冬の里山 焼山寺山     2016.01.05
ホームページ

- ちょっと遅れた恒例の焼山寺初詣 - 

例年、初詣は元旦に初登りを兼ねて焼山寺にお詣りして焼山寺山に登っている。

今年は、元旦に剣山に登ったので少し遅ればせながら焼山寺に初詣に出かける。

もちろん、奥の院(焼山寺山)にもお詣りする予定。

時間もたっぷりあるので、寄井から歩く事にする。




左右内(そうち)川沿いに県道43号線を上っていく。

此所でもムラサキサギゴケが咲いていた。

早いなあ。



左右内川は河床が青石なので水が青く綺麗だ。

おふなとさんがあるが今年は祀られていない。




神山町営バスの黒口東停留所の前にはしだれ桜が沢山植えられている。

春には見事な事だろう。

尚、神山町営バスは一日3便が運行されている。

しかし、朝一便は日曜、祝祭日は運休なので注意が必要。



善長寺の橋を渡った所に地神塔を発見。



なかなか立派な地神塔だ。

神社の境内ではなくて川沿いの清浄な地にある。

やはり、地神塔は元々このような地に建立されたのだと思う。



善長寺の前を通り赤い橋を渡って県道に戻る。



黒口神社にもお詣り



古い石仏が祀られていた。

石垣にはタチツボスミレが沢山咲いている。

やはり暖冬の所為かな?



鍋岩荘は冬期は休業のようだ。



サザンカだろうか。

ユズリハも目立つ。



柿が枝が垂れる程実っている。

ナンテンも正月らしくて良い。

最近町中ではナンテンをあまり見なくなった。



山越えで大日寺に向かう遍路道の分岐を過ぎると立派な農家が多い。



鍋岩に着く。

ここから焼山寺までは車道で5㎞。遍路道で2.8㎞位。



角のJAの前にも地神塔があった。

嘉永7年 虎 秋と刻まれている。

嘉永7年(1854年)には、安政南海地震(11月15日)などの南海トラフ巨大地震が連続してあり、寅の大変と呼ばれている。

この天変地異や前年の黒船来航を期に安政に改元された。

この地神塔が建立されてすぐに大地震があったと思われるがこの神山の地では被害はあったのだろうか。



無料休憩所には誰もいない。

やはりこの時期は歩き遍路は少ないようだ。



鍋岩橋横のおふなとさん。

此所にも毎年正月にはお餅などが祀られていたのだが?

左右内川の水は綺麗だ。



廃屋の庭には早くも梅が満開で甘い香りが漂っている。



車道から遍路道に入る。

見上げるような大岩。

青石だろうか?

暑くなってダウンジャケットを脱ぐ。

昨日までよりは気温が低いようだが、それでも春のような気温。



足下には大きな青石があり多くの遍路が歩いたためツルツルになっている。

その先には青石が敷き詰められた石畳の道が続く。



大きな曲がり角に15丁の丁石

素晴らしい石畳の遍路道が続く。



杉の林床に白い花が。

コショウノキの花だ。

中津峰山の一風新道で何度か見た事があるが、こんなに沢山咲いているのは初めて。



こんな所にマンリョウが。

どう見ても花はムラサキサギゴケなのだけれど葉が違うような気もする。



何年も前から植えられている黄金ヒバが随分と大きくなっている。

黄金ヒバはアスナロの一種だと思うが、植えっぱなしでどうするのだろうか。

たしか文化の森縦走路の途中にも植えられている。



桃源郷と呼ばれている場所に来た。

此所でも梅が咲き始めている。

金網で囲って植林している。

梅を植林しているのかな?



