西赤石山 物住頭 2009/05/31
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西赤石山のツガザクラが見頃との便りが届く。

アカモノは花期が長く秋にも咲くのでよく見ているが、ツガザクラは何時も花期を逃してしまい

一面に咲き乱れるという花の盛りを見ていない。

乗鞍等の信州の2500m以上の高山では見かける事があるがボチボチとしか咲いていない。

氷河時代の生き残りの花が、銅精錬の煙害ではげ山となったその厳しい環境にうち勝ち大群生となったとか?

一面に広がる白い花園に出会ってみたい。

いつもの様に4時過ぎに起床、新居浜インターを目指す。

途中で大雨となる。

大丈夫か?

インターを出て角野新田町から山根公園を迂回して国領川に沿って別子ラインを上っていく。

この道は私が新居浜勤務の時はまだ工事中だったが今では立派なトンネルが開通して快適な道となっている。

途中から自然の家の道標に従って進む。

自然の家から少し下ると東平歴史資料館のある駐車場に到着。

ここは私が新居浜を去る寸前の平成6年に完成式に来た覚えがある。

雨が上がりガスがひいてくる。

ラッキー!



7時丁度着。

車は4〜5台停まっている。

その内2台のご夫婦が登山準備をしている。

トイレをすましてお先に出発する。

7時12分



住友の鉱山跡の気配が色濃く残る。マンプ(トンネル)には当時の搬送機等が展示されている。

東平は、標高750m前後に位置し、大正5年(1916)から昭和5(1930)まで別子銅山の採鉱本部が置かれた地域で、最盛期には4,000人に近い人々が暮らしていた「鉱山の町」でした。
 明治35年(1902)に東平・東延斜坑底を結ぶ「第三通洞」、明治44年(1911)に東延斜坑底・日浦を結ぶ「日浦通洞」が貫通し、この路線を走る電車により新居浜地域(東平)と別子山地区(日浦)が結ばれるなど、東平は、別子銅山に係わる交通輸送の重要な拠点でもありました




観光客がブラフラと歩いている。



ムシトリナデシコの大群落のある広場から渓流沿いの道を行く。

広場に出る。

ベンチなどが置かれている。



第三通洞(八番坑道準位) に着く。

明治の終わりに此処から別子村の日浦まで坑道が通じていたという。

中を坑内電車が走り一般の人も「籠電車」に乗り立ち入る事が出来たそうだ。

住友の恐るべき財力に驚嘆する。

左へと登山道に入る。

7時25分



綺麗に整備された石畳の道を登る。

沢が交わるところには立派な木製の橋が出来ている。



7時40分馬の背との分岐

左へと柳谷経由で進む。

緩やかな道は遊歩道の様。

古い石垣が続く。

まだガスでうすら暗い。



立派な鉄製の橋には古いレールが使われている。



ミゾホウヅキと今日初めてのアカモノのお出迎え。



ウワバミソウはまだ蕾

落ちている小石は鉱石の成分が含まれているのか鈍く光る。



コガクウツギとクルマムグラ



暗い崖下に小さな花が?



コケイランかな?

彼方此方に咲いている。



窓(魔戸)の滝への分岐を過ぎると上部鉄道跡への分岐に着く。

8時19分

上部鉄道は明治26年から20年あまり蒸気機関車が走っていた。

今から110年以上前の事だ。



お地蔵さんとシコクハタザオ?



