冬の里山 雲早山    2016.02.02
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- デッカイ霧氷がびっしりの雲早山 -

何故か3回も山頂へ

家内の登山靴はこの7年程はずっとシリオ。

軽くて歩きやすく足が痛くならないと何処へ行くのにも履いていた。

しかし、12本アイゼンには少し役不足。

先日剣山から次郎笈に登った時に少し頼りなく感じたそうだ。

実は冬山用に冬靴を買っているのだけれど2年程前に一度履いてマメが出来て痛いとその後履いていない。

その靴を取り出してきて、もう一度試したいと言う。

それなら足慣らしに大川原高原に行こうかと出発。

所が、途中から大川原高原は霧氷が無いのでつまらない。

雲早山に行こうと言う。

雲早山もどうせ雪は融けて無いだろうと思いながら雲早トンネルに向かう。



予想通り、雲早トンネルまでの道路も雪は全くない。

トンネル手前に停車して通行止めとなっているスーパー林道を歩いて行く。



高城山は完全にガスの中。

しかし、こんなに雪が無いのは異常だと思う。



所が雲早山の稜線は真っ白。

朝早くに霧氷が付いたようだ。

しかし、ガスが深いようだが登っている内に晴れてくれるかも。

9時43分出発。



気温は0.2度とそう寒くない。

霧氷が融けないうちに登ろうと気がせく。



カツラの広場を越えると積雪は5センチ位。

サラサラの雪でアイゼンなしでも楽勝。



更に登って行くと積雪は10センチ位で少ないが凍っていて滑るのでアイゼンを着用。



トラバースに入ると回りは真っ白。



さすが雲早山だ素晴らしい霧氷が一杯。



更に登ると予想以上のすごい霧氷。

霧氷が重くて木々の枝が垂れている。

こんなに発達した霧氷は初めてだ。



たっぷりと霧氷を楽しんでパラボラ分岐着。

10時49分。



分岐から稜線に乗ると恐ろしい程大きく育った霧氷がびっしり。

大きな霧氷の欠片が一杯落ちている。

こんなのが頭に当たったら大変。



しかし期待していた青空は出てこない。

かろうじて南の山並みが見えるが、上空は黒い雲が覆っている。



ブナに付いた霧氷はなんとも素晴らしいのだが。

やはり少しでも青空がほしいなあ。



ブナの霧氷を見上げていると霧氷の欠片が落ちてきて足下で割れた。

家内の頭程もある霧氷の欠片だった。

頭に当たらなくて良かった。



垂れ下がった霧氷を持ってみると片手で持ち上げることが出来ない程重い。

これ以上重くなると枝が折れそうだ。



何時もならこの辺で雲が急に流れて青空が顔を出して大喜びというパターンなんだけれど。

今日の雲はヒツコイ。



青空は無いけれどこれだけの霧氷を見ることが出来たので満足しなくては。



気温は-2.9度とあまり低くない。

頂上直下には霧氷のトンネルが出来ていた。



11時23分 雲早山頂上着。



しかし360度ガスが巻いて何も見えない。

なんとかガスが晴れないかと待っている間アマチュア無線をワッチすると144では数局だが

430ではチャンネルの空きが無い程誰かが話をしている。

やはり殆どが違法無線局のトラックの運ちゃんのようだが中にはアマチュア局もいる。

兵庫の明石とか堺のモービルもフルスケールで入ってくる。

やはり1,500mもあるとロケーションは最高のようだ。

しばらく待っていたがガスは晴れず体が冷えてきた。

諦めて帰ることにする。



雲早山はその名の通り雲が早く流れる。

高丸山が晴れていても雲早山頂上は雲に覆われていることが多いが、一瞬のうちに雲が流れて消えることがある。

雲が流れて消えることを期待しながら帰って行く。



何時もの大岩のところで昼食。

風が無くて暖かい。

サークルKの恵方巻きは結構美味しい。

南南東を向いて食べる。

食後コーヒーを二杯飲んでも青空は出ない。

諦めて下山する。



所か゛、ドンドン下ってカツラの広場手前まで来ると砥石権現の上の空が明るくなって青空が顔を出した。

こんな事は良くあること。

