春の里山 西龍王山 建治寺  2019年04月05日  
里山倶楽部四国編 

- 建治寺から桜満開の西竜王山へ -

里山は、桜満開。

天気も良いし何処へ行こうか。

徳島で桜の山と言えば、やはり神山森林公園。

今は、イルローザの森と呼ばれている。

新聞に依ると9分咲きだそうだ。

久しぶりに建治寺経由で、西龍王山に登ってみよう。

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大日寺近くの駐車場に停めて歩き始める。

道沿いにも桜が満開。



ヤマザクラは盛りが過ぎているが、とても綺麗だ。

畑の向こうに、気延山縦走路の山並みが見える。

先週、家内はあの稜線30kmを歩いた。



入田町には、民族信仰の遺跡が多く残っている。

お地蔵さんも多い。



府中殿遺跡の標柱がある。


入田村阿津真、笠木周辺に府中殿町という集落あり。

其の昔は一の小城ありてその城下なるを以て府中殿町と附したるものならん。

その城主は横田内勝太夫常宗ならんか。

横田内勝太夫常宗にして一家四人あり。粟飯原氏なり。


粟飯原氏の居城があったのか。



おやすみなし亭を通過。



寛保(1741年頃)の石柱と新しい六地蔵。



天の原の交差点

建治の滝登山口の石柱から左折

ミニ八十八ヶ所一番の霊山寺の本尊と弘法大師像が祀られている。



聖徳太子1300年の石柱



正面に西龍王山。

中腹に見えるのは建治寺



桜が満開の観正寺。

観正寺は、江戸時代初期までは大日寺の奥の院だった。

建治寺は、この観正寺の薬師堂であったとか。

此のお寺には、蜂須賀家政の朝鮮出兵の時に連れて帰ったとされる、朝鮮の女性「お福」の墓がある。

連れて帰った武将の妻となり、88歳までこの地で暮らしたという。

墓には「武市孫助室高麗館女」と刻まれているらしい。

この女性は、地元の人達に愛されて幸せに暮らしたと言われている。

朝鮮出兵の際には、大勢の知識人や身分の高い女性が連れてこられたらしい。

酷い事をしたなあと思う。



畑で作業中の叔父さんに挨拶して、旧の参拝路を行く。

この参拝路は建治寺の参拝路でも有るが、西龍王山の八大龍王宮の参拝路でも有る。



古い八十八ヶ所の本尊と弘法大師像が並んでいる。

九番 法輪寺



山の神の祠も祀られている。

南谷と金治の分岐を右へ金治に向かう。

建治の滝は、県立自然公園に指定されているようだ。



ホタルカズラが今日も咲いている。

ホタルカズラは西龍王山に多い花だ。



恩山寺、太龍寺



播磨屋橋で坊さんかんざし買うを見た…で有名な竹林寺。

文殊菩薩が本尊



車道と旧道参拝路との分岐に着く。

左へと旧参拝路を進む。

ムサシアブミがニョキニョキ。

年配のご夫婦が降りてきた。

毎日散歩のように登られているようだ。



古い農家が残る。



立派な石垣が沢山残っている。

昔は大勢の人が、農業を営んでおられたようだ。



優しい表情の弘法大師像が多い。

段々と山道らしくなる。



急に石段が現れると、建治の滝に着く。

立派な行場で昔は賑わっただろう。



大きな紅簾片岩の岩壁に滝が流れ落ちている。

水量が少ないのが残念だ。

大雨の後には、凄い水量で滝行が行われるらしい。

行場としての一種独特な冷気が漂う雰囲気は、身がひきしまる思いがする。

昔は、建治寺へ参詣するにはこの道(遍路道)しかなかった。

参詣者はこの滝で心身を清め、金剛蔵王大権現並びに不動明王に祈念。

南無大師遍照金剛を唱えて梯子の行場、鎖の行場と行をしながら登り、建治寺の山門に入った。


 行場としての建治の滝の歴史は古く、弘法大師御修行の霊場、卓阿上人が修行されたことで知られる。



石段を上に登り滝を眺める。

滝の周りは公園のようになっているが、寂れてしまっている。



石の橋を渡ると、不動堂がある。



不動堂の回りには多くの石仏が祀られている。

右に巻道が有るが、岩場を登って行く。



岩場を登り切ると、大きな梯子がある。

梯子行場だ。

ステンレスの太い梯子で、横桟の間隔も広い。

以前は、隣に古い木の梯子があったのだが、取り外されている。



最初、家内が登り始めたが、途中で梯子が揺れるので怖くなったのか降りてきた。

私だけが登ることにするが、やはり揺れるのでかなり緊張する。

私が登り切ると、家内もコワゴワ登ってきた。



梯子の上は狭い段になっている。

長い間誰も登らなかったのか、雑木が生えていて、木の下を這って進む。

少し広く(幅60センチ位)なっている所からの眺望は素晴らしい。

正面に鮎喰川が流れて其の向こうに辰ケ峰と気延山。

一宮城址の奥には眉山が見えている。

近くの山肌にはヤマザクラが満開。



月の宮ゴルフ場も見えている。

眼下は垂直に切れ落ちていて、掴まるところがないので怖い。



段の上には、岩がオーバーハングになって出ているので、そのまま歩くと岩に体があたって落ちそうになる。

左は斜めになっていて滑りそうなので這って行くのが安全。