第一通道(八丁マンプ標高1100m)に着く。

明治19年に出来て明治44年第三通道が出来るまで牛車や人車により輸送を行っていたとか。



角石原停車場(今の銅山峰ヒュッテ)に着く

庭にはマイヅルソウが咲き始めている。

8時25分



ギンランも数株咲いている

親子の登山客が休憩中。



「赤石の四季」の著作者であり銅山ヒュッテの創設者伊藤玉男氏が今でもひょっこり出てきそう。

小屋では自家発電機の音も聞こえているので奥様がおいでると思うが戸は固く閉ざされていた。



ヒュッテを過ぎるとアカモノの大群生



馬の背からの道と合う。



やっと登山道らしくなり8時51分銅山越えに着く。

出発から1時間40分程

賑わっているかと思ったが誰もいない。



一息ついて休んでいると湯気を上げて走り上がってきた男性。

膝を痛めてリハビリ中だとか。

西山まで行くというのでお別れして出発



東山に向けて出発

振り返ると西山とツナクリ山。

その向こうにチチ山



急坂になるとあこがれのツガザクラが群生。

雨に濡れたツガザクラが可憐で美しい。

やっと見頃のツガザクラに出会う事が出来た。

感激



写真を写していると年輩のご夫婦が追い抜いて行かれた。

冠山から平家平までの稜線が緩やかに広がっている。



チチ山や沓掛山にはガスがかかっている。



標高が上がるとアカモノの色が濃い。



ツガザクラが淡いピンクの花を広げている。



チチ山の向こうに笹ヶ峰が頭を出す。



鞍部に来ると銅山ヒュッテへの近道



鞍部に9時18分



左から平家平 冠山 チチ山



チチ山 瓶が森 石鎚山 沓掛山 黒森山



岩場となる。



チチ山と沓掛山の吊り尾根の向こうに瓶ヶ森と石鎚山



右には物住頭 前赤石 そして稜線の向こうに東赤石の山頂が覗いている。



小さい白い花が一杯だが雨に濡れて開いていない。

葉の様子からコクワガタらしい。

コバノフユイチゴ(マルバフユイチゴ)の葉が多いが花はない。



ウスユキソウはまだ花を咲かせていない。



平家平や前赤石もガスの中



マイヅルソウが目をひく



偽ピークの岩場を何回か越していく。

単独行の若い女性が下りてきた。



コヨウラクツツジの水滴が光る



ツガザクラを見上げると大きな口を開けて笑っているみたい。



岩場にウスノキ

10時14分西赤石山頂着。

東平駐車場から丁度3時間程

頂上はガラガラ。

こんなに静かな山頂は初めて。



先程追い越していった香川のご夫婦と記念撮影。

現在は三豊にお住まいだが、その前は栗林の近所にお住まいだったとの事で峰山の話に盛り上がる。

四国の山は殆ど登られて徳島では八面山を残すのみだとか。

先週は東赤石で今日はツガザクラが目的。

目の前の平家平が次の目標だとか。

さて、これからどうしよう。

昼食には早すぎる。

目の前の物住頭にでも行って昼飯にしようかな。



半ば冗談で言うと「じゃあ行ってらっしゃい!私達は西山でお昼にしますので」

あれれっ!

言い出した以上やはり行かなくては。

何処かのお山での再会を約束して物住頭に向けて出発。

10時20分

チゴユリが咲き始めている。



白くて綺麗なスミレが群生している。

これが噂のホソバシロスミレかな。



鞍部に下りて視界が広がると目の前に物住頭。

前赤石はガスっている。



白い小さな花が一杯咲いている。

ミミナグサかな?

棘アザミが咲き始めている。

夏になると此処を歩くのは痛いだろうなあ。



素晴らしい眺望の岩がある。



振り返ると西赤石山が綺麗な三角錐に見える。

右肩は兜岩



物住頭に向けて登って行くとと岩場もある



真っ赤なウスノキの花

ズミ(コナシ)の花が満開。

青空とのコントラストが美しい。



岩場の登りにさしかかるとツガザクラの群生。



こんな群生見た事がない。



感激!感激!



最後の登りを頑張る。



11時14分物住頭到着。

目の前の前赤石はガスの中

前赤石までは直線距離で500M程

行こうかどうしようか迷うが、軟弱亭主の私は次の機会と言う事にした。



おにぎりの昼食を楽しんでいるとガスがひいて前赤石の全貌がくっきり。

何時か登りたいなあ。



11時31分下山開始



ヤマヤナギの綿が風に飛んでいる。



ガスっている西赤石に向かって下る



ズミが見事に咲いている。



蕾のピンクが可愛い



ギンランが彼方此方に咲いている。



濃い色のコツクバネウツギだと思うがガクが3枚ある?



ホソバシロスミレの群生。



12時15分西赤石山に着くと何処かでお会いしたかご夫婦が!

なんと一緒に薬研谷にアケボノツツジを見に行った「こぶしの花」ご夫妻だった。

再会に大喜び。

昨年は銅山越えまでだったが今年は頂上まで来て満開のツガザクラに出会えたと喜んでおられた。



頂上から少し下りた広場には大勢の登山客が昼食中



12時30分錆びた道標に従い兜岩へと下山



朝の雨で急坂は泥んこ。ズルズルと滑る。

登山口の標識を越える。



此処が有名な兜岩か



登ってみると橄欖岩が更に続いている。

こんなにでっかな岩山だとは!びっくり。



皆さんがアケボノツツジを眺めるポイント

棘が痛い木に黄色の花が咲いていた。

初めて出会う花。

図鑑で調べるとヒロハヘビノボラズ(広葉蛇上らず)の様だ。

棘が痛くてヘビが登らないのかな?



元の道に戻り下って行く。

アラレの缶で作られた道標



14時10分上部鉄道跡に出た。

随分と時間がかかってしまった。



明治の時代にこんな所を蒸気機関車が走っていたとは!!

石垣の綺麗に積まれた水平な道を行く。



煉瓦の橋桁のある鉄橋跡は木製の橋が架かっているがもう朽ちている。

右へと谷に降りて渡る。



いくつか谷を越えていくが、心配になる程鉄道跡が続く。



14時31分やっと一本松停車場に着く。

倒木に座りコーヒータイム。

タイムスリップした様で良い雰囲気。




標識の錆びた方向へと下って行く。



シロバナニガナかな



社宅跡が残っている



煉瓦の水タンク?



15時1分第三通洞に着く。

広場にはニワゼキショウが咲き乱れる。



コナスビが咲き始めている。

ヤブウツギが満開。



記念館などを見学して15時30分に駐車場着。

今日は素晴らしいツガザクラの群生に出会う事が出来た。

前赤石には行けなかったけれど次のお楽しみ。

ゆっくりと高速を帰って何時ものお風呂+ビール。

幸せだなあ。

里山倶楽部四国編