春の里山 三嶺 西熊山    2016.05.31
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- 最高の天気 三嶺から西熊山ピストン -

先週、剣山に登ってからボランティアや地質調査そして古文書講座そして植生調査等で忙しかった。

今日は久しぶりにフリー。

おまけに一日中晴れの天気予報。

こんな日は三嶺からのゴールデンルート歩きがスカッとして最高だろう。

前日9時半には寝て、4時起床。



それにしても三嶺は遠い。

自宅を5時前に出発して一生懸命走っても名頃に着いたのは7時前。

山道を走るのは疲れる。

駐車場にはすでに香川ナンバー、なにわナンバー、高知ナンバーそして福井ナンバーの車が停車中。

香川ナンバーのご夫婦が先に出発された。

トイレ等を済ませて出発。

7時15分。

出発して直ぐに、先に出発していた高知ナンバーの若いカップルが四ツ谷小屋川コースから引き返してきた。

高知の人なので名頃コースは初めてのようだ。

正しい登山口を案内する。

今日は三嶺から剣山まで周回して名頃まで帰ってくる予定だとか。

凄いなあ。

あっという間に登って行って見えなくなった。



何時ものように尾根コースに向かう。

クリンソウが今年も元気に咲いている。

たった二株だけだが、すっかり名頃に根付いたようだ。

タンナサワフタギが真っ白な花を咲かせている。



エゴノキも何本か有り丁度咲き始め。

今年は中津峰山でも見る事が出来なかったので家内は大喜び。



なにわナンバーの男性も凄い勢いで登って行った。

所が私はピッチが上がらない。

いつの間にか階段が無くなっていて、滑りやすい急坂を登るのに力がいる。

脹ら脛がパンパンになり急登に喘ぐ。

気温が高くて汗が噴き出る。

先週のリハビリでも脹ら脛の腱やヒラメ筋などが硬くて柔軟性が無くなっていると言われた。

登山前後のストレッチを忘れないようにと言われたが今日もしていない。

私達は家から登山靴を履いていて、登山口に着くとリュックを担いで直ぐに出発するのが習慣になっている。

この癖が良くないのかなあ。

途中でスポーツドリンクを飲んで一息入れる。

途中でご夫婦をパスさせていただいて暫く登ると脹ら脛の痛みが消えてきた。



7時46分 林道到着。

登山口から31分。

何時もより少し早い。

キツかったのは家内が浪速の男性に負けないと頑張った所為かもしれない。

林道沿いにはカマツカが咲いている。



林道から稜線コースに入る。



ギンリョウソウが咲き始めている。

ブナやカエデの緑が濃い。

林間を冷たい風が吹き抜けて天然クーラーのようで気持ちが良い。



ブナの赤ちゃんが沢山顔を出している。



ミズキの花も満開。



ブナの大木を見ながら登って行くと足取りが軽くなる。



変なキノコがにょきにょき



ダケモミの丘手前のピークに近づくとギンリョウソウが多くなる。

ダケモミの丘手前でとっくに先に行っている思った浪速の男性がうろうろしている。

三嶺頂上への道が不安になって私達を待っていたようだ。



下りなら有り得るが登りで道がわからないなんて?

ダケモミの丘に来ると通行止めのロープや道標などが乱雑だ。

以前の左に下る登山道には切り倒したモミが散らばっていて通せんぼをしている。

そのまま真っ直ぐ行くようにルートが変わっているようだ。

これでは初めての人は戸惑うかもしれない。

道標を整理して、せめて切り倒した木は登山道から片付けてほしい。



イシヅチテンナンショウが咲いている。

ルート標識から少し上がった所で行動食のあんパンを食べて休憩。



深掘れした昔の登山道には伐採した木材等が敷かれているが、とてもその上を歩く事は出来ない。

これはどういう意図があるのだろう?



