春の里山 竜峠 東尾(龍山)      2015/05/23
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 竜峠 東尾(龍山) 咲き誇るジンリョウユリ -

今日は西赤石から前赤石へ行ってアカモノやユキワリソウを見たいと思っていた。

しかし、天気が不安定な予報。

午後には雨がふるかもしれない。

それなら午前中に登ることが出来る東尾にカイナンサラサドウダンを見に行こう。

2年間程見ることが出来なかったジンリョウユリも今年から再公開されているそうだ。

楽しみだなあ。



8時13分 東尾登山口に駐車して出発。

山主でジンリョウユリの保護活動をされている吉田さんがやってきた。

吉田さんは中昭和町の私の実家のすぐ近くにお住まいで、私の父とも顔見知りだった。

もう81歳になられるらしいがお元気だ。

3年前に大事に育てていたジンリョウユリが鳥獣の食害で壊滅的な被害を受けたそうだ。

その時のショックは相当だったと思われるがその後、他の群生地を探して増やしてこられたらしい。

普段はワンコを放し飼いにして鳥獣からジンリョウユリを守っているらしい。

イノシシ等とも格闘して追い払うらしい。

その結果ジンリョウユリだけでなくエビネやクマガイソウなども随分と増えたそうだ。

お茶畑なども2年で復活したと喜んでいた。



ワンコと吉田さんにお別れしてウツギの咲き誇る畑のあぜ道から出発。



空き屋の間を通って行く。

いつ帰ってきても良いように綺麗に片付けられているが毎年傷んでいくのを見るのは寂しい。



フタリシズカが咲き始めている。

廃屋は益々傾いてきた。



杉の植林の中を淡々と登っていく。



沢を渡った滝のところで一息入れる。



杉の落ち葉の間からタニギキョウがたくさん顔を出している。



ナベワリが葉に隠れるようにして花をぶらさげている。

葉が有毒で,舐めると舌が割れるからというので「舐め割り」がなまってナベワリになったといわれる。



間伐材が多くなると傾斜がきつくなる。

所々ザレていて慎重に歩かなければならないところもある。



踊石への分岐を通過



ナベワリが多くなる。

4枚の花被片のうち1枚が極端に大きいのが特徴。

杉林の下のやや暗いところが大好きのようだ。



フデリンドウは蕾のようだ。

マムシグサもも咲いている。



広場に来ると去年は満開だったカマツカがまだ蕾



オオカメノキが満開。

この龍峠への登山道は、途中全く眺望がないが、此処からだけ山々を眺めることが出来る。



汗をカキカキ登って竜峠1088m到着。

9時46分



上勝側を見下ろすとすぐ下まで林道が伸びてきていた。

このユリのような葉はなんだろうか?


竜峠からは急登。

壊れた階段道を登っていく。

ロープ場は土が乾いているのでロープに頼らなくても登ることが出来る。



頂上付近にはブナが多い。

既に緑濃くなっている。



きれいなギンリョウソウが顔を出していた。

オンツツジは花の盛りは過ぎているがまだまだ綺麗だ。



頂上付近は日当たりが良いのかカマツカの花が咲き始めていた。



三角点1159.4m(点名東尾)。

この山を上那賀では東尾と呼び上勝では龍山と呼ぶらしい。



頂上のサラサドウダンは花が咲いていない。

踊石に向けて下っていく。



この山には鹿がいないのかスズタケが茂っている。



鞍部に降りてサラサドウダンの木を見上げるる

毎年鈴なりに咲いているのに今年は数えるほどしか咲いていない。

これから咲くのか、もう散ってしまったのか?

それとも今年は花が極端に少ないのか?

不思議だなあ。



少し登り返して踊石のサラサドウダンツツジの古木に来るが花はゼロ



踊石に登る。

「阿波志」に、「龍山亦また東尾巓てんに在り、石あり特立す、烏帽子えぼしと呼ぶ、村民雨乞いを為す所」と書かれている。

この踊り石は烏帽子と呼ばれていたらしい。

竜王神社の祠と雨乞いをした踊り石がある龍山は、竜峠や東尾と呼ばれていてちょっとややこしい。



踊り石からはとても見晴らしが良いが雲が多くなり今にも雨が降りそうになってきた。



踊石の横のサラサドウダンは例年鈴なりの花を咲かせるのだが今年は全く咲いていない。

どうしたのかなあ。



オンツツジは丁度花の盛り。



踊り石はよく見ると、旗立山や高城山でよく見る赤い岩が風化して出来たようだ。

さざれ石のように小石を含んでいる。

龍王神社にお参りしてから下山。



帰りにもサラサドウダンを探すがほんの少ししか咲いていない。



帰り道はかなり傷んでいる。

杉の枯れ葉が登山道に被さり道が解りにくい。



気をつけて歩いていたが途中で少し登り返すところをそのまま降りてしまう。

元きた道を少し登り返し分岐まで戻る。



オオカメノキの花が綺麗だ。

この蕾は何の蕾かなあ。



マルバウツギが純白の花を咲かせていた。

暗い植樹帯では特に綺麗に見える。



サワギクの花が咲いている。

ヤマゴボウはまだ蕾



登山口まで帰ってきた。

黒い蝶がヒラヒラと舞っているがコジャノメかな?



ワンちゃんが出迎えてくれる。

最初、警戒の唸り声を出していたたが声を掛けると、朝ご主人と話していたことを思い出したのか大人しくなった。



新しいジンジョウユリの公開場所は前の場所とは異なり竜峠登山口のすぐ東。

ノイバラが今年も綺麗だ。



ユキノシタも群生。

入り口を入るとすぐに濃いピンクのジンジョウユリが出迎えてくれた。

花の中心部ほどピンクの色が濃いのが特徴。



公開地の坂を降りて行くと、目の前にジンリョウユリを見ることが出来る。






何人か見に来られていたが、皆さん美しさに感嘆している。







坂の両側に咲いているのですごく身近にジンリョウユリを楽しむことが出来る。








それにしても沢山のジンリョウユリだ。

















エビネはほとんど花が終わっているが綺麗に咲いている花もあった。



クマガイソウはもう花が終わっていた。

ベニバナシャクヤクはまだ蕾だが明日にでも咲きそう。

吉田さんの苦労話をしばらくおお聞きする。

これほど多くの花が増えたのはワンコのおかげだと言っていたが、吉田さんの苦労も並大抵ではなかっただろう。

十分に花を楽しんでお礼を募金箱に入れてお別れをする。

まだしばらくは美しいジンリョウユリを楽しむことが出来るだろう。

来年もお元気で美しい花を咲かせてください。

楽しみにまた見に来ます。







総歩行距離5.7㎞

累計標高差 ±768m

歩行数 13,730歩

里山倶楽部四国編 

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