夏の里山 針ノ木大雪渓    2014/07/22~24
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2014.07.22

-  扇沢 針ノ木大雪渓  針ノ木小屋 -

朝5時に起きて出発。

大町温泉街を抜けて扇沢を目指す。



爺ヶ岳登山口を過ぎて扇沢橋を渡ったところの駐車場に駐車。

今日はまだ5~6台の駐車スペースが空いている。

5時49分扇沢駅に向けて出発。

途中新しい駐車場が建設中だった。



扇沢駅の無料駐車場は80%位の駐車状況

扇沢駅でトイレをお借りする。



扇沢植物園ではシモツケが咲き始めている。

サンカヨウはもう実になっている。



関西電力通路のゲートの左のテントで登山届けを提出。

今年はまだ熊の目撃情報はないようだ。

係員の男性から、登山情報のホームページが出来て登山届けの電子申請が出来るようになったと教えて戴く。


↑クリック

針木岳登山口 6時25分出発。

標高 1,422m

針ノ木峠 2,533mまで標高差約1,100m

何時も登るお高越山の標高差とほぼ同じ。

お高越山なら約2時間半で登ることが出来るのだが..



車道を何回かクロスして上っていく。



こんな所にベニバナイチヤクソウが群生している。



6時50分 いよいよ登山道に入る。

オニシモツケが群生している。



サワオトギリが咲いている。

枯れ沢を何度か渡る。

鯉のぼりの道標を頼りに進んでいく。



行く手を見上げると青空に残雪の山々が美しい。

左の稜線に雪の残る山は蓮華岳だと思う。

針木岳は中央の奥の山かな?

ブナ林を進む。

この辺のブナ林は林床にチシマザサが生えていて日本海側の特徴を持っているそうだ。



小さな蝶が飛んできて目の前に留まったが名前はわからない。

雪解け水の流れる小さな沢を渡る。

鳴沢かな?



白樺の林となる。

白い幹と緑のコントラストがとても綺麗だ。

大きなエンレイソウ




左には蓮華岳

右に見えるのは明日歩く鳴沢岳あたりの稜線だろうか?



少し行くと右に見えてきたのは赤沢岳あたりの稜線のようだ。

赤沢に架かる丸太橋を渡る。




オオバミゾホウズキやキヌガサソウが咲いている

撮影していると男性が一人追い越していった。




7時38分 大沢小屋着


登山口から1時間13分かかった。


標高 1,671m

登山口から標高差約250mにしては随分と時間が掛かった。




休憩無料と書かれた小屋の中では先ほどの男性が休憩されていた。



大町の對山館の当主であり北アルプス登山に貢献した百瀬慎太郎(1892‐1949)の碑がある。

毎年6月には慎太郎祭が行われる。


百瀬慎太郎は山案内人組合を創設するとともに、この大沢小屋や針ノ木小屋を設立した。


「北アルプス開拓の先駆者 百瀬慎太郎」 石原 きくよ 講演会




「山を想えば人恋し 人を想えば山恋し」
の言葉は余りにも有名



小屋にはアイゼンのレンタル500円がある。

此所から針ノ木峠までは4㎞。




一休みして朝食。

7時51分出発。


鬱蒼とした灌木帯を進む。

スダヤクシュが咲いている。



突然目の前が開けて雪渓の残る山が見えるがこの雪渓は針ノ木大雪渓ではないようだ。

多分蓮華岳の大沢だろう。

白い花は何イチゴだろうか?



ネットでよく見る壊れかけた梯子を登る。

オオバギボウシが群生している



シロバナナナニガナやハナニガナも群生している。



シラネアオイが群生している。

咲き始めたばかりで初々しい。

このように見事なシラネアオイを見るのは初めてだ。

ミヤマキスミレも沢山咲き始めている。

もう少しするとこのあたりは一面の花園になることだろう。




エゾシオガマの花も目立つ

アップダウンを繰り返し進んでいくと眼下に雪渓が見える

これが針ノ木大雪渓か?




雪渓に向かって降りていくと右側に更に大きな雪渓が見えてきた。

分岐点では雪渓が融けて大きな穴が開いている


この左の雪渓は赤石沢だろうか。

この分岐では昭和2年に早大生が雪崩に遭い4名が遭難死するという痛ましい事故が起こっている。




右に曲がったところから針ノ木大雪渓を眺める。

ミヤマウツボクサの濃い紫の花が目に鮮やかだ。




咲き始めたオオバギボウシの花を楽しみながら登っていくと単独行の女性が追い抜いていった。



オオコメツツジも綺麗に咲いている。



ニッコウキスゲが数輪咲き始めている。

黄色い菊のような花は?



