春の里山 竜王山    2016.03.24
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- 春冷えの竜王山 本格的な春はもう少し -

今週はもう4回も山に行っている。

今日くらいノンビリしようかと思ったが、昨夜家内から明日何か予定があるのと聞かれると「ない」としか言い様がない。

無職とは寂しいものだ。

結局朝早く起こされて、以前から気になっている竜王山に行くことにする。

家内は先日大川原高原でミスミソウが花開いていたので、竜王山でもケスハマソウが咲いていることを期待。

私は、去年チャンスを逃したアオイスミレが見たいと思う。



杉王神社に駐車すると、軽トラのおじちゃんが話しかけてきた。

徳島から来たというと、「徳島は、色々頑張っている。神山では消費者庁を誘致しようとしている」

「佐那河内にも行ったが、イチゴなどの特産品を作っている。」

「まんのうでも何か特産品を作らなければ」

同じ山里の町として悩みがあるようだ。

8時40分 横畑経由竜王峠に向けて登り始める。



このハイキング道は昔の横畑の生活道。

明治17年の大きなお地蔵さんが祀られている。

その頃は大勢の人がこの道を歩いたことだろう。



セトウチウンゼンツツジは芽吹いていて花が咲くのは半月ほど先かなと思う。

ミツバツツジはあと10日もすれば咲くことだろう。

お墓は新しいシキビが祀られていて子孫が守っているようだ。



古い車道に出て直ぐに新しい車道に出る。

尺善の墓がある。

横畑から金毘羅街道への道が難所だったため3年かけて明神川の右岸から久保谷までの道を開削した人らしい。
右の半分壊れているのが当時のお墓。

左は新しいお墓。





花は少ないが、ムラサキケマンが咲いているのが嬉しい。

道路脇にも明治17年のお地蔵さん。

「想同行」と彫られている。

木戸口があった名残で木戸口には見張り番が常時いたそうだ。



横畑の里に入るとまだウメが咲いている。



タチツボスミレだろうか?沢山のスミレが咲いている。

お婆ちゃんが畑に居て、キャベツのような苗が植えられている。



カンヒサクラが満開。

沢山のお墓やお地蔵様が集められて祀られているが、今年のお彼岸にはお詣りする人は居なかったようだ。



三上神社に到着。

横畑は、源平屋島の合戦で敗れた平国盛ら数十騎が、阿波の祖谷へ落ち延びる途中、

平寿盛の一族数人が住み着いたという伝承が残っている。

 横畑という地名は、平家の軍旗を横に倒して農民になったから「横旗」すなわち横畑になったといわれている。

横畑集落の入口には木戸、尾根越えの寒風峠には物見櫓があり、見張りの人が住んでいた「キビジリ屋敷」があったと言う。

また、今でも十数基の墓が現存し、墓碑に平寿盛の孫であると刻されている墓も残っているそうだ。

立派な石鳥居は昭和36年4月に奉納されている。

その頃には、大勢の人が元気に住んでいたと思われる。



狛犬の阿吽が逆になっている。

所々に逆になった狛犬があるが何か意味があるのだろうか。



神社横にあった地神塔が除けられてコンクリートの基盤が出来ている。

横畑に多い祠を合祀するのだろうか?

