国見山  1409m 2004/5/8
 
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寒峰から西に中津山の向こうにやわらかく綺麗な稜線を見せている国見山に登ってみたいと思っていた。
雪の季節そしてカタクリの季節は大勢の人が登るらしい。
カタクリはもう終わっているだろうが、ほかにも沢山の花に恵まれた山だと聞く。
明日は雨らしいが今日は良い天気だ。6時50分出発。
いつもの大歩危の新しいサンクスで食料調達。ここはお弁当のメニューが非常に多い。
トイレも身障者用もあり大変大きくて綺麗だ。
昔の料金所手前から右折すぐに左折して後山峠(おうどうとうげ)に向かう。
駐車場にはまだ誰も来ていない。8時50分到着。



峠には徳島県4代目の武市知事の石碑がある。
あえぎつつ登ってきた、おうどう峠も隊のおかげで車の行き交う道となった。
と言う意味の事を彫ってある。
武市知事は1965年から16年間知事を務められたので、この峠が出来たのはいつ頃だろうか?
ホウチャクソウの群落がある。



峠の右側に金比羅神社がある。古いが立派な彫り物を施したお社がある。
山歩きの安全を祈ってお参りをする。
ホウチャクソウの群落の中に可愛いお地蔵さんと、美味しそうなタケノコがある。



立派な看板から登り始めると、これはきつい。
でも5分も登れば、快適な道となる。



これぞ里山歩きの醍醐味。新緑と咲き乱れるスミレの間をゆっくりと登っていく。
緩い坂の続く歩きやすい道だ。



40分ほど登ると、水の流れのある所に来る。そしてコンクリートの道になる。
5m位行くと突然、真っ白いコンクリートの壁と広い駐車場に出る。
その寸前に嫌なやつがいた。まむし??だ。三角の頭と黒い斑点のある胴体。
じっとして動かない。ストックの先で突くと鎌首をもたげて威嚇してきた。
こいつは飛ぶらしいのでうかつに近寄れない。
よく見るとまむしにしては胴体が細い、銭形模様もはっきりしない。
違う蛇なのか?まだ子供なので特徴がでていないのか?
しばらく睨み合いをすると、スルスルと脇の草むらに隠れた。ダッシュで通過。

この新しい立派な道は尾井ノ内、川崎線でこの駐車場より川崎側は工事中だ。
尾井の内というのは先ほどの登山口を少し過ぎた所。
川崎は看板から見ると山城町の池田寄り。
とすると池田ダムのすぐ南から国見山の中腹を貫いて祖谷のかずら橋方面にこの立派な道を抜くようだ。
色々疑問もあるが今日は先を急ぐ事にする。



駐車場からは、剱山系や黒滝山、野鹿池山の向こうに二つ岳も見える。
山道を切り裂いたために急坂となった第二登山口は立派な標識と立派な階段が出来ている。



尾根道にはいると、平坦な道が続く。いろいろなスミレと新緑がますます美しい。
言い換えれば、ほとんどほかの花に出会えない道だ。



やがて防火帯にはいると単調な急坂が続く。
足下のスミレを見ながらどんどん行く。
防火帯を抜けると突然尾根道となり、ブナの大木が続く。
大滝山のブナより葉っぱが細かく、芽吹いたばかりのようで本当に美しい。
平坦な尾根道をブナの新緑を楽しみながら行く。



第二登山口から約50分で祠と小屋に着く。ガイドでは1時間半と書いてあるので
これが国見神社かどうか半信半疑である。
しかしながら小屋の横を廻るとすぐに展望が開けた。
頂上10時30分着



頂上は、裏のお山のてっぺん広場という感じで、こじんまりとしている。
しかし見晴らしはとても素晴らしい。
誰もいない。この景色は二人だけの物だ。
こんな贅沢は無い。最高。



東にはすぐ前に中津山、その向こうに寒峰から烏帽子山に続く稜線。そしてその奥に矢筈山が見える。



寒峰の右奥には、剣と次郎笈が霞んでかすかに見える。
その右には三嶺から天狗塚へ続く山並みが、肉眼ではきっちりと見えるが写真では霞んでいる。
その右には二つ岳から東明石そして笹ヶ峰。遠くに霞んで石鎚らしき山も見える。
天気は非常によいのだが霞んでいるのが残念だ。

軽い食事をして出発。11時。
時間が早いのと、今日は花があまり見えてないので花を求めて
四国花の山を行くで、紹介されている周遊コースを行く事にする。



まずは大歩危方面へ下ろうとして道を探すが、それらしい方向(西方向)には川崎方面の標識が出ている。
川崎は泉保さんが下ったコースで真北に行くはずだ。
大歩危方面はこの道で間違いないと思うが紛らわしい看板だ。



