里山の秋 天狗塚 2007/10/13
         

− 初秋の天狗塚 天空遊歩を楽しむ −

やっと気持ちの良い秋風が感じられる様になった。

この季節には天狗塚をゆっくり歩こうと決めていた。

朝5時過ぎに家を出ていつもの様に神山経由でまずは見ノ越を目指す。

見ノ越の駐車場はまだガラガラ

ナナカマドの実が赤くなっていた。



冷たい水で顔を洗いトイレを済ませ、いやしの温泉郷を通過し、ふるさと林道阿佐名頃線を進む。

未舗装路は4月に通った時より荒れている。

普通車では腹をすりそうな所が何カ所か有る。

舗装路に入った所で林道を歩く男性を発見。

同乗をお誘いするとなんと「空と雲と四国の山」の紫雲さんだった。

しばらく山歩きを休まれていたが最近復活された様だ。

これから三嶺へ登りいやしの温泉郷へ下りられるそうだ。

もし天狗や牛の背のコースならご一緒させて戴こうと思ったが残念。

途中でお別れしてしばらく林道を行くと、また男性が歩いてくる。

讃岐富士さんかなと思ってスピードを緩めるがピンクのチェックのシャツでサングラスも掛けていない。

何か違うみたいとそのまま進む。

後でお聞きすると少し若返った讃岐富士さんでした。

車を停めてお話しすれば良かった。これまた残念。



8時5分西山林道登山口到着。

高知の車三台、香川の車1台が既に駐車。

香川の車の青年が丁度出発していった。

8時13分出発。



早速の急登で汗が噴き出す。

夕べは週末で少し酒を飲み過ぎた。

汗と一緒にアルコールが吹き出し家内に臭いと叱られる。

堪らず水分補給休憩。上着を脱ぐ。

ヤブコウジの様な赤い実が一杯。

しかし、背が高く葉も細い。何の実かな?

これはツルシキミの実だね。

ミヤマシキミの実はよく見たがツルシキミは初めて。



やがて左に林道が見えてくると樹間から矢筈山系を見ることが出来る。

矢筈山山頂はサガリハゲの後ろで見えない。

カエデやシロモジの美しい林となる。



8時56分1476mのピークに着く。

先ほどの香川の男性が休憩している。

四国百名山の本でピークを確認している。四国百名山を目指して登られているのかな?

ここで行動食タイム



ダケカンバの大木が少し色付いている。



一旦下って小さなヌタ場を通過。



また急登が始まる。

ダケカンバが美しい。



見晴らしの良い所で時々カメラ休憩



急坂を登っていくと上の方で賑やかな声。

先発されている高知ナンバーの車の方達だろう。



ご夫婦二組の方達を、ロープのある急坂の所でパスさせて戴く。

「急坂で生きていることを実感する。ありがたいことだ」と言っておられた。

やがて眺望が開けて振り返ると矢筈山系が美しい。

左には中津山や、国見山までクッキリと見える。

しばらく登ると先ほどの高知の方達が大歓声を上げている。

「素晴らしい眺望でありがたい」と大きな声が聞こえてくる。

とても明るくて面白い人達だ。



グングン先を急ぐと、目の前に天狗塚の山頂と右には牛の背が顔を出す。



左には西熊山



後ろの矢筈山系をまた眺める。

何しろ急坂で、時々カメラ休憩が必要。



深くえぐれた道は歩きにくい。

しかし素晴らしい眺望に疲れを忘れる。



紅葉を期待してきたが一寸早かったみたい。

タカネオトギリの紅葉が目立つ。



もう一度振り返れば落合の集落。



やっと天狗峠の看板が見えてきた。



9時54分天狗峠着。

登山口から、1時間41分掛かった。

遠くに三嶺と太郎、次郎が顔を出している。

峠には香川の青年とお揃いの黄色い上着を着た4人の若者達。



素晴らしい青空の下、天狗塚と牛の背が早く来いと呼んでいる。

真ん中奥は土佐矢筈山。

2004年10月16日に来た時より、コメツツジの紅葉が遅れている。



香川の青年と少し話をしてお先に天狗塚に向かう。

シコクフウロの紅葉が綺麗。



三嶺よりは数少ないがリンドウも咲いている。

気候が厳しいのか、背が低く地面にへばりつく様に咲いている。



火山礫の様な大岩の間から天狗塚。

まるで天狗の門石



先ほどの若者4人は足が速いあっと言う間に見えなくなった。

私達はゆっくりと登って行く。



10時15分天狗塚山頂1812m着。

登山口から丁度2時間と少し。

この砥部テックの山頂標識は、この前まではステーで固定していたのだが?

