里山の秋 コリトリ 剣山 次郎笈 2007/10/28
         

− その2 −

その1


朝3時過ぎには団体客が起き出した。

夕べは早く寝たので私も起きて、冷たい水で顔を洗う。

外に出ると一面の星空。

正面に北斗七星と明けの明星が輝いている。

ストーブの前でコーヒーを頂ながら今日のコースを思案する。

次郎笈に登ってからまた一ノ森経由で元来た道を帰るか、それとも

行場道からお花畑を経由して追分に出るのがよいのか。

実はあるブログで、お花畑から追分までの道は非常に悪路と書いてあった。

しかも行場道の辺りは凍結しているおそれがある。

しかし新居さんに相談すると問題ないと言う。

霧氷を楽しみにしていたが今日の最低温度は−3.2度。

おまけに晴天で霜さえも降りていない。

ガックリ。

次々と団体が出発していく。

6時に食事をして、東のテラスで朝日を見る。



寒い思いをして待った割には地平線上は厚い雲で、期待程の朝日を見ることは出来なかった。



左は朝靄の高城山方面

右は朝日に輝く丸笹山、赤帽子山



左は木屋平方面。深い谷間の村にはまだ朝霧が立ちこめている。

右は津師岳。その右向こうに大川山



もう一度熱い珈琲で体を温め出発。

剣山山頂7時10分。

朝日に輝く三嶺。



三嶺と塔の丸。そのスグ奥に矢筈山。

塔の丸に次郎笈の影がクッキリと!



次郎笈に向けて降りていく。

次郎笈のモルゲンロートと三嶺までの縦走路。



朝日に染まる三嶺の姿はほれぼれする程美しい。



振り返ると剣山と丸笹山。



昨日の雪の残る道を一気に登りきりニセピークで三嶺までの縦走路を眺める。

この道をこもさんは歩いたんだなあ。



8時5分。誰もいない山頂に到着。



しばらく景色を堪能してから下山。

昨夜食事をご一緒した丸亀のご夫婦が登ってきた。

天狗塚まで縦走すると言っておられた76歳の男性もやってきたので挨拶を交わす。

鞍部でまたご夫婦と出会う。

剣山との分岐から左へと遊歩道を行く。



この道はいつも雪が多い。

テンニンソウの氷華が少しばかり出来ている。




途中から大剣神社に登って行く。

御神水で喉を潤す。



この斜面一面にテンニンソウの氷華が出来ている。

クリームの様になめらかで美味しそう。



手洗い鉢の水は厚い氷。



大剣神社から刀掛けの松に向かう。



刀掛けの松9時23分着。

振り返ると狛犬が鎮座していた。

昭和42年の枝折神社遷宮の碑がある??

此処の小さな祠が枝折神社なのか?



刀掛けの松にはいつの間にか立派なベンチが設置されていた。

昔はあの枯れた松に腰を掛けて休んだのだが..



行場道に向かう。

崩壊していた道も修復されている。

行場道の分岐で、キレンゲショウマの群生地へ下って行く。

鹿避けのテキサスゲートが此処にも設置されている。

道も綺麗に整備されているル



下りきってまた登ると岩の上に社がある。

三十五社の祠かな?

裏に回るとしめ縄をした大岩。



ふと上を見上げると家内の姿が。昔は岩場など絶対に登らなかったのになあ。

両剣神社を過ぎて下って行く。



穴吹川源流の碑に来ると恐れていた通り、道が凍り付いている。

特に源流の橋の手前は滑るとそのまま谷底。

慎重に渡る。



完全に凍結した源流の流れは美しい。



ドンドン行くとまた渓流を越す所は凍結しており慎重に進む。

お花畑の分岐10時8分着。

丸太で通せんぼしている様に見えるが..

乗り越えていく。



お花畑の広い道を下る。

この辺のネットに引っ掛かった鹿を、一ノ森の内田さんと勝ぼうずさんが救出したのだなあ。

突然「ブヒッ」と大きな威嚇音がしたと思ったら目の前の大木から真っ黒な動物が飛び出した。

何しろ目の前で真っ黒でデカい。

一瞬熊かと思ってひっくり返りそうになった。

良く見るとニホンカモシカの雄。

立派な角も生えている。

いつもは優しそうに見える目も怒りに燃えている様。

写真を写すことも出来ず固まっていたらやがてのっそりと去っていった。

遠くで草を食べたのを見てから我に返り写真を撮るが手ぶれが酷い。

大人しい動物だと聞いているが、おったまげた。




立派なカツラの木の下を行く





幻想的な森を過ぎるとこの先危険と書いてある。

やっぱり!!



道は所々凍っており、突然滑る。

段々道の崩壊が大きくなり、道幅と呼べる物が無くなる。



ザレた所を数多く通る。

谷が大きく崩壊した上部ではロープがある。



やっと素晴らしいブナの林にでた。

疲れてしまった。



追分に11時23分に着く。

何とお花畑から1時間15分も掛かってしまった。



リョウブの木も素晴らしい。



うって変わって快適な道をルンルン気分で下る。

足下に天狗のウチワ



見上げると立派なハリギリ



ミヤマシキミの実がもう弾けそう



ヒメシャラやモミの巨樹を楽しみながら下る。



12時15分富士の池に帰ってきた。

富士の池谷を見下ろすと51年の災害がいかに大規模だったかが良く解る。

今日も大型コンクリートミキサーが走っている。



本宮山を見ながらコーヒータイム。

また林道串刺し道を下る。



一度登れば帰りは慣れたもの。

グングン下る。



登山口に近づくとまだ紅葉の盛り。



登山口に13時29分着。



穴吹川の清流も今は..



51年の災害復旧工事の案内。



13時36分に車に戻り木屋平に向けて出発。

ふと対岸を見ると白い花が。

近寄ってみると四季咲き桜が10数本花を咲かせていた。

大桜の湯でほっこりとして帰宅。

やっと念願の剣山表参道を歩くことが出来た。

次は貞光からの裏参道をつづら堂から歩いてみたい。