河原に向けて降りていく。

スバリ岳と赤沢岳のコルから降りてきている雪渓から流れ落ちる雪解け水で喉を潤し顔を洗う。

気が遠くなるほど冷たくて気持ちが良い。

ペットボトルに水を補充する。



クロトウヒレンの蕾も多い。

一旦また河原から離れて花畑を進む。



ミヤマキンバイやカラマツソウも咲き始めている。



いよいよ雪渓に降りて6本爪アイゼンを付ける。

女性が一人降りてきてアイゼンを外して名残惜しそうに雪の感触を楽しんでから帰って行った。

目の前の大雪渓には先行者が豆粒のように見える。

8時35分出発



雪渓のクレバスにゴウゴウと雪解け水が流れている。

クレバスに落ち込むと水に流され雪渓の下に潜り込み助からないだろう゛ろう。



右にも雪渓が伸びている。

ベンガラなどは無いので天気が悪くガスが巻いたりすると間違った雪渓に入り込んでしまうこともあるそうだ。

晴れていても先行者がいないとちょっと戸惑うかも?

小さな鯉のぼりの目印を目で追いながら登って行く。

小さいので天気が悪いと遠くからは見えないかもしれない。



濃紺の空に向かって登って行く。



振り返ると爺ヶ岳の端正な姿が見える。

後続者が一人登って来ている。

だんだん傾斜がきつくなる。

最初はスプーンカットがあり登りやすかったが、その内スプーンカットが無くなり足跡も残っていない。

アイゼンを蹴り込みながらでないと登れないところもある。



白馬大雪渓のように大きな落石は無い。

雪渓の上なのに日が照り返して暑い。

脹ら脛が張ってきてたまらず後ろ向きに成り休憩。

とりあえず急坂クリア

この辺がノドと呼ばれる場所だろうか。



前にご夫婦が登っている。

何度も休憩して登っているかなり苦しそうだ。

右に小さな雪渓を見て左に登って行く。



振り返るとガスが上がってきている。

左の石に赤ペンキでレンゲ沢と描かれている。

此所から左へと行くと蓮華大沢のようだ。



レンゲ沢の分岐の所の雪渓に穴が流れていて水が流れているのが見える。

暑くて疲れてあの冷たい水を頭から被りたいと思い家内に言うが家内は無視して進む。

右にも針木岳に向けて大きな雪渓が見える。

マヤクボ沢だろうか?



右上にはギザギザの稜線が見える。

明日はあの稜線を越えていく予定。

とうとう前のご夫婦が止まってしまったのでお先にと進む。

振り返ると、もう爺ヶ岳が半分くらいしか見えず岩小屋沢岳が見えるようになる。



目前に岩が多くなり雪渓が狭くなる。

一踏ん張りして左(右岸)の岩場まで頑張る。

岩場の横には雪が溶けて水が勢いよく流れている。

頭から水を何度も被り冷たい水をゴクゴクと飲む。

家内は山の水を滅多に飲まない。

腹を壊すのが嫌のようだ。



岩場からは夏道が稜線に向けて続いている。

大勢が夏道を降りてくる。

簡易アイゼンを付けて雪渓をおり始めるが、雪が緩んできてアイゼンの歯が効かず何人もが転倒する。

簡易アイゼンで下るのは大変のようだ。

私達は夏道を行かずに雪渓を鯉のぼりに向けて登って行くと右にも夏道が見えてくる。

夏道にはジグザクの登山道が付いている。



右の夏道を上がると思っていたら家内はせっかくだから雪渓を最後まで登ると言う。

緩んだ雪の急坂を登るのはきつい。

思わず休んで振り返ると、右の夏道から左へと雪渓をトラバースする人がアイゼンを付けている。



ジグザグの夏道でもキツイと言うのに雪渓の直登は足が攣りそうだ。

雪渓を登り切ると目の前に針ノ木小屋が建っていた。



針ノ木峠 2,533m 11時丁度着。

大沢小屋から3時間10分。

登山口からは4時間35分。

標高差1,100mの割には随分と時間が掛かった。




左に蓮華岳

右に針ノ木岳



登って来た雪渓を眺めると凄い急坂。

こんな所を登って来たんだ。



稜線の向こうには三角錐の七倉岳とその右に船窪岳

更にその向こうには烏帽子岳と野口五郎岳

中央にあるはずの槍ヶ岳はガスの中。

かろうじて前穂高岳が見えている。

左には燕岳や大天井岳が見えるはずだがやはりガスの中。



とりあえず針ノ木小屋にチェックイン。

今日は布団一つに一人で寝ることが出来るようだ。

踏ん張って歩いたので疲れてしまった。

リュックを下ろしてちょっと横になると一瞬で爆睡。


蓮華岳

針ノ木岳~新越山荘


里山倶楽部四国編 

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