夏の里山 三嶺  2021年06月09日  
里山倶楽部四国編 

- 三嶺 ―

徳島で一番美しい大と登山者に人気が有る三嶺。

その頂上から眺める眺望は天下一品だ。

剣山などと比べると登山者は少なく、静かな登山を楽しむことが出来る。

私達も毎年のように登っていた。

しかし、病気を患うなどで5年前に登って以来遠ざかっている。

何時もは、三嶺から西熊山までピストンして、ゴールデンルートの空中散歩を楽しんだ。

しかし、体力が落ちてきてチョット自信がない。

今日は三嶺山頂までの登頂とする。

6時に出発して名頃を目指す。



名頃に着くと5台ほどが停車中。

一台は名古屋ナンバーで車中泊のようだ。

他の車は、剣山からの縦走用にデポしているのだろうか。



駐車場の電波状況。

AUは非常に強力。

DOCOMOも通信には支障はない。

トイレで登山準備をして出発。

7時48分。

所が出発して登山口に行くと立入禁止の看板が。

電力鉄塔の建て替え工事があるらしい。



先に進むとエゴノキに花が満開。



クリンソウが今年も咲いていた。

咲いている場所は少し移動したようだが、今年も咲いていてくれて嬉しい。



少し先には、クマシデにミノムシのような実がぶら下がっている。

所が登山口がなくて少しし心配。

標識をよく確認していなかった。

振り返ると前泊者が反対方向に向かっている。

急いで引き返して確認。

やはり間違いではなかった。

175m先に登山口が有るらしい。



ありました。

看板から登山開始。



綺麗に整備された登山道を行くが、地味に急坂。

早くも脹脛が張ってくる。

暫く登ると鉄塔が見えてくる。

この鉄塔の交換工事をするようだ。



以前の登山道に合流して、昔のケーブルテレビ電柱に沿って登って行く。



すぐ横に林道が出来ていた。

伐採木運搬用の林道だろうか。

今日は、足が重い。

痛めたアキレス腱が悲鳴を上げている。

家内からドンドン遅れる。



ブナやカエデなどの緑のシャワーが気持ちが良い。

励まされながら黙々と登る。



やっと林道に出た。

8時28分。

40分かかっている。

前回は35分だったのでやはり遅くなっている。



相変わらず傷んでいる階段道を上がる。

鹿罠のゲージが無くなっていた。



暫くは緩やかな道を行く。

汗をかいた体に冷たい風が気持ちいい。



ナツツバキの大木の鹿害が痛々しい。



足元には何かの実生。

ハルゼミの鳴き声が騒がしい。

今頃なくセミはコエゾゼミだろう。



稜線は広く登山道が明瞭ではない。

緑のロープが付いた杭がずっと打たれている。

道標の代わりだろうか。



チョット傾斜が急になると鹿よけネットが現れる。

マイヅルソウは芽生えたばかり。



ギンリョウソウが咲き始めている。

今年は夏の花の咲くのが遅れているようだ。



トレランの男性が走り去っていった。

ダケモミの丘手前のピークに着く。



ダケモミの丘に着く。

9時42分。

渓流ルートの道は通行止めとなっている。

ここまでで、2時間近くかかっている。

これでは三嶺頂上池まで3時間以上かかってしまう。

前回よりかなり遅い。

歳を感じるなあ。



以前遭難騒ぎのあった旧ルートへの分岐点に着く。

三嶺山頂から降りてきた勢いでそのまま真っすぐ行くと三角点が有る。

しかし、その先のダケモミの丘へと降りる旧道は消えており、沢に下ってしまう。

以前、何回も役場に連絡してやっと立派な道標が出来た。

日陰で腰を掛けて休憩する。

凍らせたお茶が美味しい。



分岐での電波状況。

AU,DOCOMO共に電波状況は厳しい。