祠を拝んで帰るときも、迂闊に立ち上がると体や頭が岩にあたって弾みで落ちそうだ。



最初の一段に降りるのが怖い。

慎重に降りる。



次は鎖の行場。

此処は下りは怖いが、登りはそう怖くない。



ミニ八十八ヶ所が続く。



行場を迂回する道に出会う。



石仏がほぼ完全な形で残っているのは珍しい。



入田村の車屋「氏助」さんの寄進。

車屋が有るということ、入田が大きな村だったことがわかる。



行場を過ぎると快適な道となる。



建治寺の山門が見えてきた。



階段を登りきると本堂に着く。

丁度、鐘の音が響き渡る。

お住職らしい人が鐘撞堂から降りてきた。



八十八番の御本尊の石像が祀られている。

弘仁年間に弘法大師が四国修業の折、金剛王菩薩を自ら彫刻し、薬師如来とともに安置したと伝えられる。



お寺なのに狛犬が祀られているのは大権現だからか。



本堂と厄除太子堂

蜂須賀の紋がある。



蔵王大権現の扁額が掲げられている。



天狗と一緒に、青い顔の金剛蔵王権現の額も祀られている。



この日曜日には、春の大祭典があってお神輿も出るようだ。



阿吽二体の金剛蔵王大権現像(弘法大師作は阿形、蜂須賀公の彫らせたものは吽形)が建治寺の岩屋奥に祀られている。



本堂横から登って行く。



山道を暫く登ると稜線に出る。

ミツバツツジが綺麗だ。



展望台に登る。

素晴らしい眺望が広がる。



左にはタカガワゴルフクラブ。

右にはサンピアゴルフクラブ。

サンピアの向こうには、私の住んでいる団地。

其の奥に津田山と海が見える。

東九フェリーが今日も停泊している。



正面には鮎喰川の流れと眉山。



反対側にはアメダスドームの高城山。

そしてまだ雪の残る剣山。




健康ウォークコースを登って西竜王山495.1m



八大龍王が祀られている。

昔、蜂須賀家政が徳島城に入った時、此処から場内に勧請し龍王社とした。

今は春日神社の境内に、豊玉姫神社として祀られている。



トサミズキとキブシの花。



山頂を下ると、高丸山の独特の山頂が顔を出している。

シハイスミレが咲き誇っている。



遊歩道を下っていくとヤマザクラなどの桜が満開。



コブシの花が満開。

ピンクの筋が入ったのも有る。



ヤマザクラの大木も見事な花を咲かせている。



駐車場まで下ると桜が満開。



枝垂桜も曙桜も見事に満開。



森林公園の標準木も満開。


桜並木が続く。



緑の葉が多い桜は何ザクラ?



枝垂れ桜の下で昼食。

平日というのに花見客が多い。

明日からは桜まつりが開かれるようで、町村の特産品のバザーも有るようだ。



多くのディサービスの車が来ていて、お年寄りが花見とお弁当を楽しんでいる。



沢山のセンボンヤリが咲いている道を、展望台まで登る。

ピンクのセンボンヤリも有る。



また山道を建治寺まで帰る。



玉姫大明神に寄ってみる。

玉姫稲荷神社と由緒は一緒だろうか。



見晴らしの良い所に立派な鐘楼。

此処で鐘を撞くと入田全域に響くだろう。



鐘楼の上に常夜灯(灯台)がある。

嵐の夜に、津田の漁師がこの灯台の明かりで救われたらしい。



丁度、正面に津田山。



帰りは車道を降りる。



途中に焼山寺へと下る参拝路が有る。



庚申塔も祀られている。



帰りは国道まで出ずに旧遍路道を歩く。



古い祠や寛政5年の立派なお地蔵さん。



路傍には多くの石仏

延宝3年(1676年)の庚申塔と明和4年(1767年)のお地蔵さんそして寛文12年(1672年)の庚申塔。

元末5年の文字も見えるが、そんな年号はない。

元文の間違いか?。



山裾に桜が見えるので、坂道を登ると神社がある。



神社の名前が何処にも書いていないが、地図で調べると笠木神社らしい。

 昔、大水の時鮎喰川の上流、上山の卯辰の宮の鳥居の笠木が倒れて流され、現在の古宮にかかりこれを祭って笠木神社となる。



古い祠も祀られている。

玉垣には入田村のそれぞれの集落の氏子が寄進したらしい。



神社の隣に見事な桜が咲いており、一面のピンクの絨毯になっている。

お寺かと思ったら個人の住宅だった。



更に進むと正福寺が有る。



十一面観世音菩薩が御本尊らしい。



本堂の中はキンキンラキンで輝いている。



溶岩とお地蔵さんが祀られている。



西福寺の左奥の高台に見事な桜が見えている。

公園かなと思って行ってみると、なんと個人のお宅だった。

この辺には、大邸宅が多い。



後は、また車道脇の桜を楽しみながら駐車場まで帰る。

今年は、桜の咲くのが早いかなと思っていたが、3月中旬から寒い日が続いたので丁度今頃が満開となった。

天気も良くて、満開の桜を堪能することが出来て最高の1日だった。




総歩行距離 12.1km

累計標高差 ±718m

総行動時間 7時間10分



里山倶楽部四国

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