉を通らない。

水ばかり飲んでしまう。

凍らせたアップルゼリーが美味しい。

此処で家内が魔法瓶の温かいコーヒーを出してきた。

温かいコーヒーを飲むと少し落ち着いてジャムパンを食べる。

このまま此処で寝ていたいがそうも行かない。



一歩一歩、大ブナまで登り返していく。



更に下り登り返すと1359mのピーク。

ツツジやリョウブが倒れている。

倒れた木に「楠勝山の会」の標識 H8.4.14

11時45分



コミヤマカタバミが沢山花を開いている。



どんどん進み、アケボノツツジやシャクナゲが多くなると見晴らしの良いピーク。

アケボノツツジの向こうに雲早山。



眺望を楽しみそのまま行くとシャクナゲのトンネルを下る。

しかし何かおかしい。

磁石を確認すると南西に向かっている。

また先ほどのピークまで帰ると大勢の話し声が。

パークレンジャーの腕章の男性を先頭に徳島の5人ほどのパーティがやってきた。

高丸山駐車場に車をデポしての縦走だそうだ。



よく見ると見晴らしの良いピークの右側のシャクナゲの林の中に北へと下る道があった。

先ほどの道は菊千代谷に下る道だろうか。

また登り返すと目の前に雲早山。

細尾根の所で先ほどのパーティの残りの人達が5人ほどやって来た。

「シロヤシロが咲いていたか」とみんなが聞く。

綺麗でしたよと言うと「それは楽しみだ」と去っていった。



1334mのピークを今度は巻かずにそのまま進む。

見晴らしの良い岩場にアケボノツツジが素晴らしい。



崩壊したシャクナゲのピークから見下ろすと東には、上勝から旭の丸へとスーパー林道の通る谷。

このすぐ下まで林道が延びてきているはずだ。



最後の急降下はシャクナゲの幹を掴みながら下りる。



双子のヒメシャラの下でまたもや休憩。

凍らせた水が丁度解けて冷たくて美味しい。

今度は緩やかな坂を上ると樹冠に白い花が沢山咲いている。

オオカメノキかな。

この前砥石権現で見たのよりびっしりと咲いている。



タチツボスミレ?

スミレは苦手



緩やかで広い雑木林にはカタクリが今を盛りと咲いている。



岩場を回るとウスノキの花が咲き始めていた。



14時49分分岐到着。

帰りは4時間30分も掛かっている。(食事タイム込み)



そのまま雲早山を目指す。



山頂手前にシャクナゲ尾根への目印。

しっかりとした踏み跡が出来ていた。



枯れたブナなどには黄色いテープで立ち入り禁止の表示。

頂上手前でご夫婦と会う。



15時4分雲早山1496m到着。

残りの水を飲み干して一息つく。



今歩いてきた高丸山までの従走路を眺める。

暑さで頭がぼんやりしているが充実感が広がる。



西には高城山が近い。

頂上より少し下りると先ほどのご夫婦が休んでいた。

徳島市内から来られたとの事。

私達も見晴らしの良い岩場でコーヒータイム。

あんパンを囓る。



下りはのんびりと山野草を楽しみながら歩く。

ハルトラノオが今頃まで咲いている。

今頃男性が一人上ってきた。

この近くで生まれて今は香川に住んでいるが法事の合間にやって来たという。

適当なところでテン泊の予定だとか。



イチリンソウが一面に咲き出している。

清楚でとても美しい。

蕾も多いのでこれからしばらく楽しめる事だろう。



フウロケマンとフデリンドウ



変な形の葉っぱ。

カタバミの葉っぱだろうか?



岩の上に小さなサイコクサバノオ

オレンジのしべが可愛い。



色々なネコノメとチャルメルソウ



登山口近くに変な花が群生。

ヤマトグサの様だ。

小さくてどの花が見頃なのかよく解らない。

写したのは蕾と花の終わりかけ

くるっと反り返っているのは雄花の萼片。

ひげの様なのは雄しべの葯。

棒の様に突き出たのは蕾。

綺麗な花を写す為にはルーペでよく観察してから写す必要がある。



?の草とエンレイソウ



16時22分登山口着。

丁度10時間の山歩きだった。

山の引き水に頭を突っ込む。

気が遠くなるほど気持ちがよい。

思い切りゴクゴクと飲む。



徳島のご夫婦も下りてきてしばし話し込む。

駐車場には高丸山への縦走に向かった人達の車が3台。

先ほどの香川の人の車が一台。

帰って体重を量ると4キロも減っていた。

しかしビールが美味しくてすぐに元に戻る事だろう。

里山倶楽部四国