AUはBAND11,DOCOMOは珍しいBAND12でわずかに繋がる。

このへんで遭難等すると電話連絡では苦労するだろう。



1600mの道標をすぎる。



登山道には古い木の階段が設置されているが壊れている。

急坂の登山道に階段を設置すると、流れる水で階段下がエグれてしまう。

階段を設置する時は排水溝などを設置しなければならない。

その悪い見本がこの三嶺の登山道だ。

天狗塚にも有るカニコウモリの群生地。



タヌキノカンザシのマユミの古木に着く。

可愛い蕾が沢山出来ていた。

秋にはピンクの簪が沢山実ることだろう。



奥にある更に古いマユミの木にも蕾が出来ていた。



やっと赤岩に着く。

この岩は昔朝日に照らされて赤く輝いたらしい。

岩の下の祠は壊れてしまっていた。

急登を前に一休み。



歩きにくい壊れた階段道を登ると崩壊地に出る。

一気に眺望が広がる。

ここからの眺望は素晴らしい。

左には剣山へと続く稜線の上に石立山の双耳峰のテッペンが覗いている。



振り返ると剣山、次郎笈も。

崩壊地を回り込んで息を整える。



ダケモミの丘手前で追い抜いていった男性がもう帰ってきた。

早いなあ。

腐りかけた梯子がまだ残っていた。



8年ほど前に大規模崩落した所は歩きやすくなっていた。

その後設置された階段はもう壊れかけている。

大岩が近くなると階段道が続くが、一段が高くなっている気がする。

これは私の体力が低下しているせいだろう。



階段道を必死で登り切ると、目の前に巨岩群が現れた。

写真を撮っていると、朝、名頃で反対方向へ出発していた車中泊の男性がやって来た。



剣山、次郎笈や白髪山などのパノラマが素晴らしい。



白く輝くチャートの巨岩を撮影している。



両側が通れるようになって、邪魔者でしか無くなった鹿よけのテキサスゲート。

間隔が広いので足を踏み外さないように注意が必要。

先程の男性から撮影を頼まれる。

雄大な景色と巨岩に感動したと言っていた。



やっとのことで三嶺頂上池到着。

11時15分。

なんと3時間27分もかかった。

以前なら2時間30分が平均タイムだったのに。

まあ、72歳にもなって登ってこれただけで感謝しなければとも思う。



頂上に向かう。



少し登って定番の写真。

剣山、次郎笈が少し霞んでいるのが残念。



いよいよ三角錐の三嶺山頂へ。

いつも頭を打ちそうになる岩をすぎると頂上はすぐそこ。



頂上では先程の男性がドローンを飛ばしていた。

頂上到着 11時35分。



剣山方向を振り返る。



天狗塚へのゴールデンルート。

三嶺に登ると必ずと言っていいほど西熊山までピストンして、天空散歩を楽しんだものだが。



山頂標識で記念撮影。



何時もは登山者で混む山頂も今日は先程の男性だけ。

ヒグラシが飛んできて標識に留まった。

何のセミですかと話しかけられる。

愛知県から車でやってきたらしい。

昨日は剣山に登って、明日からは88箇所を周る予定だとか。



最近買ったスマホのGPS精度は高い。

今までより多くの衛星を掴んでいる。

1894mの三嶺も2mの誤差。

    

三嶺頂上の電波状況。

AUはなんとかネットに繋がる。

DOCOMOは厳しい。

場所を移動すると少し良くなった。

緊急時には場所を選ぶと、ネットにも繋がるだろう。



突然、楽天の回線に強力な電波が入った。

周りを見ると先程の男性がドローンを飛ばしている。

国内用のドローンは2.4GHZ帯を使用しているので、スマホに混信するようだ。

これだけ強力な混信だと、スマホの通信に影響するだろう。

逆にスマホで通信するとドローンの飛行に影響するかも?

