秋の里山 剣山 次郎笈  2021年09月19日  
里山倶楽部四国編 

- 剣山 次郎笈 ウメバチソウ ―


例年、この時期に剣山にウメバチソウを見に行っている。

ウメバチソウは10数年前に蒜山で初めて出会って感動した記憶がある。

その後、天狗塚でも見たことがあるが、滅多に出会えない花だ。

しかし、剣山では毎年必ず咲いて私達を喜ばせてくれる。

天気予報では朝は曇りだが、昼前から快晴になる予定。

時過ぎに起きて見ノ越を目指す。



川井峠に来ると、木屋平は深い雲海の下。

奥の剣山は厚い雲に覆われている。



見ノ越に着くと、朝早いと言うのに駐車場は満車状態。

殆どが県外車だ。

関東からの車もあるが、山口県などの中国地方の車が目立つ。

2階も満車で、第二駐車場に回ろうかと思ったら、早くも下山して帰る車があった。

滑り込みで駐車して出発。

多くのパーティが出発準備をしている。



剣神社に向かうとレイジンソウが綺麗に咲いていた。



真っ赤なイチゴの実と赤いゲンノショウコ



三嶺は完全に雲の中。

気温は15度もある。



ハガクレツリフネがたくさん咲いている。

7時31分 出発。



朝は爽やかなはずだが、空気がネットリとしている。

シコクブシはもう実になりかけている。



ツリバナはまだ青く弾けていない。

ミツバテンナンショウの実が赤く熟れている。



以前はトンネルの上部まで雪で埋まった事がある。

最近はそんな大雪はないが、今年はどうだろうか。



大きなザックを背負った若者たちがドンドン追い抜いていく。

久しぶりの剣山だが、何だか足が重い。



1600mの標識で一休み。

もう大勢が下山してくる。

ナナカマドの実が真っ赤。



所が足が重くて足が進まない。

まるで大雪のときのような感じだ。



こんな事は今までなかった。

コロナで運動不足になっている間に老化が進んだのだろうか。



ガスで霞んだ西島駅になんとか到着。

8時21分。

50分も掛かっている。

何時もなら休まずに進むのだが、ベンチに座り込んで休憩。

こんな事では次郎笈までも行くことが出来ないかも。



休んでいるうちに始発のリフトで登山客が上がってきた。

重い足を引きずるようにして登っていく。



ナナカマドも霞んでいる。

丸笹山と赤帽子山の展望スポットもガスで何も見えない。



トモエシオガマのピンクの花弁が鮮やかだ。

アキノキリンソウもきれいに咲いている。



刀掛けの松に着く。

脹脛や太ももだけでなく腰までも痛くなりベンチで休憩。

また大勢に追い越されて枝折り神社にお参りして出発。



咲き残ったシコクフウロと盛りを過ぎたシコクブシ。



高城山展望スポットも何も見えない。



やっと冬道分岐まで来た。



歯を食いしばってヒュッテまで到着。

9時7分。

西島駅から40分も掛かった。

これでは次郎笈は無理だな。



本宮神社にお参り。

ヒュッテの販売窓口は混雑している。



気温は10度。

また、ヒュッテ裏の新しく設置されたベンチで休憩。

朝、駐車場でお会いしたご夫婦がやってきた。

剣山には良く登るかと聞くので、今日で151回目だと言うと驚いていた。

でも今回のように疲れたのは初めてだ。

これでは雪の時などは登れそうもない。

一寸ダイエットと体力増強に務めなければと思う。

最近、珈琲と一緒に甘いお菓子を食べながら大谷くんのテレビ放送を見て寝転がっていたからなあ。



次郎笈へと行くのですかと聞かれて、この天気ではねえと言いながら出発。

トイレ前では新しい木道が設置されていた。



トイレ横から新しい木道を進む。

剣山頂上着。

工事の資材が散らかっていた。

反対側の木道は工事中で通行止めだった。



山頂は、写真には写っていないが、驚くほど多くの登山者が屯していた。



次郎笈はガスで全く見えない。

大勢の登山者が次郎笈に向かって下っていく。

今日の調子では次郎笈は無理だと思ったが、家内は躊躇なく下っていく。

仕方がないので後を追う。

9時33分



大勢のパーティが今夜は白髪泊まりだと追い越して行った。

リンドウは曇っているので花が開いていない。



西島分岐でジャケットを脱ぐ。

風が無くて蒸し暑い。



相変わらず足が重い。

トラバース分岐で座り込んで休憩。

若いご夫婦や友達連れの若者たちがドンドン追い抜いていく。

休んでばかりいても仕方がない。

ムチを入れるようにして出発。



霧氷がきれいな岩も越えて、途中で休みながら、凍結すれば怖い岩場も通過。

次々と下山者がやって来る。



外人さん達のパーティが休む前ピークに到着。

相変わらずガスで何も見えない。

頂上に向かうとリンドウがやっと花を開いていた。

白髪へのパーティがもう引き返して丸石に向かった。



10時42分 次郎笈到着。

剣山頂上から1時間10分。

何時もより20分ほど遅い。

休んでばかりいたからなあ。

次郎笈頂上も密になっていた。

真っ白で何も見えないので、皆ガスが切れるのを待って座り込んでいる。



何時もならそのまま丸石に向かうのだが、今日は三角点横に座り込んで休憩。

腰が痛むのでロキソニンを服用。



ドンドン登山者が増えてくる。