ツクバネソウが咲いている。

急坂になるとカニコウモリが今年も群生。



狸のかんざしのマユミの古木は蕾がびっしり。

今年は可愛いピンクの実が沢山出来るかもしれない。



ツルギミツバツツジが鮮やかに咲いて登山道を華やかにしている。



大岩を過ぎるとナンゴクミネカエデの花が咲いている。



少し登ると眺望が開ける。

振り返ると剣山、次郎笈



正面には石立山



水場の看板が新しくなっていた。



岩の崩壊地に来ると色々な種類の岩片が落ちている。



剣山から三嶺までは秩父北帯に属するが、三嶺から天狗塚までの北斜面は御荷鉾帯が伸びてきている。

オマケに三嶺から西熊山までの稜線部にはチャートが帯のように入ってきている。

そのため頂上直下の聳え立つ岩は多分チャート。

割れて落ちてきているのは、御荷鉾帯の緑色岩か秩父北帯の泥質千枚岩などの岩が混ざっている。



割れた石で滑らないように注意して登って行くとツルギミツバツツジが美しい。



相変わらず傷んだ木の階段は歩きにくい。

カヤハゲやや白髪山が見えるようになる。



崩落地はまだ修復されていないがよく踏まれているので歩きやすくなっている。



ツマトリソウが咲いているがもう痛んでいる。



気温がドンドン上がっていて日差しがキツイ。

しかし吹く風は冷たく気持ちが良い。

頂上池到着。

9時47分。

いつも通り、登山口から2時間半。



三嶺名物の頂上池だがいつ来ても水位が殆ど変化が無いのが不思議だ。



頂上池と剣山、次郎笈のおきまりショット。

御嶽山の現況などを考えると、いつ来ても同じ姿を見る事が出来るのも幸せかもしれない。



コメツツジが咲き始めている。



青空に向かって登って行くと頂上着。

10時2分。



目の前に天狗塚へと伸びる稜線。



岩に座って休憩。

頂上にはなにわナンバーの男性と福井から来られた男性。

そして高知側から登ってこられた若い男性の二人。

岩に座って休んでいると、直ぐ後ろで春ゼミが大きな声で鳴き始めた。

祖谷周辺では各種の春ゼミが観察されているが、三嶺のように標高の高い所に生息しているのはコエゾゼミだろう。

エゾゼミのように針葉樹の中だけで生息するのでは無くて、ブナやナナカマドなどの広葉樹林でもよく鳴いている。



暫くすると皆さん下山してしまった。

私達は西熊山に向かって出発。

10時14分。



何でこんなもの造ったのか不思議な滑りやすい木の階段を下りると光石分岐。



斜面にツルギミツバツツジが満開。

光石への道は良くなっているのだろうか。



地滑りの斜面は少し緑が戻ってきたようだ。

ピークへ登ると風が気持ちよい。



白いスミレはニョイスミレかフモトスミレか?



テカテカと日の光を反射しているのはミヤマキンポウゲだろうか。



ツマトリソウが綺麗に咲いている。

だいぶ暑くなってきた。

西熊山まで笹原を歩くので鉄板焼きにならなければ良いが。



登り返しを考えると嫌になる程下って行く。

右には矢筈山系がクッキリ。



稜線の木々は殆ど枯れてしまったと思っていたが新緑が綺麗な木もある。



小さいけど立派なブナの木



つぼみが一杯付いているこの木は何の木?

よく見るとミヤマザクラのようだ。

見ノ越などではとっくに花が咲いて実がなる季節なのに、此所ではまだ蕾。



ナナカマドも元気に緑の葉を茂らせている。

去年は全く緑が見えなかったのに木が元気になったのだろうか。

さて此から西熊山への登り。



西熊山の左に綱付森が見えている。

綱付森へは随分とご無沙汰している。

足下にマイヅルソウが沢山咲いている。

今年初めての出会い。



もう着いたかと思った先にもう一つのピークが有り山頂標識が見える。



西熊山到着 11時38分

三嶺から1時間24分掛かっている。

以前は1時間が標準タイムだったのに、やはり疲れてからが遅くなるようだ。



三嶺を振り返る。

三嶺の右に次郎笈。

剣山は三嶺の影で見えない。

こんな所に三角点(三等三角点西熊山1,816m)があるのを発見。



天狗塚を見ながら昼食。

鶏のバジル焼きとオムライス&メンチカツ弁当

サンクスも色々と考えるなあ。

ちょっとゴージャスだが山ではシンプルなおにぎり弁当のほうが美味しいかも。

食事を終えるとコエゾゼミが一斉に鳴き始めた。

そういえば明日からは夏になる。

季節の変わる早さが、私の季節を感じる感覚の変化を遙かに追い越している。



食後、430でCQを出して藍住のYL局と土佐清水市のモービルとQSO。

土佐清水市のJR2のモービルは三重県から四国巡礼で足摺岬に向かう途中だった。

12時20分三嶺へと引き返す。



段々と暑くなってきた。

此から三嶺に登り返すのは大変。



途中男性とすれ違って黙々と三嶺に引き返す。

カッコウの鳴き声が稜線に響き渡る。



天狗塚にもある稜線上のゴツゴツした岩はチャートだろうか。



三嶺南面のミツバツツジは大群落で美しい。



一旦ピークに登ってから少し下る。

あの綺麗なミツバツツジへは三嶺からどの様にしたら下りていけるのだろうか。



また三嶺へと黙々と登り返す。

13時33分三嶺着。

結構疲れたので岩に座って休憩。



頂上で休憩していた4人パーティの方とお話しする。

長野から来られて今日は剣山に登ってから三嶺に登ってきたそうだ。

剣山がいくら簡単と行っても剣山に登ってからこの時間に三嶺に登ってきているとすると凄い健脚だ。

途中ダケモミの丘が解らなくてウロウロされたそうだ。

やはりダケモミの丘は標識を整備して、切り株などをかたづける必要があると思う。

明日は石鎚山で山頂小屋に泊まる予定との事。

暫く四国の山や長野の山の話で盛り上がる。

トレランの女性が一人駆け上がってくる。

13時53分 皆さんが下山されたので私達も下山開始。



目の前の剣山、次郎笈が朝よりクッキリと見えている。

気温はドンドン上がってくる。

山で27.7度だと下界では何度になっているのだろうか。



コツクバネウツギが沢山咲いている。

ダケカンバの大木の緑が綺麗だ。



ヤマボウシが咲き始めている。

テリハラノイバラが花の盛り。

トレランの女性が凄い勢いで駆け下っていった。

凄い勢いで転ばないのが不思議。



16時23分 駐車場着。

登山者の車はもうすでに誰もいなかった。

高知のトレランペアも剣山に行って帰ってきたようだ。

地元の方がご夫婦でトイレや駐車場の掃除をされている。

ご苦労様です。

後はひたすら山道を走り自宅へ。

今日は久しぶりに三嶺から西熊山へと歩く事が出来た。

しかし、縦走の時間は毎年遅くなる。

7月までにもう少し鍛えて今年も北アルプスへ行きたいと思う。





総歩行距離 17.1㎞

累計標高差 ±1,742m

行動時間 9時間15分





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