夏の里山 針ノ木岳2821m 後立山縦走    2014/07/23
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夕べは膝に湿布薬を貼って消炎剤入りの痛み止めを飲んで寝た。

朝3時頃に同室の蓮華の大下りから烏帽子岳に向かう女性二人が出発した。

4時半に起きるとすでに同室の方達は全員出発していた。

食事前に日の出を期待して外に出るが東の空は曇っていて朝日は見えなかった。



クリックすると大きな写真が見えます。

5時過ぎになると空が明るくなり青空が少し出てきた。

槍を中心とした北アルプス南部の山々がくっきりと見えるようになった。

今日も素晴らしい眺望が期待できる。



朝食を済ませて5時50分出発

小屋の右から針ノ木岳を目指す。

山頂は直ぐそこにあるように見える。

昨日の熊目撃の情報もあるので大きな熊鈴を付ける。



歩き始めたら直ぐに小屋のスタッフが何か撮影している。

覗き込むとクロユリが咲いていた。

小屋のスタッフのブログに早速アップされていました。

ベニバナイチゴも綺麗に咲いている。



テント場の横を登って行く。

皆さん目覚めたばかりのようでテントの中からおはようございますと挨拶を戴く。。



チシマギキョウの青い色が鮮やかだ。

夏の北アルプスではブルーの色の花は少ないのでよく目立つ。


振り返ると槍ヶ岳などが綺麗に見えている。



赤茶けた岩混じりの道がいつの間にか灰色の溶結凝灰岩の道に変わっていく。

シナノキンバイが大きな濃い黄色の花を咲かせている。



コイワカガミやハクサンイチゲも元気に咲いている。

昨日の雪渓登りの疲れが残っているのか足が重い。



ピークの手前に雪渓が残っているが雪渓は渡らずに岩をよじ登っていく。



岩場を登り切ると稜線に出てハイマツ帯を頂上に向かう。



南を眺めると船窪岳の左に高瀬ダムが顔を出している。

錚々たる山々が一望できる。

この中に日本百名山はいくつあることだろうか。

頂上まで行けば更によく見えると思うがつい見入ってしまう。



6時52分 針木岳到着。

峠から丁度1時間ほど。

頂上からまた南の山々を眺めると更に素晴らしい。

大きな写真はここをクリック



針ノ木岳から槍、立山、剱そして鹿島槍ヶ岳の眺望



頂上には、広島の6人のパーティと二人の男性が休憩していた。

立山三山、剱岳をバックに記念撮影。



眼下には黒部湖

丁度、後立山の影が落ちていてエメラルドグリーンに見えないのが残念だ。



これから歩く稜線を眺める。

その向こうに鹿島槍ヶ岳から白馬岳まで連なる山々。

何回かに分けたが、全ての頂を歩いてきたことが思い出される。



頂上にはキバナオウギやミヤマオダマキが咲いている。



立山と剱岳

足下にはミヤマシオガマの鮮やかな花。



御山の頂上がくっきりと見えている。

小屋には登山者が見えず神社に数人がお参りしているのが見える。

立山三山の左に続く稜線にはザラ峠と鷲岳の下に五色ヶ原が見える。



薬師岳はドッシリとした山だ。

北薬師岳は赤茶けて見える。



左の水晶岳と右は赤牛岳

真ん中のピークは黒部五郎岳か?

