冬の里山 焼山寺山938m 2008/1/26
         

− 神山道の駅 〜 寄居中 〜 鍋岩 〜 焼山寺 〜 奥の院(焼山寺山) −



神山道の駅 3.2q 寄居中 4.3q 鍋岩 3.3q 焼山寺(参道) 1q 焼山寺山

焼山寺山 1q 焼山寺 5.7q(車道) 鍋岩 4.3q 寄居中 3.2q 神山道の駅

合計 約26q  山道(5.3q) 車道(20.7q)

剣山山頂からは勿論、小松島市内からもそのピタゴラスな山容を望むことが出来る焼山寺山。

その山頂はまるで天を突く様に見える。

またその中腹にある焼山寺への参道は四国八十八カ所中最も過酷だと言われている。

地元に住んでいながら藤井寺から焼山寺までのコースは登ったことがない。

藤井寺に車を停めてピストンするとアップダウンが多く累計標高差2300m以上となる。

こもれびのコモさんは昨年9時間で往復したそうだ。

私達にその真似は出来ない。

鍋岩へと降りれば少しは楽だが藤井寺に戻るのに大変手間が掛かる。

と言う訳で春になれば地元の登山ツアーなどもあるのでそれを待とうと思っていた。

しかし、神山から往復すれば簡単そうに思える。

鍋岩からの往復は少し物足りないし、車を駐車できる場所の様子も良く解らない。

神山の道の駅に車を停めて歩けば丁度程良い行程の様に思える。



ALPSLABテスト中 地図画像をクリップしてみてください
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朝7時過ぎに家を出て、佐那河内経由で神山に向かう。

佐那河内からは最近、新府能トンネルが抜けてとても便利になった。

自宅から15分ほどで道の駅に着く。

トイレを済ませ7時45分出発。



祖谷の山々に行く時いつも通る道を歩く。

車なら数分で着くが歩くと結構遠い。

神山中学校の遙か向こうに特徴のある焼山寺山が見える。

途中で大日寺に向かうお遍路さんに3人出会った。

「山は雪で滑るから気を付けて」と励まされる。

出会う中学生はみんな大きな声で挨拶してくれる。

徳島市内では余り経験しないことなので嬉しい。



セイヨウヒイラギの赤い実が目立つ。

沈丁花は未だ蕾。



約3.2q。40分歩いて8時25分寄居中に着く。



寄居喜多橋を渡り、緩やかな車道を登って行く。

「名西郡下分上山村小学・・」の石碑がある。

神山は昔、上山と書かれていたのかな?



サザンカの咲く左右内(そうち)川の清らかな流れを見ながらひたすら歩く。



遍路道に多い毘沙門天と弘法大師の石像は大事に祀られていた。

30分ほどで民家が初めて現れる。

製材所の様だ。

此処が町営バスの黒口東バス停



なんと一日3便しかない。

善長寺への分岐を更に真っ直ぐ進む。

ここから焼山寺までまだ6.7q。



毘沙門天を過ぎると阿野経由で大日寺へと続く山越えの遍路道との分岐に着く。

此処から20qと距離は近いが山越えの道らしい。



鍋岩荘に一寸寄ってみる。

噴水が枯れ枝について氷の花を咲かせている。



遍路道の標識。此処からでも阿野経由の参道に続く。

この辺は山肌に石積み下民家が多い。



山川、川島へと続く道を右に分けて左に曲がる。



JAの前に焼山寺バス停がある。

藤井寺から此処まで15.6qの案内板がある。

一応最終便を確かめると16時31分。



道の駅から約1.5時間かかって、9時13分着。

此処から焼山寺まで車道で約6q。

車できた時のことを考えて駐車場を探す。食堂の前に有料駐車場があった。

しかし料金も何処で支払うのかも全く不明。



立派なトイレの前には広大な広場。

しかし、柵とロープが張ってあり、車は停めさせないとの意思表示。

当然車は一台も停まっていない。無料駐車場にすればよいのになあ..



トイレをお借りして出発。

左右内川を渡ると傾斜が急になりしばらく行くと、参拝道が車道と別れる。

参道経由で焼山寺まで2.6q。車道より随分と近い。



フユイチゴの実はもう終わりだなあ..

