里山の秋 土佐矢筈山 2007/10/20
         

− 天狗塚の展望とブナの自然林そして秋の風を感じて稜線散策を楽しむ −

長い残暑も終わり、爽やかな秋風の吹く季節となった。

先週登った天狗塚の牛の背から正面に見えていた土佐矢筈山の稜線歩きを楽しむことにする。

いつもの様に5時過ぎに家を出て、高速の池田インターを降りてひたすら祖谷を目指す。

大歩危のコンビニで弁当を調達し、かずら橋周辺の大変貌を横目で見ながら祖谷橋手前を右折。

谷道川に沿って民家の点在する道を登って行く。

樫尾の橋を渡り祖谷山林道の分岐まで来ると何と、祖谷山林道は舗装されていた。



分岐から舗装はされているがガタガタの悪路を進む。

国道とはとても思えないこの439号線は与作酷道(日本三大酷道)とも呼ばれている。

徳島市から四万十市まで四国を横断する342.4km(四国の国道では最長路線)の道程は

地図だけ見ると最短コースの様に思える。

実態は悪道路踏破趣味の者やカーナビに誘導されて迷い込んだ者しか走らないと言う。

8時15分京柱峠着。

峠の茶屋はもう開店準備をしていた。

先着車の愛媛ナンバーが一台。



冷たい湧き水を飲んで、しゃきっとしてから登山開始。

標高1120m。



林道を少し進むと登山口。

8時18分。



登山道は以前来た時より草深い。



鮮やかなピンクのゲンノショウコやアケボノソウがお出迎え。



立派なナツツバキの樹を過ぎると急坂が始まる。



大きな岩を越える辺りはかなりの急坂。

ツルリンドウが実を付けている。



原始林経由道との分岐はそのまま真っ直ぐに登る。

急坂に汗が噴き出す。



この道筋にも立派なブナの木が多い。



幻想的な林の中を行く。

紅葉はまだ先の様で緑が美しい。



ブナの葉は新緑の時の様に瑞々しい。



登山道にリンゴの剥いた様なのが沢山落ちている。

これは何だ?



上を見上げるとシロモジの実だった。

緑の実が弾けるとこんなふうになるんだ。

シロモジは新緑、花、黄葉と一杯楽しませてくれるが実まで楽しむことが出来るとは。



一部笹で道が消えている所があるが赤テープが導いてくれる。

原始林と合流地点には小さな祠があり、お賽銭が溢れる程貯まっている。

私達もお賽銭をして山歩きの安全をお願いする。



この辺はモミ千本と呼ばれてモミの木が多い。



ツルシキミの蕾??

トゲのある赤い実は?



緑の中に鮮やかなモミジの紅葉



モミの林を抜けると一気に見晴らしが良くなる。



遠くの山々は霞んでいる。

濡れた笹原を行く。

今日は前回の反省からスパッツを付けているが太股の辺りまでビッショリとなる。



峠に来るとなんと小檜曽山の看板が??この看板は下はきちんと小檜曽山の頂上に立っていた。

此処は単なる鞍部で小檜曽山でもニセ小檜曽山でもない。

誰がこんな所に看板を持ってきたのか?



2004年小檜曽山頂上

この時はきちんと小檜曽山にあったのに。



鞍部から土佐矢筈山に向かってしばらく登るとニセ小檜曽山(笹山)頂上。

此処の看板もなくなっていた。

なんと剣、祖谷の山嶺のMiyaさんと久しぶりの再会。

特上の笑顔で再開を喜んでいただいた。

しばし話し込むが、突然冷えてきた。

急いで上着を着るがそれでも寒い。



失礼して先を急ぐ。

曇り空の中に天狗塚が霞んで見える。



土佐矢筈山は此処からの笹原歩きが長い。

しかもいくつもの小さなアップダウンがある。



こんな所にツリガネニンジンの花が一輪

コメツツジもまだ紅葉していない。



笹原から樹林帯にはいると胸まである笹が手強い。

振り返るとニセ小檜曽山の頂上が広い台地の様に見えるる



樹林帯を抜けて一旦下る。

少しばかり紅葉が始まっている。



寂しく咲き残ったリンドウ。



アリラン峠からの道と交わると直ぐに矢筈山山頂。1606m

10時59分着。

山頂標識が新しくなっていた。

しばらくするとMiyaさんも到着。



段々天気も良くなってきた。

綱附森から天狗塚までの稜線を正面に見て昼食。

天狗塚の向こうに三嶺がちょこんと顔を出している。

中央奥には剣山と次郎笈。



それにしても何時来てもこの山頂は寒い。

ゆっくりしていると体の芯から冷えてくる。

名残惜しいが下山開始。

12時7分。



天気が良くなると紅葉も鮮やか。



振り返ると土佐矢筈山の左に天狗塚。



小檜曽山の看板のある峠から真っ直ぐに、小檜曽山を目指す。

訪れる人が少ないのか笹が深い。

男性が一人地図を眺めて立っていた。

小檜曽山に行こうと思っているが先ほどの看板で戸惑っているとか。

紛らわしい看板を立てるから..



小檜曽山1525mにやってくると新しいカラフルな看板に変わっていた。

男性もやってきてしばしコーヒータイム。



此処から見る土佐矢筈山は巨大な航空母艦の様。

天狗がちょこんと角を出している。



しばらく休憩して、下山開始。

帰りはブナの原生林コースを行く。




ブナの林は、葉を落とす前に精一杯太陽の光を吸い込んでいるみたいに輝いている。






15時17分京柱峠着。

天狗にお別れして家路を急ぐ。

高速で18時までの時間稼ぎに夕食。

18時30分過ぎに自宅着。