水晶岳の左の小さなピークは鷲羽岳だろう。



槍や穂高もくっきりと見えてきた。



随分とゆっくりしたので次のスバリ岳に向かう。

風化した砂礫の道は滑りやすくて慎重に降りていく。



シコタンソウ等沢山の花が咲いているが撮影していると家内に遅れてしまう。



左に黒部湖、正面にスバリ岳を見て下って行く。

心配していたがやはり左の膝が痛くなり出した。

一晩寝ただけでは完治しなかったようだ。



マヤクボ沢のコルを過ぎると今度は登り

中々変化に富んだ岩場を登って行く。



登りでは膝が痛くないので楽しみながら登って行く。



あのピークが頂上かな



後ろを振り返ると蓮華岳と針ノ木岳

昨日登った針ノ木雪渓が見えている。



ピークに登り切るとなんとまだ遠くにピークが見える。

あれがスバリ岳の頂上だろうか。



こんな所にもコマクサの群生地がある。



スバリ岳の頂上直下は石がザレやすいのか丸太で登山道を作っている。



8時2分 スバリ岳到着。

昨日蓮華岳で追い抜いていった男性と山梨の団体に追いついた。

記念写真を撮って戴く。

後ろを振り返る。

地図で見ると何でも無い縦走路だが実際歩いてみるとタフで変化に富んだ道だ。



目の前には堂々とした赤沢岳と相変わらず白馬岳まで続く稜線。

日谷には剱岳が大きく見えるようになった。



此所から赤沢岳まで1.5㎞

広島の皆さんの後科に続いて赤沢岳に向かう。



岩屑の道は滑りやすく踏ん張りながら降りるのは痛めた膝に応える。



小ピークを越えてまだまだ下る。

やっとコルに付いたが今度は幾つかのピークの登りが待っている。



右側が大きく崩壊してえぐれた場所も通る。



ハイマツ帯にはハクサンシャクナゲが咲いていてつい撮影してしまう。



幾つかピークを越えていくうちに膝の痛みも治まってきて稜線歩きが楽しくなる。

赤沢岳から来る登山者に何人かすれ違う。



赤沢と呼ばれるだけあって赤茶けた岩が多くなる。



扇沢方向からガスが上がってきた。



また小ピークを登り下るといよいよ頂上が見えてくる。



事故多しの看板がある。



確かに岩が多いが危険と思える場所は無い。

下りには、注意がいるかも。



10時7分 赤沢岳着。



キアゲハがこんな所にいるがかなり羽が傷んでいる。

山梨のパーティが降りていったばかりで頂上には誰もいなかったが、二人の登山者がやって来た。

登山者が少ない縦走路だなあ。

頂上から少し下ったところで岩に座って休憩。

広島のパーティがやって来たので交代する。

新越山荘に後から6人来るからと言っておいてくれと頼まれる。



一旦大きく下ってまた登り。



まだ登りがあるのかなあ

丁度この下をアルペンルートのトローリーバスが走っているようだ。



ミヤマコゴメグサが咲いている。

好きな花だが今回は見ることが出来ないとあきらめていただけに嬉しい。

ミヤマダイコンソウも元気に咲いている。



目の前には鹿島槍ヶ岳と五竜岳

そのずっと先には白馬鑓ヶ岳と杓子岳そして片側が欠けたような白馬岳

白馬岳の左には丸い旭岳



最後の登りを踏ん張って11時26分鳴沢岳着。

誰もいない頂上で昼食にする。

昼食は針ノ木小屋で作ってもらったおにぎり弁当。

大きなたくわんの塩味が疲れた体に美味しい。



またドンドンどんどん下る。



ヨツバシオガマかな?

マイヅルソウが今頃咲いている。



ゴゼンタチバナやカラマツソウも咲いていて花園のようだ。



ハクサンフウロに今年初めての出会い。

シナノキンバイも一面に咲いている。



雪がかなり残っている。

滑らないように慎重に進む。

眼下に扇沢駅が見えてくる。



雪が溶けたところにはショウジョウバカマ

ミヤマキンバイも賑やかだ。



新越山荘が見えてきた。

庭にはキヌガサソウが咲いている。



12時31分 新越山荘到着

時間的には種ヶ池山荘まで十分に行くことが出来るが今日は学校登山で満員。

早めにチェックインしてビールを飲んで一休み。

山荘のスタッフに後から6人来ると言うと一部屋用意してくれた。

一部屋に8人 一つの布団に一人でゆっくり寝ることが出来そうだ。

ちなみにこの部屋の定員は20人と書いてある。

20人だとかなり厳しいと思う。

かなり遅れて6人も到着して、庭のテーブルで持ってきた地酒「大雪渓」を飲んで山の話などで夕食まで過ごす。

広島から四国の山にはよく来ているそうだ。

石鎚山系から赤石山系そして徳島の山も有名な山は殆ど登っておられるようだ。

土居から赤星山に登ったり笹ヶ峰の南斜面も登ったそうだ。

高知の山から飯野山まで登ったことがあると言うからちょっとした四国の人より詳しい。

先に着いていた山梨のパーティはすでに宴会状態。

種ヶ池山荘のテン場が一杯だと言って、烏帽子岳まで縦走するというちょっと天然のおばさんとソロの山ガールがやって来た。

すらっとした長身の山ガールは何時もテント泊で小屋泊まりは初めてだという。

(新越山荘はテン場は無い。昔テント泊の登山者が木を切って薪にしたり山を荒らしたことがあるらしい)

