夏の里山 大川原高原    2014/07/05
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-  大川原高原 アジサイが咲き始める -

今日も午後から所用があるため近くの散策しか出来ない。

剣山ではヒメフウロやオオヤマレンゲが咲き始めているようだが残念だ。

大川原高原のアジサイの様子を見に出かける。



アジサイ園では丁度ブルーのアジサイが咲き誇っている。

ガクアジサイは咲き始めたばかり。



遊歩道に向かうと風が強く風車の風切り音が凄い。

アジサイ谷のアジサイはまだ全然咲いていない。

去年、雑草などが多くなっていたので大規模に剪定したからかなあ。



遊歩道には何時もの小さな菊とイボタノキ



見通しが良くて南の山並みがくっきりと見える。

ドウダンツツジの葉は色が濃くなっている。



アザミも咲き始めている。

この小さなヨメナのような菊の名前は何時まで経ってもわからない。

コマクサさんからシュンジュギク(春寿菊)と教えて戴きました。

ヨメナが秋に咲くのに比べて、春から初夏にかけて咲くのでその名前が付いているらしい。

蛇紋岩地帯に生育するとあるが、旭ヶ丸の稜線は赤色チャートで出来ており蛇紋岩は見られない。

しかし、地質調査では稜線の赤色チャートの北側の御荷鉾緑色岩類の緑色岩の大部分は

ハイアロクラスタイトと呼ばれる海底火山起源の砕屑岩であるが、一部に蛇紋岩があると書かれている。

稜線の一部に蛇紋岩が流入しているのかもしれない。



展望台からは高丸山と柴小屋山そして旭の丸がくっきりと見えるが雲早山は見えない。



眉山方向と高鉾山方向



展望台からは360度の眺望

特に気になるのは眉山の西に広がる鮎喰川流域

気延山から矢野遺跡、名東遺跡はもちろん多くの古墳のある石井の町を見渡すことが出来る。

今は大川原と呼ばれているが、古くは「王ヶ原」と呼ばれていたのではないかとの話もある。

此所から眺めると王様になった気持ちが味わえる。



展望台の下には古い石室が降り石祠や石仏が祀られている。

赤い板状の石で囲まれている。

まるで古墳の石室のようにも見える。



左は役行者像か?

右も同じかもしれない。

右手に杖のような物を持っている。



山中にヤマボウシが咲いている。

こんなにヤマボウシが多いとは知らなかった。



先ほどの石室も同じだが大川原の頂上付近は赤い岩が多い。

遊歩道も赤い石の粉砕された小石が一面にある。

この赤い石は赤色チャートでチャートとは遠洋性の深海底堆積物として陸側に取り込まれた地層だ。

つまり遠くの海で堆積した地層がプレートに乗ってやってきて陸側に取り込まれたと言うことだ。

非常に硬い岩石で色が赤いのは酸化鉄を含むことに依る。

また、泥質で柔らかい赤色頁岩(シルト)も混ざっているとコマクサさんに教えて戴きました。

稜線から北側の佐那河内側には火山性の御荷鉾緑色岩類の緑色岩が広く分布している。

稜線の南側の上勝町側には堆積岩の分布が主で、泥質岩が多く石灰岩もとろろどころに露出している。

つまり、稜線は堅いチャートで出来ておりその北側は火山性の緑色岩、南側は石灰岩を含む堆積岩で出来ていると言うことだ。

この地質の多様性が豊かな植生を育んでいる。



真っ白に花びらが散っている。

見上げるとヤマボウシが満開だ。



旭ヶ丸頂上付近では花が散って特徴ある実が出来はじめている。

赤く熟れるととても美味しい。



展望台下と不動峠分岐には天岩戸別神社の古い石柱が二基たっている。

天岩戸別神社は、この山の中腹にあるがその神社の石柱がこのようなところにあるのは変だ。

昔、この頂上部に天岩戸別神社があったとしか思えない。

もしかしたら奥の院があったのかも。



カマツカは実になっている。

サルトリイバラも沢山の実を付けている。

遠くの空が曇ってきた。



足下に小さなヒメシャラの花が落ちている。

ヒコサンヒメシャラに比べて一回り小さな花だ。

見上げると沢山花が咲いている。

大川原高原にはまだ幼い樹だがヒメシャラが沢山ある。

その若いヒメシャラが沢山の花を咲かせていることに驚く。



那賀川河口や淡島のあたりが綺麗に見えている。



不動峠(尾葉古のたお)にも沢山ヒメシャラの花が落ちている。



見上げると沢山のヒメシャラの花

他の山ではヒメシャラの樹が大きいので高いところに咲く小さな花を見ることは難しい。

この山の樹は背が低いので小さな花でもくっきりと見ることが出来る。



古梨も小さな実を付けている。

シロモジも実が一杯。



変な植物が生えている。

腐生植物のヒナノシャクジョウだろうか?

流れ星さんからキヨスミウツボではないかと教えて戴きました。

もう少し育ってからまた見に行きたいと思います。



高鉾山本峰で一休憩

ヒメシャラやヤマボウシの花を楽しみながら下って行く。



ネジキやヤマツツジも花の終盤だがまだまだ綺麗だ。



高鉾山にも寄ってみる。

勝浦川の流れる勝浦の町がよく見える。

中津峰山や稼勢山も美しいシルエットになっている。



六郎山の右の鞍部には眉山と紀伊水道そして淡路島が見えている。

勝浦川の河口は見えず加茂谷の向こうに那賀川河口が見える。



何かのランかな

これも流れ星さんからセイタカスズムシソウだと教えて戴きました。

確かに鈴虫が羽を広げているように見えます。

初めての出会いです。



タンナサワフタギも実になっている。

ニガイチゴの実は食べ頃。



林道を行くと蓮のような葉っぱが..

なんとオタカラコウの大群落だ。

花が咲くと見事なことだろう。



今頃まだナガバノモミジイチゴの実が残っている。

流石に食べる気はしない。



ミドリヒョウモンとクロイトトンボ?



濃い色のコマツナキも沢山咲いている。

林道脇にもヤマボウシが見事だ。



駐車場に帰ってくると沢山の車が停まっている。

なんとバスの集団までいる。

他県ナンバーの車も多い。

大川原高原のアジサイは有名のようだ。

帰り道でも沢山の車とすれ違った。

これからしばらく賑やかになることだろう。


里山倶楽部四国編 

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