地神塔はどうなったのかと一瞬心配したが、杉の木が伐採されていてその横に移設されていた



注連縄も新しいので今年の社日には地神祭が行われたようだ。



神社横には梅が満開。



ミツマタやクロモジの花が可愛く咲いている。



先ほどのまとめられたお墓にもあったが、釈の戒名は浄土真宗特有。

横畑の里にはお寺が見当たらないが浄土真宗のお家が多いのだろうか。

確かにまんのう町には浄土真宗本願寺派のお寺が多い。

畑の中に平家由縁のお墓。



三つの小さな社があるが右端の文字は読み取れない。



真ん中のも読めない。

左端のは若宮○神と読める。



離れて道祖神もある。



さあいよいよ竜王峠に向けて山道に入る。

此所から寒風越えへも行くことが出来る。



檜の造林の中を登って行く。



横畑にはお社が多い。



立派な道標が100m毎に建っている。

フデリンドウが顔を出している。

10日もすれば可愛い花が咲くだろう。



壊れていた所は土管で修復されていた。



アブラチャンが可愛い花を咲かせていた。



フサザクラの蕾が膨らんでいてもうすぐ花輪咲かせそう。

竜王峠着。

一休みしようと思うが強烈に冷えてきた。

ダウンジャケットを着込むが、昨日の暖かさに比べてとても寒い。



竜王山に向けて阿讃従走路を進む。

ツルリンドウが芽を出している。

昨年大量に倒れていた杉は切り払われていて歩きやすくなっている。



電波塔から急坂を下りて車道に出てまた竜王山へと急坂を登る。



讃岐登山道はたった200mだがとてもキツイ急坂。

脹ら脛が切れそうなのを我慢して阿波竜王山山頂着。

10時59分。

杉王神社から2時間20分かかった。



山頂標識は無くなっていた。

三角点がポツンとあるばかり。

展望台に上がるが、剣山方向などは厚い雲に覆われている。

展望台から何時ものように430で2局ほど交信。

寒くてこれ以上は無理。

下山する。



白い花を咲かせるフデリンドウは芽が出たばかり。

ケスハマソウは蕾が出始めたばかり。

やっぱりちょっと早すぎたようだ。

車でやってきた男性に、飯野山でピンクのケスハマソウが見頃ですよと教えて頂く。



私の今日の目的のアオイスミレが咲き始めていた。

この花弁の縮れ具合と淡い紫がなんとも言えない。

とてもキュート。



寒い冬が大好きで暖冬だと花が咲かない場合があると言われている。

葵の葉に似ている丸い葉が特徴。



小さいスミレで目立たないがよく見ると沢山咲いている。



紫色の濃い花と薄い花がある。

私は目的のスミレを見ることが出来て大満足。



フキノトウは出始めたばかり。

竜王山は花が遅い。

これは普通のタチツボスミレかな?

でも葉が違うような気もする。



また竜王峠に帰ってきて昼食にしようと思うが、益々寒くなる。

峠は風が通って余計に寒いので先に進む。

ここでも倒木が切り払われている。



一等三角点に着いて食事をしようと座るが今日は異常に寒い。

また先に進む。



寒風越えに到着。

横畑では、源氏の追っ手から逃れるため、他の集落と遮断し、生活に必要な物は遠い讃岐より近い阿波で調達したそうだ。

その道が寒風越え。
寒風(さむかぜ)越えは横畑にとって塩や生活必需品を調達する「命の道」で阿波の藤宇に通じる。

峠もその名の通り冷たい風が吹き通っている。

藤宇側に少し下りて風が吹かない所で昼食。



今日は、セブンイレブンのピリ辛トリ弁当マヨネーズタップリ。

連日カロリーオーバーだが沢山歩けばOKとしよう。



食後、アベマキの多い従走路を下る。



下ると言っても、ピークへの登り返しがキツイ。



3つほどのピークを越えて更に長い登を追えるとベンチがあり休憩。



また急坂を下っていく。

境界杭には愛媛森區署と書かれている。

この辺は昔、愛媛の管轄だったのだろうか。



更にアップダウンを繰り返し613mのピークに着く。



此所には三角点「久保谷」と図根三角点がある。



急坂を下るとアセビが咲いている。

この従走路にはアセビは少ない。



アブラチャンだと思うがケクロモジとか判断が難しい。



三頭越に着く。

14時9分。



井戸の水は涸れていた。



おっぱい地蔵さんと猿田彦太神。

ご夫婦が見つめ合っている。



一息入れて久保谷を下る。

何時もは群生しているヤマルリソウは花が見えない。

ちょっと時期が早すぎるのかな。

ユキワリイチゲの葉はあるが花は咲いていない。



前の沢に男性が居て何かやっていて怪しげだ。

まさか盗掘?

なんとエントツ山さんだった。

県境尾根縦走用の水場を調査されている所だった。

お久しぶり。

数年前の寒峰以来だ。

とりあえず、私達は花などを探してユックリ下りるので三頭越えに行って頂く。



ニリンソウやイチリンソウの葉は沢山出ている。

今年も花を楽しむことが出来そうだ。



アワコバイモを探しながら下りるが中々見つからない。

やっと一つ咲いているのを見つけて感激するがその後は沢山見つけることが出来る。



今年も沢山出会えて喜ぶ。



エントツ山さんが三頭越えから下りてくる。

ユキワリイチゲは咲いているが今日の寒さに花が開いていない。



ニリンソウが一輪咲き始めていた。



ユキワリイチゲは沢山咲いているがやはり寒さに縮かんでいる。

エントツ山さんと色々話しながら谷を下る。



久保谷の登山口には例年通りケクロモジが咲いていた。



登山口の川横にはフサザクラが満開。

今まで此所で満開のフサザクラを見たことが無かった。



此所から何時もは杉王神社まで1時間ほど歩いて帰るのだが、今日はエントツ山さんに送って頂いてあっという間。

エントツ山さんありがとうございます。

今日は思いかけない所でお会い出来て家内も喜んでいます。

また何処かの山でお会い出来るよう、お互い健康に気をつけて山歩きを楽しみましょう。

帰りに三頭トンネルから下ると正面に見える剣山や矢筈山が真っ白。

雪が降ったのか霧氷なのか?

今年は暖冬だと思っていたが中々寒さがヒツコイ。

明日は久しぶりにゴルフだが寒そうだな。





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