六年間風雪に耐えて残っているが、すっかり色があせている。



こんな所にツリガネニンジンが咲いている。

リンドウも精一杯花を開けていた。



天狗峠とその向こうに三嶺、剣山、次郎笈。

紫雲さんは三嶺の頂上からこちらを見ているのだろうか?



またまた、矢筈山系。



牛の背



綱附森



土佐矢筈山。その向こうに梶が森



山頂で食事にしようかと思ったが、まだ少し時間が早い。

若者達と少し話をして牛の背に向かう。



牛の背への下山道は、急な上に笹で足下が見えない。

所々掘れていて滑りやすい。おっかなびっくり下りていく。



天狗の池は苔が良い雰囲気



天狗の池に逆さ天狗が映るかと思いあちこち移動して見るが??

小高い丘まで登るがダメみたい。



牛の背は遠くから見ると平らな平原に見えるが結構登って行く。

振り返ると天狗塚山頂に登山者が増えている。



小高い岩で昼食にする。




食後のコーヒーでゆっくりしていると、高知の4人組方達らしい賑やかな声が風に乗って響いてくる。

山頂下で、天狗塚を見上げて、その急峻な様子に喜んでいる?みたい。



牛の背三角点を目指して登って行く。

コメツツジを避けて通るが硬い枝が足に辺り歩きにくい。



11時32分三角点到着。



ここから亀尻峠方面に下ろうかと悩むが、地図もはっきりしないし、躊躇する。

リンドウの紅葉?の間に寝っ転がる。

何しろ昨夜は踊る大走査線を見ていて寝不足だ。

しばらくすると香川の青年が到着。

「此処から林道に下りたいけど道を知っていますか?」と聞くので

「良くは知らない。林道歩きが1時間程必要の様だ」と答えると林道歩きは嫌だ。元来た道を下りると帰っていった。



しばらく下りる人が居ないか待ったけど誰も来ないので、牛の背を一周して帰ることにする。



花の少ない山だと思っていたが、笹の間のセンブリ発見。



今年初めてなので大喜び。シベがとても綺麗。



しばらく歩くとウメバチソウも発見。

この花も今年初めて。



ヤマラッキョウは至る所で笹の間から顔を出している。



天狗塚に向かって引き返していると、高知の4人組がやってきた。

お聞きすると牛の背から林道に下りると言う。

道はご存じですか?と聞くと調べてあるから大丈夫。GPSもあるから心配ない。との事。

(後ろから奥さんが「まだ十分に使いこなせないんですよ」)

一寸心配だったが今朝紫雲さんから聞いた通り、とにかく右に行く様にと言ってお別れした。

(後から掲示板に無事下山したと報告を戴きました。

余計な心配をして申し訳有りませんでした。)



天狗峠に戻り、行ったことのない地蔵の頭を見に行く。

一旦下り、お亀小屋への分岐をそのまま登って行く。



西熊山はガスの中。鞍部には何人か登山者が居る。

あっという間に地蔵の頭到着。

所がお地蔵さんが見あたらない。

ロープのある所まで下りていったが何処にもない。

???

仕方がないので引き返す。

ロープの手前の広場を左へ行かずに真っ直ぐに行った所にあると讃岐富士さんが教えてくれました。



地蔵の頭から見た天狗塚。

後ろの牛の背がガスに包まれ出した。



お亀小屋から西熊の辺りに讃岐富士さんが歩いていないか覗き込むが、ガスがドンドン湧いてきて

三嶺や西熊だけでなくお亀小屋の辺りも全く見えなくなった。

天狗峠に引き返ししばし休憩。



13時24分下山開始。

この直ぐ後、讃岐富士さんが通過された様だ(13時40分頃通過されたらしい)。

いつもニアミスばかり。



下山は荒れて浮いた石に気を付けながら慎重に下りる。



14時16分1476mのピーク。

此処でも一休憩。



更に滑りやすい道を下る。4月にはこんなに荒れていなかったと思うが??



15時7分登山口着。

高知の車が3台残っている。

途中、紫雲さんとすれ違う。

普通車なのにガタガタ道大丈夫だったのかな?

今度は是非一緒にお願いします。

見ノ越でヨモギ団子(餅)を買って休憩。

お味噌が団子にとても合って美味しい。

大型バスで駐車場は満員。

夕方になり急に冷えてきた。

後はひたすら家路につく。