冬の里山 高越山    2017.02.27
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- ちょっぴり新雪のお高越山 -

何故か急にお高越山に登りたくなった。

雪山に慣れていない時は、「雪が降ったらお高越山」と雪歩きを良く楽しんだ。

何しろ登山口まで雪の心配をすることが無く、転落などの危も無い雪山歩きには最適な山だ。

しかし最近は、大川原高原や柴小屋山そして雲早山などでも簡単に雪山歩きを楽しめることを知った。

そう言う訳で、お高越山は去年の三月に登ってからご無沙汰している。

通勤の車が多い192号線をトロトロ走って、ふいご温泉上の登山口へ。

山川町に入って、お高越山を見上げると頂上付近だけが黒い雲に覆われている。

もしかしたら霧氷を見ることが出来るかもしれない。



登山口出発

9時5分。

お高越山は、登山道として電力鉄塔保線路と参拝路を登るので道が確りしている。

しかし、標高差約1,100mありキツイとも言える山だ。

最近脚力が弱ってきている私は一寸心配。

登山口のお地蔵さんに無事登山をお祈りする。



先ずは一番目の鉄塔まで単調な道を登る。

早くも汗が噴き出る。

ダウンを脱いで、帽子も脱いで手拭いで鉢巻きをする。

こうすると汗が顔に垂れて目に入るのを防ぐことが出来る。

しかし家内から魚屋さんのようだと笑われる。



一旦車道に出て再度登り始めるとオンツツジの広場辺りが白い。

雪か?霧氷か?



猿田彦さん、お久しぶり。

新しい御影石の石柱が台座の青石にマッチするようになるのには100年位は掛かるかな?



阿讃山脈方向も厚い雲が掛かっている。



久しぶりの鉄塔保線路に脹ら脛が張ってくる。



10時18分 中ノ郷の林道に出る。

見上げると、お高越山山頂の雲が薄くなり真っ白な霧氷で覆われているのが見える。



古梨の木はまだ芽吹いていない。



萬年池も氷は張っていない。

一九丁の丁石がある。



山の神様にご挨拶してから出発。

ちらほらと小雪が舞いだした。



少し登ると「桜の馬場」の標識。

去年までは無かったが、古い地名かな?

だけど馬場のようには見えないし、桜も少ない所だけれど。



17丁の丁石を過ぎる。

参拝路は単調で修行道のよう。

もう少しすると、アブラチャンやシロバナショウジョウバカマが咲いて楽しくなるんだけれど。



やっと山頂まで2,000mの標識。

登山道に雪が見え始めた。

先程降ったばかりのようだ。



13丁の丁石を過ぎて山頂まで1,500mの標識。

お高越山の参拝路はとにかく500mが長い。



雪が増えだした道を黙々と登ると10丁の丁石。



石の祠の所で男性が下山してきた。

「お久しぶり」とお声がけ戴く。

毎日お高越山に登られている男性だった。

初めてお会いしてから10年以上経っているが、今でも毎日登られているのだなあ。

この祠は良く見ると「履石大権現」と刻まれている。

履石大権現はいくら調べても解らない。

武内宿禰と関係があるのだろうか。



三面観音(馬頭観音)様にもお詣り。

二年前の雪の日に亡くなったご住職の書かれた合掌の標識の前で二人で合掌。



やっと山頂まで後1㎞の標識。



雪が多くなってきた頃不動小屋に到着。

腰掛けてコーヒーを飲んで一休み。



少し休んで出発すると周りの樹木には霧氷が一杯。



細かな霧氷でしかも曇っているので特別に美しくは無いがそれでも綺麗だ。



女人禁制の赤門着。

川田への道はまだ通行止めになっている。



行場分岐を過ぎて頂上まで500mの標識通過。

行場へはもう随分の期間行ったことが無いなあ。



高越大権現の大鳥居を越えていく。

一丁の丁石がある。



やっとこさと高越寺の山門へと上って行く。



山門の仁王さんにご挨拶。



高越寺の境内は誰も歩いた跡が無い。

新雪を踏んでお詣り。

蜂須賀茂韶直筆の扁額は立派だ。

11時35分到着。

登山口から丁度二時間半。

アルプス登山認可判定基準ぎりぎりセーフ?



山門は,第28世良俊上人の起請によるもので,本県でのこの種の建造物としては極めて貴重な存在となっている。

県下五大重層門の一つだそうだ。

入母屋造,銅板葺,三間一戸の二重門で軸部は総欅)。

重層な二重軒に繁を扇に打ち,斗拱は出組二手先となっている。

壁の中央に板扉を入れて左右には和様と禅宗様が混交する火燈窓を配し,擬宝珠高欄を廻らしている。

初層は二重軒に繁を平行に打ち一手斗拱で軒を支えている。

柱根には礎盤を敷くが壁の板は横張りに使用するなど和様と禅宗様が混交する。

それがよく融合し,堂々とした風格と威厳に満ちた格調高い建築となっている。

各所に配された彫刻が素晴らしい。

特に虹梁の木鼻や,初層の軒下の欄間に見られる十二神将のかわりとして登山者の安全を祈っている十二支が印象深い。

彫師は,美馬郡脇町拝原の名工,九世三宅石舟斎畢生の大作であり,本堂を彫った十世の実父である。

今年の干支の酉の彫刻。



石段を二回登ると高越神社。



神社裏から先ずは三角点へ。

履き古したトレッキングシューズは良く滑る。



頂上に向かい久しぶりにお大師さんにお会いする。

此処には、かつては石積塚があり「空海の経塚」と呼ばれていたそうだ。

青空が見えてきたが、霧氷は綺麗には見えない。



木々の枝にはビッシリと霧氷が着いているのだけれど。

穴吹の町は日が射して明るく輝いている。

雲があるのはお高越山山頂だけらしい。



見晴台に向かうとツツジ公園側では霧氷がビッシリ。



奥の院へは雪があって急坂なので一旦高越寺に戻る。



大杉や大ブナが素晴らしい。



高越寺から林道を通って奥の院に向かう。



斜面には大きな氷柱が沢山出来ている。



弘法大師が修行したという龍の洞穴を通過。



一面霧氷が付いている。



青空も見えてきて美しい。



霧氷に囲まれた奥の院にお詣り。

この建物は高越大権現の拝殿。



高越寺奥の院はややこしい。

蔵王権現と高越権現を祀った祠が並んでいる。



奥の院から童子の石仏がある道を下っていく。

雪が薄くて滑りやすくて慎重に降りる。



三面大黒にお詣り。



高越寺に引き返す途中の薬師如来像のベンチで昼食。

灯明杉は周りの雑木の葉が落ちているのでよく見えて迫力がある。



食後高越寺に帰ってきて下山する。

気温は丁度〇度。



気温が低いので霧氷が落ちないで残っている。



こんな所に八丁坂の新しい標識がある。



帰りに赤樫の八丁塚にお詣り。



ツツジや桜の蕾みが膨らみ始めている。



後はひたすら降りて帰りにふいご温泉でまっとり

今日は久しぶりにお高越山に登ることが出来た。

お高越山に登ると、今年もアルプスに行くことが出来るかなと明るい気分になる。

アルプスの夏山シーズンまで後五ヶ月足らず。

少しずつ訓練して今年も雄大なアルプスを楽しみたい。





総歩行距離 12.9㎞

累計標高差 ±1371m

行動時間 7時間29分。



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