一方、DOCOMOは混信を受けていない。

男性がドローンを楽しんでいる側で、岩に腰を掛け100万ドルの眺望を楽しみながら昼食。



光石方向から単独の男性が登ってきて、写真撮影をしてすぐに下っていった。

随分とユックリして私達も下山開始。



山頂付近にはコメツツジ以外の樹木は少ないが、ナナカマドの緑の葉が綺麗だ。



頂上池からの下りは、木の階段が壊れていて非常に降りにくい。

足を引っ掛けて転倒でもしたら一大事となる。

慎重に下る。



剣山、次郎笈の眺め。

名残惜しい。



ザレ場に来ると、大きなザックを背負った若い女性が登ってきた。

若いだけあってグイグイと登って行く。

ザレ場を過ぎると水場分岐。

避難小屋に泊まって此処まで水湧く見に来るのは大変だろうなあ。



狸の簪を過ぎた頃トレランの男性が駆け下りてきた。

もう剣山から縦走してきた人達が降りてくる時刻だ。



ダケモミの丘手前で男女ペアが駆け下りてきた。

お聞きすると見ノ越を4時半に出発したとの事。

今が15時20分程だから、11時間足らずで見ノ越からやって来たことになる。

剣山ヒュッテに泊まってから縦走する人は多いが、見ノ越からは珍しい。

私達が縦走した頃は、縦走途中で白髪避難小屋などで一泊するのが普通だった。

随分とスピードアップしたものだと感心する。

もう足がパンパンと言いながら軽快に走り下りていった。



気温は21.8度。

ダケモミの丘に着く頃には暑くなってきた。

ヒグラシの大合唱が始まる。



林道に降りてきたら14時50分。

日陰でまた休憩。

沢山持ってきた凍らせたお茶も3本飲み干した。

大きなリュックを背負った女性がやって来た。

避難小屋に宿泊して剣山まで縦走するそうだ。

若い女性一人で小屋泊とは凄いなあ。

一休みしてから最後の下りだと思ったら、家内が膝が痛いので急な下りは嫌だと言う。

それならと林道を帰ることにする。



これが大失敗だった。

30分もかからずに下山できるはずが、随分と遠回り。

日陰もないので鉄板焼状態になる。

携帯の電波状況の看板が何箇所かにある。

ソフトバンク以外はバリ3のマークとなっている。



しかし、電波状況を見ると辛うじて繋がる状態だ。



旧の登山口に着くと、かつて土砂崩れした谷を大規模改修しているが、それもまた崩れている。

三嶺の北側は御荷鉾帯の地すべり地帯となっているので地質がもろい。



ナガバノキイチゴに実が熟れてた。

2つほど戴くが美味しい。

最初、甘みが広がってその後、後味を締めるようにチョットした酸味がやってくる。

さすが野いちごの王様といわれるだけ有る。



山肌からは何箇所も、滲み出た水が滝となって落ちている。



ウワバミソウが咲いていた。

そいている花を見るのは珍しい。

ヤマアジサイが咲き始めていた。



下の登山口は完全に消えていた。

標識なども全て無くなっていた。

昔は此処まで車で入れたのだが。



沢には轟々と水が流れている。



甘い匂いがすると思ったらカツラの大木があった。

丸い葉が可愛い。



フタリシズカとミゾホウズキ。



ヒラヒラと舞うミスジチョウとよく見かける蛾?



初々しいヤブウツギと咲き誇るウツギの花。



AUの新しいアンテナが建っていた。

最近AUは山間部に多くのアンテナを建設している。

人里近くの山間部ではAUのほうが繋がりやすいかもしれない。

16時8分駐車場着。

今日は久しぶりの三嶺登山。

たった5年ほどで足の衰えを随分と感じだ山歩きだった。

過去の自分の幻影に惑わされることなしに、安全な登山を心がけたい。





総歩行距離 11.8km

累計標高差 ±1,152m

総行動時間 8時間29分



里山倶楽部四国

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