花の山の本には、初心者は気を付けるようにと書いてある急坂の筈だが、緩やかな道だ。



ツツジのような木に白い見かけない花が咲いている何だろう?
(ツクバネウツギだとエントツ山さんに教えていただきました)。
葉っぱの先に芽が出かかっているのも何だろう?
途中テンナンショウの群落があった。しかしくるまっている。
日があたれば開いてくるのだろうか?
ニシノヤマタイミンガサの群落もあるが大川山のように多くはない。



少し急な坂を下りて、山頂から50分ぐらいのところで、左への分岐を探しながら行くと
測量用のメジャーテープで通せんぼをしててある分岐に着く。
この分岐らしくて、その先には明確な道が続いている。
乗り越えていったらしい跡もたくさんある。
しかしながら家内はこういう場合絶対乗り越えては行かない。
本では1時間ほどの場所とあるので、もう少し下に正規の分岐があるのかとそのまま下る。



少し下るとカタクリの群落に来る。
なすび平のように多くはないが、いくらか見覚えのある葉っぱがある。
しかしながら花はすでに終わっていて、茎の先には実が付いている。

10分ほど急坂を下った所で12時の時報が聞こえてくる。
下から人の上がってくる気配がする。
地元の男の人が二人の女性のガイドしながら登ってきたようだ。

カタクリ咲いてましたか?
咲いてませんよと言いかけて、なすび平のよけいな親子の事を思いだして言葉を濁す。

テンナンショウはどうですか?

あっ、一杯咲いてましたよ。

ニコニコ  ガイド大喜び。

先ほどの分岐を聞いてみるとやはりあの道が登山口に帰る道らしい。
誰かが勝手に通せんぼをしているらしい。

じゃあ登り返してそちらに行きます。と言うと
私の格好をジロリっと見て、あっちは危ないかもしれないので大歩危に出た方がよいですよ。
タクシーで峠に帰っても3000円しませんよ。バスもありますよ。と言う。

そりゃ私の格好は、ジーパン、ポロシャツ、運動靴。

おまけにお腹も出ている。

でもこの格好で買い物、ドライブ、旅行、そしてそんじょそこらの山には登っているんでぃっ!

言おうと思ったけど、ありがとうございますっ!とそのまま下りる事にした。

泣く子と地元の人には逆らわないようにしています。



しかしながら、何が安全だっ!!!
そこから急な道が続く。しかも岩の上に落ち葉が被さりその上にガレキが乗っかっている。
しかも道のりが遠い。だんだん疲れてきて気がゆるんだ瞬間、2回滑って転んだ。転ぶと2m位滑り落ちる。
肘を打って痛い。家内も一回滑って同じく肘を打った。
なんだかんだしながら、頂上から3時間足らずかかって神社に着いた。
立派な神社だ。鳥居に有宮神社と書いてある。
山水を引いている水道もある。冷たい水で顔を洗い肘を冷やし、コーヒータイム。



神社を下りると、赤いサイレンの付いた塔の横から車道に出る。左右どちらに行けば大歩危か解らない。
左に行くと、遙か向こう上に登山口の峠が見える。
(中央上のくぼんだ所)

右下には、峠に向かう車道も見える。ええ〜いこのまま歩いていくかと、道を下りかけた所で中学生に会う。
あの峠まで歩いてどのくらいかかるかな?と訊ねると、即座に「無理!」の一言。

すごすご、反対方向に下りて行き茶畑のおじさん達と分岐のとうせんぼの話をしたら、
花の群落があるので、ああいう事をする人が時々いるとの事。
なんて事!私たちはその花の群落を見るために遠回りしてきたのに。

でもしょうがない。とぼとぼと大歩危駅まで車道を歩いていく。



途中もう白いあじさいが咲いていた。
春に超特急で通り過ぎられたばかりなのに、もう夏がやってきているのか!
2時半に大歩危駅に着きタクシーを呼ぶが、予約で満員との事。
村営バスは4時半で2時間後。

ビールを買って、冷たいのをぐいっとやって、弁当の残りを食べ、うとうとして、そして帰途についた。

家内はおもしろかったと言って喜んでいるが、痛くてつかれて残念な山行きであった。
標高差1200mの下りはやはり足下のしっかりした靴が必要だと痛感した。

カシミール3D使用
歩行距離10.2km 歩行時間 4.5時間