なんともうシキビの花が咲いている。

畑の中の急坂を登っていると、畑作業中の叔父さんにお声がけいただいた。

「汗をかいているようなので冷たいものでも飲んで行って」

私たちを歩き遍路と思ったようだ。

辞退したが、それでも勧めていただいたので、畑の中の小屋に立ち寄る。

何と畑の中の小さな小屋に冷蔵庫が置いてありポカリなどが一杯入っている。

蜜柑などもたくさんある。

どれでも好きなだけ飲んで行ってというのでポカリを戴いた。

よく冷えていて美味しい。

何とも言えない香気がするのでお聞きするとタラノキの皮を刻んでいるとの事。

「糖尿病によく効くのでね」

調べるとタラ根皮(タラコンピ)は糖尿病はもとより胃がんや胃腸病にも効くとか。

胃がんはちょっと信じられないが、糖尿病に効くのは確からしい。

この先に住んでいて、兄弟で左官と大工をやっていて焼山寺さんの修復もやっていたとか。

私たちの住んでいる団地でもよく仕事をされたようだ。

今は梅干しなどを道の駅に出荷されているそうだ。

お礼を言って先に進む。



叔父さんと別れて少し登ると杖杉庵



杖杉庵にお詣りする。



うめぼしは参拝者の方が結構買ってくれるそうだ。



ここのおふなとさんには古いお賽銭が残っているが最近は祀られていないようだ。



此所にも黄金ヒバが植えられている。



行き倒れのお遍路さんの無縁墓が沢山ある。

天保7年と刻まれている立派な墓もあるが、殆どは青石の自然石。



参拝路は車道のように広くなり近年造られた道となる。

お地蔵さんにお詣りして進むと車道に出る。



岩が青石とは異なってくる。



岩の下が祠になっている所があり数枚の板碑がおいてある。



焼山寺が見えてくると石垣にはスミレとタンポポ?



出発して約2時間で焼山寺着。



新旧のお大師さんが出迎えてくれる。



仁王さんも。



山門をくぐると巨杉がそびえる境内。



いつ見ても素晴らしい巨杉だ。



鐘を撞くと何時ものように韻のある素晴らしい音色だ。。



まずは本堂にお詣りする。



今日は虚空蔵菩薩を拝む事が出来る。

虚空蔵菩薩は丑年と寅年生まれの人の守り本尊だ。

つまり私たち夫婦の守り本尊なのだ。



宝篋印塔や天手観音像もある。



大川原高原の風車と梅の木峠が正面に見えている。

宿坊前の椅子に腰掛けて休憩。

コンビニで買ってきたあんまんを食べる。

最近何故か登山中にいろいろなものを食べたくなる。



気温は11.3度。

新品のシャベルローダーも今年は出番がないみたい。



奥の院に向かう。



奥の院への道には杉の巨木が多い。



すごい巨木だが樹皮が赤くテカテカしていて若い。

後、千年位は十分に元気だろう。



アカガシやイヌシデの古木も多い。



竜王窟への道は久しく通行止め。



何時もの祠にもお詣り。



例年は雪が多く大変な道だが今年は雪が無く簡単に奥の院に着く。



蔵王大権現が祀られているようだが扉はかんぬきがかかっていて中は見えない。

砥部テックさんの標識は来る度に位置が変わっているが健在。



正面に高城山は見えているが、剣山方向は深い雲の中。

もしかしたら雪が降っているかも。



右には矢筈山が見えている。

その内に雲が薄くなり剣山の姿が見えるようになる。

少し積雪で白いがそう沢山雪は降らなかったようだ。



祠の前で昼食。

冬はおにぎりが美味しくなくなるので助六弁当が多い。

お稲荷さんは寒い時でもカサカサにならずに美味しい。

食後下山開始。

雪があると怖い下りも今日は楽々。



雲早山や砥石権現も雪はない。

この間まで白かったサルノコシカケが黒くなっている。



宿主の木が朽ちてきたのでサルノコシカケも共倒れかな。



気温は8度もある。

ハンバーガーのようなキノコ



アカガシの巨木が大岩に絡むように根を伸ばしている。



大杉の肌は赤くて若々しくて綺麗だ。



クロモジや桜の冬芽が膨らんでいる。



焼山寺から下っていくと鳥居が見える。

何回も登っていて今まで気が付かなかった。

鐘楼の奥に紀州郡那智熊野神社の御分霊を祀る十二社神社があるそうだ。

奥の院も蔵王大権現を祀っているし、焼山寺は昔は神仏習合のお寺だったようだ。



駐車場回りで帰る。

帰りにまた朝の叔父さんにお会いしたのでお礼を言って帰る。



鍋岩まで帰ると旧左右内小学校が工事中。

この小学校は2014年には“あわ文化学校”が開催されていたが取り壊されるのだろうか。



寄井まで帰って、車で自宅に帰る途中佐那河内の健勝会の近くに近くに地神塔を見つけた。



此所でもやはり田畑の近くの川沿いに建っている。

古い石仏も隣にあった。



帰りに何時ものユキワリイチゲの群生地に寄るともうすでに沢山の花が咲いている。

春が来るのが早すぎて体長が変になりそうだ。

熱い風呂に入るとビールが美味しい。

何回も歩いている道でも歩く度にいろいろな発見があるのが楽しい。




ホームページにも是非お立ち寄りください