ウメバチソウを期待して丸石方向へむかう。



何時もなら素晴らしい三嶺への縦走路が見えるのだが。

散歩のような感じの若者たちが追い抜いていく。

何処まで行くのだろうか。



トゲアザミの蕾が可愛い。

何だかガスが引いてきた。



裏次郎の谷が見えてくる。

前の若者たちが綺麗だ綺麗だと歓声を上げている。

ツツジの紅葉が始まっていた。



裏次郎の紅葉は10月の初めだ。

もう10日もすれば一斉に色付き始めることだろ。

鏡石のところでご夫婦が休憩中。

鏡石のことをお教えすると、ソロモンの秘宝が次郎笈にあると言う。

剣山にあると言うのは、カモフラージュだとか。



滑りやすい急坂を降りて水場分岐へ。



丸石への稜線を下って行く。

谷間が晴れてきて石立山が綺麗だ。



ミヤマクマザサの間にリンドウが濃い紫の花を開き始めた。



猟銃を構えた男性が立っている。

今日も鹿狩りをやっているのだろう。



目の前に丸石への稜線がクッキリと見え始めた。



振り返ると次郎笈も姿を表した。



立ち枯れの多いミヤマクマザサの間を下って行く。

この急坂をまた登り返すのかと思うと気が重い。



丸石までの縦走路が綺麗だ。



秋空が広がり、石立山がクッキリと見える。



日が差してきたのでリンドウが綺麗に花を開き始めた。



振り返ると次郎笈もクックきりと見えいる。

登山客も大喜びしていることだろう。

年配の男性が息を切らして登ってきてホームページ見ていますよとお声がけ頂いた。

剣山から次郎笈経由で丸石まで行っての帰りらしい。

早いなあ。

ウメバチソウが沢山咲いていますよと言って登って行った。



鏡石の所でお会いしたご夫婦がもう追いついてきた。

勝浦の横瀬橋を渡ったところのヤギ小屋がある所にお住まいだそうだ。

横瀬橋はよく渡るが、ヤギ小屋には気が付かなかった。

暫く降りると咲いていました。

ウメバチソウ。

ちょうど見頃だ。



中央の雄しべの周りに王冠のような蕊が五個あるがこれは仮雄しべ。

真ん中に固まっている雄しべが一日に一個ずつ立ち上がって花粉を出す。

この個体はまだ雄しべが立ち上がっていないので咲いたばかりなのだろう。



雄しべがダンダンと開いていっているのがよく分かる。

家内が花を見ていると大勢の登山者が名前を聞いている。

ウメバチソウだとお教えすると皆さん可愛いと撮影大会。



振り返ると次郎笈が秋空に映えて綺麗。



目の前に三嶺への縦走路が見える。

例年なら丸石まで行っていたのだが、今日の体調では一寸無理かも。

岩に腰を掛けてのんびりと景色を楽しむ。



丸石分岐の下で猟銃を構えていたお爺さんが上がってきた。

今日は登山者が多くて鹿がいない。

先程やっと近くに来たと思ったら登山者が見えたので撃てなかった。と言う。

許可はあるのだろうけれど登山道の近くで銃を撃つのは怖いなあ。



丸石に行くのは諦めてもと来た道を帰る。

リンドウが益々綺麗に花を開いている。



急坂を必死の思いで登っているとまたガスってきた。

シコクアザミかな?



猟師のオジサン達が集団で帰ってくる。

先程のお爺さんから丸石には行かなかったのかと聞かれる。

残念だけど今日は疲れてと話す。

リンドウの花は元気だ。

剣山のリンドウは特に紺色が濃くて素敵だ。



段々登りがキツくなる。

丸石から登ってくる人や下ってくる人たちがドンドンやってくる。

皆さん元気で羨ましい。



塔の丸と石立山



やっと分岐手前のピークまで来て昼食。

また次郎笈がガスに隠れてきた。



昼食後トラバース道を次郎笈分岐まで進む。



一旦降りて西島分岐までのちょっとした登りが辛い。



剣山からは、蟻の行列のように登山者がやってくる。

また一気に晴れて剣山が顔を出した。



西島分岐で次郎笈を振り返る。



西島へのトラバースのダケカンバや楓はまだ紅葉が始まっていない。



トリカブトがまだ元気に咲いている。

1グラムの葉で致死量に成るというトリカブトが、こんなに多く咲いていることがなにか不思議だ。



シコクフウロもまだ咲いている。



ナナカマドの実が綺麗だ。



ナナカマドの葉が色付き始めている。

これから一斉に色付いてあっという間に散ってしまうのかも。

涸沢の紅葉が美しくなる頃だなあ。



疲れ果てて西島駅に帰ってきた。

座り込んで休憩。

池田高校の登山部の生徒たちが先生の号令で下っていった。



ガスの巻く中をリンドウの花を楽しみながら下山。



ドンドン追い越していく人達やこれから登ってくる人達が多い。

ツリバナの実も弾け始めている。



ソヨゴの赤い実やハガクレツリフネの花が見えてくると神社は近い。



やっと剣神社まで降りてきた。

15時44分。

体調不良であったが、なんとかウメバチソウを見ることが出来た。

少しは体調管理をしなければなあ。



4時近いと言うのに、第二駐車場の屋上まで車がビッシリ。

第一駐車場も満車のまま。

剣山は登りやすいので人気があるのだなあ。

それにしても剣山でこんなに苦労するとは一寸ショックだった。





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