冬の里山 大麻山 2007/12/16
         

− 一番札所 霊山寺から大麻山 〜 卯辰峠 −

冬になれば里山のシーズン。阿讃の山に久しぶりに登ろうと思った。

まずは東の端の大麻山を目指すことに..

一番札所 霊山寺の駐車場に車を止めて歩き出す。

9時17分

大麻山へ登る時は登山口か大麻比古神社の駐車場に駐車すると便利だが

今日は卯辰峠まで周回する予定。



山門から境内に入る。

これから八十八カ所を回るお遍路さんや八十八カ所を打ち終えて帰ってきたお遍路さんには

この門をくぐるのには特別の感慨があるのだろうと思う。



誰もいない境内ではお婆ちゃんが一人イチョウの落ち葉を掃き清めていた。

五智如来(ごちにょらい)を祀った多宝塔は立派な建物。



霊山寺の本堂で大勢のお遍路さんが「授戒」を受けている。

授戒(十善戒)とは、
 一、生きものを殺さない。
 二、盗みをしない。
 三、邪淫しない。
 四、うそや偽りをいわない。
 五、大ぶろしきをひろげない。
 六、悪口をいわない。
 七、二枚舌を使わない。
 八、むさぼらない。
 九、怒らない。
 十、不正な考えを起こさない。

以上の誓いをたてるということ。



山門の左を塀に沿って進む。

民家の庭に今頃ボケの花が満開

高速道路を潜ると赤い大きな鳥居がお出迎え。

自転車の叔父さんと挨拶を交わすが、この叔父さん何と雄のキジをハンドルにぶら下げている。



参道の両脇には大木に白い花が満開と思ったら..



白い団子の様な実が沢山なっているのはセンダンの木。

参道は綺麗に整備されている。

両側に石灯籠が並ぶ。



梅林の向こうには、ばんどうの鐘。



参道の樹がセンダンからクスノキに変わる。



樹齢1000年の大楠



本殿の横から右に出ると駐車場からの道と交わる。

生け垣のヤブツバキの実が弾けている。



ビワの花も満開。

登山口の駐車場は満車。

住民に迷惑だから停めるなの看板の前にも停めてある。



登山口の鳥居を潜ると自転車が数台。

なんと先ほどのキジを吊した自転車が置いてある。

9時53分出発。



長く続く階段が嫌で巻き道を行くが直ぐに階段道と交わる。



今日の家内のペースは遅い。

階段に足が会わず登りにくいと言う。

沢山の登山者が降りてきている。



所々にテーブルとベンチが設置されている。

中津峰と異なって可愛いデザイン

ベンチからは徳島の街がよく見える。



10時14分見晴台。

吉野川の向こうに眉山。

そして比山の奥には中津峰や大川原高原が連なっている。



真名井の水場の分岐を曲がらずに真っ直ぐ行く。



頂上まで500mの標識。10時32分。

大麻山の階段はここからがキツイ。



手作りの可愛い標識が設置されている。

卯辰越えへの分岐を過ぎると展望所があり三嶺や剣山が見えると書いてあるが生憎曇って見えない。



奥宮参道が整備されていて山頂矢印はそちらへ向いているがそのまま階段を上る。



また裏参道の標識。

そのまま左へ行くと山頂の奥宮が見えてきた。



奥宮の裏に回ると山頂538mの標識

10時56分着。一時間以上掛かってしまった。

頂上付近は昔藪だったが綺麗に整備されていて裏参道からの道が交わっている。

奥宮の傍のベンチではこの山を整備している人達だろうか?

話しに熱が入っているのでそのまま鉄塔を目指す。



北斜面を下って行くが結構急。

参道の石段とはうって変わって自然が一杯の道だ。



北斜面はとても寒い。

回り込む様に行くとケルンにでた。

ここから参詣道の分岐まで降りることが出来る。

そのまま尾根道を西に進む。



アカマツの多い尾根道は快適。



家内の大好きな天上のハイウェイ

寒いので途中でコーヒーブレイクをして進む。

11時25分鉄塔に着く。



眼下にゴルフ場。

引けた湾や津田湾、志度湾その向こうに遙か八栗山まで見える。



瀬戸内海の素晴らしい眺めにしばし見とれる。



鉄塔を回り込む様に下り卯辰越え分岐を目指す。

一旦下ってドンドン登って行く。

11時45分分岐に着く。



分岐から右へ卯辰越えに向かう。

途中でご夫婦が座り込んで昼食中。



アセビの多い道を行くと石のヤッホー地蔵。



何度かアップダウンを繰り返していくと、ピークの岩場にベンチがある。

吉野川が綺麗に見える。

手前に点在する白いのは野菜などのビニールハウス



小豆島が霞んで見える。



徳島空港を眺めながら昼食。

食べている間、離着陸はなかった。

振り返ると大麻山があんな高くに。



少し進むと徳島平野の眺めも変わっていく。






卯辰休憩所と書かれた東屋があり此処からの眺めも良い。



鞍部に付くと左右から道がある。

をたつ峠のをたつ祠が再建されていた。



裏には古い祠があり地蔵さんが祀られている。

此処から右へ行けば折野。左へ行けば坂東桧。

そのまま四国の道を登り返す。



タツナミソウの咲き乱れる道を登ったり下ったりする。

松?の白骨樹が多い。



最後に急な階段をエッチラ下りると卯辰越えに着く。

13時1分。



をたつ祠の案内標石がある。

左北灘町折野。右大麻町桧。



お不動さんが祀られている。



車道を坂東に向けて下る。



ツルウメモドキの実がいっぱいあり強烈な色彩が目に付く。

葡萄の様な実はアオツヅラフジ。



ハンノキかな



ドンドン車道を下って行く。

先ほどの、をたつ峠への道があった。

この辺の谷間は造成途中で放棄された模様。

それとも採石場跡か?

それにしても不法投棄の粗大ゴミが多い。

延々と捨てられている。

不法投棄する人達に子どもは居ないのか?

子どもたちにこんなゴミの徳島を残すのか?

嫌な気持ちで歩いていると家内が段差にけつまずいて転んだ。

下がコンクリートの道なので、パンツが破れて膝から血が噴き出した。

仕方ない応急手当てして下る。



阿讃山脈が海底から押し上げられひん曲げられた様子が良く解る地層。



谷間に来ると野猿がギャーギャー騒いでいる。

すごい大群だ。




坂東場はこの丘の上にあったのかな?

ドイツ館の道の駅でコーヒーブレイク



灘生協生みの親、賀川豊彦がこの地の生まれとは余り知られていないのかな?

高速の測道を引き返し坂東川からドイツ館とその向こうに大麻山を眺める。

ゆっくり歩いて霊山寺まで引き返す。

今まで大麻山は嫌な階段の山だとばかり思っていたが、素晴らしい自然路もあることを知った。

また春に訪れてみたい所だ。