古い石畳の参道はとても良い感じ。



十八丁の丁石がある。

素晴らしい杉の植林の中を登って行く。



雪が多くなると馬地の村落。

果樹園となっていて、春には桃源郷の様に花が咲き乱れるという。

雪の中に並んだ道祖神



凍ってツルツル滑る道を登ると車道にでる。



立派な杉とイチョウの古木が迎えてくれる。



杖杉庵に9時51分に着く。



四国遍路の祖と言われる衛門三郎が祀られている。



しばしコーヒーブレイク。

ここから参道が広い車道に分断されていて、何処から取り付くのか解らない。

庵の前の坂道の雪に踏み跡があるので登るが杉の林の中に続く。



どうも違う様だと車道を少し進む。

車道から左へと行くと雪が多くなる。

大して深くはないが、雪が融けた後凍結した様でカチンカチンになっている。

おまけに杉に積もった雪が落ちたのか団子の様になった道が続く。

余り滑るので仕方なく簡易アイゼンを付ける。



雪が深い所と地面が露出している所がありとても歩きにくい。

10時24分また車道に飛び出す。



立派なツララを見ながら進むとまた参道に入る。

アイゼンを付けたり外したり忙しい。



綺麗な竹林が見えるともう境内は近い。



焼山寺に来ると殆ど雪は無い。



仁王門も綺麗に除雪されている。



立派な杉の並木を行く。



焼山寺に10時45分着。

焼山寺バス停から1時間25分。



小角が開祖で虚空蔵菩薩が本尊の焼山寺にお詣り。



旭が丸が正面に見える縁側でしばしコーヒーブレイク。

トイレをお借りして誰も歩いていない雪の道を奥の院に向かう。



奥の院まで1qの標識。



やはり凍結して歩きにくい雪道を登る。

杉の大木が見事。



大蛇封じ込めの大岩に来る。

あれっ!岩の下にあった祠がない。

銅板拭きの屋根でかなり立派な祠だと思ったが..

祠がないと封じ込めた大蛇がでてくるかも..



奥の院まで650mの標識を過ぎた辺りからか成り行きが深くなる。



奥の院まで350mの看板で稜線に乗る。



祠を過ぎた辺りからヤセ尾根となる。



かなり雪が深くなるが硬く締まっているのと先行者の足跡がクッキリとありその上を辿る。



左に旭丸から雲早山そして高城山が一望に見渡せる。



最後の細尾根の登りは左右が切れ落ちていて雪の為に境が解らない。

先行者の足跡を頼りにおっかなびっくり進む。

11時51分、奥の院(焼山寺山)到着。

1qに50分も掛かってしまった。



山頂には先行者の男性が二人。

こんな日に誰も来ないと思ったのにと言われた。

お互い様だよね。



山頂からは一ノ森が輝いて見える。

剣山山頂も少し白い。

見残しトンネルの右に丸笹山そして塔の丸。

なんと丸笹山と塔の丸の向こうに白い三嶺が顔を出している。



拡大してみました。

写真では、はっきりと見えないのが残念。


剣山の左には砥石権現の向こうに高城山。



頂上は氷点下1度。

雪の上にシートを敷いてゆっくりと昼食。

まだ食事を楽しんでいるお二人にお先に失礼して下山開始。

12時23分。



ひたすら降りて焼山寺に12時59分着。



またのんびりとコーヒータイムの後、奥の神社にお詣り。

新しい太子堂は桧の香りが素晴らしい。



十二社神社もなかなか立派。



雪のお寺もなかなか良いものだ。



大蛇の火炎で全山焼けたので焼山寺と名付けたとか..



13時16分下山開始。

大木の幹をくり抜いて作った電話ボックス。

帰りはのんびりと車道経由で帰る。

凍った雪が嫌だったのだが、後で結構足にきた。

徳島県天然記念物の藤の群生を過ぎてドンドン下る。



14時23分焼山寺バス停に着く。

お爺さんやおばさんが「一本杉の辺りからは雪が多くて大変だったでしょう?」と話しかけてくる。

「いいや私達はこちらから往復したものですから..」

説明にに大変。

やはり藤井寺から登れば良かったかな?



またトイレを済まし寄居へ向けて降りていく。

また後ろから来たプラドが止まった。

なんと先ほど山頂でお会いしたお二人だった。

同乗のお誘いを丁重にお断りして先を急ぐ。

黒田東に近くなった所で、道端に座り込んで居た男性がふらふらと近づいてきた。

藤井寺から歩いてきたが思いがけない雪で体力を使い果たし動けなくなったという。

さくらやという旅館まで後何qかと聞くので後3qほどだろうと言うと、

もし道が解らなくなったらもう歩けなくなるので、連れて行って欲しいと言う。

必死に杖にすがって歩く彼と話しながらゆっくりと下って行く。

高知大学の学生で下宿の近くの国分寺まで歩くつもりだと言う。

夕べは藤井寺に3人泊まったが一人は直ぐにリタイヤ。

もう一人は健脚で阿野への山道を登っていって一人になってしまったらしい。



鮎喰川の橋を渡りさくらやの看板が見えた所でお別れ。

少しばかりの食料のご接待をさせて貰った。

満面の笑顔が可愛い。

元気で高知まで歩き通してね。



サンクスでまた休憩し温かいココアで疲れを癒す。

処が此処で休んだのがいけなかったのか、足の裏が痛くなってきた。

どうもマメが出来た様だ。

舗装路20qの歩きは厳しいなあ。

ぐっと我慢の男の子で歩きづけて、16時7分道の駅に着く。

倒れ込む様に車に乗り直ぐに自宅へ向かい風呂で疲れを癒す。

簡単な道を行ったつもりだったのに休憩込みで8時間半ほどの行程だった。

春になれば何とか藤井寺からの参道を歩いてみたい。