宴会状態の皆を見て「山小屋ってこんなに賑やかなんですか?」

その内、おじさん達のアイドル状態で食事時まで賑やかに続いた。



豪華な食事だが、ちょっとお酒を飲み過ぎて今日もご飯は少ししか食べることが出来なかった。

明日は爺ヶ岳に登って帰ることにしよう。



所が朝起きると大雨が降っている。

前線が突然北上してきたらしい。

広島のパーティも山梨のパーティーもすでに出発している。

針ノ木岳に向かう予定だった山ガールは諦めて引き返すと言って出発して行った。

朝食後5時51分私達も出発。



雪の残った道を岩小屋沢岳に向かって登って行く。

雨がザアザア降るしガスっていて何も見えない。



新越岳へは登らずトラバースを行く。



雨に降られながら黙々と歩く

ハクサンシャクナゲも雨に濡れて縮んでいる。



6時43分 岩小屋沢岳に到着。

新越山荘から50分余り掛かった。

この岩小屋沢岳までは去年歩いてきた。

これで去年途中断念したルートが繋がった。

頂上から一旦下るとまたピークがある。

去年猿の軍団がいたところだ。



ミヤマクワガタが沢山咲いているが雨に濡れていて綺麗に写せない。

この雪渓にも去年は沢山猿がいた。



此所から種ヶ池山荘までが結構遠い。



コケモモの群生があり綺麗だ。

益々ガスが濃くなるが、稜線は細く間違うところも無い。



ハクサンチドリが群生している。

シナノキンバイも花園になっているが霞んでいるのが残念。



オンタデとヨツバシオガマかな?



シナノキンバイとユキザサなど咲いて花園状態だが天気が悪いのでもう一つ。



水平な稜線を進んでいくと急な下りと成りキヌガサソウが沢山咲いている。



黄色いスミレは葉が丸いのでキバナノコマノツメかなあ。

サンカヨウもまだ花を咲かせている。



去年、熊の糞があった雪渓で山梨のパーティに追いつく。

ウサギギクが咲いている。

今年初めての出会い。

とても可愛い菊だ。



エゾシオガマかな。



ミヤマクロウスゴ?の花とミヤマキスミレ



サンカヨウが雨に濡れて透明になってとても風情がある。

キヌガサソウが群生している。



タケシマランとエンレイソウ。



ショウジョウバカマとヒメイチゲかと思ったが葉が違う花?



テン場も今日はガラガラ

ナナカマドの茂る中を歩くと正面に爺ヶ岳



キヌガサソウの凄い群生

種ヶ池には水芭蕉が今年も咲いていた。



8時23分 種ヶ池山荘着。

雨がやむかとしばらく小屋の中で休憩。

しかし、やむ気配が無いので爺ヶ岳は諦めて下山することにする。



8時55分出発。

雨の降る中を慎重に下って行く。

それにしても去年一面に咲いていたコバイケイソウが一輪も咲いていないことに驚く。



コゼンタチバナやアカモノなどが咲いている。



ウスノキかな?



赤い花はツリバナかな?

雨だというのに学校登山の中学生達が100人ほど登って来た。

挨拶するのが大変。

雨でも子供達にとっては貴重な経験で一生の思い出になることだろう。



岩が多いところも滑りやすくて嫌だが、木の根が多いところも慎重に下る。

昨年、此所で右足が滑り左足で踏ん張ったらピキッと音がして3ヶ月ほど病院に通うことになった。

イワナシの青い実が可愛い。



アキノキリンソウがもう咲いていた。

だらだら続く下りに膝が悲鳴をあげだした。



ヤマアジサイの咲いている道を慎重に下るとやっと柏原新道登山口に着いた。

12時21分着。

コースタイム2時間半ほどのコースを3時間半ほどかかった。

雨の下りは苦手だ。

薬師の湯に入って蕎麦の昼食。

喉が渇いて冷たいスポーツドリンクを2本も飲み干す。

後は眠気をこらえながらひたすら徳島まで走る。

途中、近江牛の牛丼などを食べて10時過ぎに自宅に着く。

今回は素晴らしい雪渓歩きと蓮華岳のコマクサ。

そして変化に富んだ針ノ木岳からの縦走路をたっぷりと楽しむことが出来た。

しかし、例年に比べてとても疲れた。

やはり年齢の所為だろうか。

毎年厳しくなるとは思うが健康に気をつけて来年もアルプスを歩きたいと思う。




2014.07.21

針ノ木大雪渓


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