そのまま帰ろうとしたが、家内がまた登り返して青空に映えるブナの霧氷が見たいと言う。

時間は12時45分とまだ早い。

しかし、雲早山は結構急登なので二度も登るのは大変だ。

と思っている間に家内はもう登り返し始めている。




ドンドン登っていくと青空が広がってきた。



早く早くと登って行く。

一生懸命登ってパラボラ分岐に来るとなんと言うこと。

また雲が厚くなり青空が消えていた。



青空が出ることを期待してドンドン登っていく。

霧氷は相変わらず素晴らしい。



また雲早山頂上まで帰ってきた。



高城山方向はまだ厚い雲の中だが、高丸山や西三子山は雲の下に姿を現した。

これは期待できるかもと、頂上にビニールシートを敷いて座り込む。

ダウンジャケットの上にゴアテックスのレインジャケットまで着込んでひたすら待つ。



しかしなんと言うこと。

コーヒーを2杯飲んで待っていたらまた雲が厚くなってきた。

何も見えなくなってしまった。



諦めて下山することにする。

時折雲が流れて薄日が差すが青空は全く見えない。

願えば、きっと叶えられると思ってもそううまくいかないこともある。

それもまた山歩きの楽しい所だ。

これだけの霧氷をたっぷりと味わえただけで満足しなければ。



少し明るくなったのでブナの霧氷が白く美しくなる。

ブナの幹の地衣類とブナの枯れ葉そして霧氷の色合いが美しい。



青空を諦めてパラボラ分岐手前に下っていくと、なんと言うことでしょう。

雲が一気に流れて青空が顔を出した。



大急ぎでまたブナの大木のある所まで登り返す。



ドンドン雲が流れていく。

流石、雲早山。



先ほどまで見ていた霧氷と全く次元の違う美しさ。



山の神様は何とちょっと意地悪だが粋なことをする。



こんな美しい造形がこの世にあるのだろうか。



疲れも忘れて、ドンドン登り返す。



朝より少し霧氷が落ちてボリュウムが小さくなったが青空の下白く輝く霧氷は美しい。



いくら写真を撮ってもきりが無い程美しい霧氷が現れる。



雲早山で今まで見た中で一番見事な霧氷だ。



次にもういつ見ることが出来るかわからない。

心ゆくまで堪能する。



霧氷の海を泳ぐような気分になる。



この木はブナとは違うみたい。

枝振りが異なっていてまた美しい。



堂々とした貫禄あるブナ。



この木はカエデかな?

細かな霧氷もまた美しい。



アナ雪の世界に迷い込んだみたいだ。



白い花火の結晶のようだ。



私はモンスターのような太い霧氷よりも細かくて繊細な霧氷の方が好きだ。



真っ白なエドヒガンが咲いているみたい。



此所が自宅から1時間程の山の中とは思えない。

まるで異次元の世界の中にいるみたいだ。



また霧氷のトンネルを潜る。



今日3度目の雲早山頂上。



目の前にはまだ少し雲が掛かっているが高城山がその全景を表している。



東には高丸山



その右には西三子山



頂上直下は霧氷のオンパレード



大川原高原もクッキリと見えている。



エビの尻尾もどデカい。



吉野川や徳島市内や鳴門もクッキリと見えている。



さあもう美しい景色で腹一杯。

帰ることにする。



また霧氷の海を泳ぐように下っていく。



霧氷が粉雪のように舞う中を下山。



15時49分 登山口着。

今日は随分と時間をかけて霧氷の雲早山を楽しんだ。

3度も頂上に登り返したけど、それだけの価値は十二分にあった。

帰りには高城山の向こうに日が落ちていた。



振り仰ぐと雲早山の稜線は西日を浴びて真っ白に輝いていた。

16時35分 ゲート着。

霧氷の余韻を楽しみながら1時間程で自宅に着く。

熱いシャワーを浴びてビールを飲んでいると先ほどまで居た霧氷の世界が別世界のように思われる。

家内は、慣れない靴で何度も急坂を上り下りしたので、左足の小指にマメが裂けて靴下が真っ赤になっていた。

これでまたこの冬靴はしばらくお蔵入りになりそう。






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