秋の里山 黒部五郎岳 黒部源流 雲ノ平 周回  2015/09/21~24
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折立 太郎兵衛平 黒部五郎岳 三俣蓮華岳 黒部源流 雲ノ平 薬師沢 折立


そのⅠ 太郎平小屋 9月21日

そのⅡ 黒部五郎岳 9月22日

そのⅢ 9月23日 黒部五郎小舎 ~ 三俣蓮華岳 ~ 三俣山荘 




拡大図は此所をクリック


そのⅣ 黒部源流 雲ノ平 薬師沢  折立 9/23~24

三俣山荘でゆっくりと休憩してから出発

8時丁度

雲ノ平山荘までコースタイムなら2時間40分

ほんまかいな?

去年は雲ノ平から祖母岳に寄って3時間半で薬師沢小屋に着いている。

祖母岳に寄らなければ3時間ちょいで行くことが出来るだろう。

12時半頃に雲ノ平を出発出来れば16時の山小屋制限タイムに薬師沢小屋に着くことが出来るだろう。

12時までに雲ノ平山荘にたどり着けば薬師沢小屋へ。

12時を過ぎていれば、雲ノ平小屋に泊まろう。



キャンプ場方向へ引き返してから雲ノ平方向へと右に進む。

正面にワリモ岳の天辺がピョコンと突きだしている。

右には鷲羽岳、左には祖父岳

黒部源流の最初の一滴はワリモ岳と祖父岳の鞍部にある岩苔乗越の直ぐ下だが、黒部源流はこ此処から下って行く所にある。

なんかややこしいがそういう事らしい。



コバイケイソウの実が沢山ニョッキリと立っている。

緩やかな道をドンドン下る。



その内大きな岩ゴロゴロの道となり沢が横を流れている。

三俣蓮華岳のカールから流れ落ちている水が、小さな沢となって黒部川に流れ込んでいる。

この沢には名前が付いていないようだ。

正面の祖父岳南面にジグザグの登山道が見える。

あれが急登と言われる登山道か。



両側の山肌は柔らかな感じに綺麗に色付いている。



梯子を下りると渓流を渡る。



此処が黒部川の源流か?

しかしまだまだ下って行く。



流れが浅いのでジャブジャブと下って行く。

雨の日などは水かさが増して大変だろうなと思う。



鷲羽岳に向かう沢が見えるようになる。



沢から少し離れた広場に「黒部川水源地」の碑があった。

8時44分着。

ちょっと予想していた源流とは違うが、やっと憧れの黒部源流に来ることが出来た。

感激。



源流碑の直ぐ下の沢で源流の水を飲む。

冷たくてしかも美味しい。

ミネラルたっぷりで何とも言えない味だ。

小さなコップだが5杯も飲んでしまった。

50年物のワインよりも美味しいのではと思った。

(50年物のワインは飲んだことが無いけれど)

生水は余り飲まない家内も美味しいと言って何杯も飲んでいた。

三俣山荘でペットボトルに入れた水を入れ替える。



岩苔乗越への道との分岐

この道を沢に沿って登ると、鷲羽岳の山頂下を左に曲がり、祖父岳とワリモ岳の鞍部にある岩苔乗越へ行くことが出来る。

ロープのある黒部川を渡る。

雨の後は渡れないこともあるそうだ。



黒部の源流のその又源流を眺める。



今年の7月に鷲羽岳から眺めた黒部源流。

雪の残った沢筋が、岩苔乗越から祖父岳を巻いて黒部五郎岳の方に流れ落ちているのが良く解る。

黒部の源流碑は、真ん中の雪が多い辺り。




草紅葉やナナカマドの紅葉が青空に映えている。



キツイ登りの最中で鷲羽岳を眺める。

右へ続いている緩やかな道は三俣山荘への道。

左側の真っ直ぐ上に伸びているのが岩苔乗越へと続く道。



キツイ登りも紅葉の素晴らしさで忘れてしまう。

標高が上がると、ワリモ岳と祖父岳の鞍部にある岩苔乗越へと、源流の流れが駆け上がって言っているのが良く解る。



ご夫婦が下りてきて、この先に源流はありますかと聞く。

美味しい水が流れていますよと言うと、その水が飲みたくて此処まで来たと喜んで下って行った。

振り返ると三俣山荘のある向こうに槍ヶ岳が顔を出した。

此処でもリンドウの花は終わっている。



黒部源流の最初の一滴は岩苔乗越だけでは無く、ワリモ岳と鷲羽岳の鞍部からも流れ落ちているようだ。

深く切れ込んだ沢の流れが印象的で美しい。



若いご夫婦が下りてきて、奥様が急坂のようだが大丈夫ですかと聞く。

足場は確りしていますよと言うと喜んで下りて行った。

次にまた若いご夫婦が下りてきて、太郎平の手前で眼鏡を探していた人ですねと話しかけてきた。

太郎平小屋から薬師沢を下りて夕べは雲ノ平山荘へ泊まったそうだ。

出会った三組のご夫婦とも、薬師沢小屋への下りはとても滑って危険なので気をつけて下さいと言う。

あの下りは去年も経験した。

確かに、良く滑ったがそれほどでも無かったような気がするのだが。

振り返ると、槍ヶ岳の手前に三俣山荘が見えるようになった。



1時間ほど急坂を頑張ると緩やかになった。

イワギキョウが沢山咲いている。



祖父岳に向かって登って行く。

振り返ると槍ヶ岳と三俣蓮華岳



この辺は日本庭園かと思うが標識が見当たらない。

灰色の火山岩が転がる賽の河原みたいな広い場所を通る。

黒部五郎岳が小さく見える。



三俣蓮華岳も。

気温が上がってきて日差しがキツイ。



薬師岳も見えてきた。

三俣蓮華岳の右肩に笠ヶ岳も



此処から見る黒部五郎岳が一番美しいと言われている。

五郎カールは、山を大きなスプーンでガバッと削ったように見える。



昨日歩いた北の俣岳から黒部五郎岳までの稜線。

あんなに緩やかな稜線なのに?何故コースタイムを大幅に超える時間が掛かったのかなあ?



祖父岳分岐に着く。

10時53分

突然、家内の携帯が鳴る。

息子からの電話だが、出ようとすると切れている。

電波が不安定のようだ。

又携帯が鳴ってよく見るとショートメールが入っている。

しかし、本文が無くて空メールになっている。

こちらからもショートメールを送るが途中でエラーとなる。

届いているのかどうか解らない。

ショートメールをよく見ると夕べから何通か届いている。

祖父岳分岐は、この辺で唯一何故か携帯がつながる不思議なポイントだ。

此処までも、これから先も太郎平に戻るまで携帯はつながらない。

唯一繋がる地点で夕べからのメールが一度に送られてきたのだろう。



ふと見ると、岩で男性がタバコを吸って休憩している。

お昼ご飯を食べた後の一服かな。



そのまま進むと、目の前に水晶岳が見えてくる。

此処から見る水晶岳は黒岳のイメージとは異なって見える。



薬師岳と赤牛岳?も目の前だ。



やっと、雲ノ平山荘が見えてきた。

直ぐ下にキャンプ場も見える。

しかし、キャンプ場への道は通行止めと書いてある。

右へと回らないと駄目みたいだ。

直ぐ側に見えるのになあ。



所がトラバース道は結構荒れていてアップダウンがある。



水晶岳と、高天原から岩苔小谷と続く沢。

7月にはあの稜線からこの雲ノ平を眺めた。



やっと、歩きやすい道となった。

先ほど休んでいた男性が追い抜いていった。



キャンプ場分岐に着いた。

此処から祖父岳分岐まで特に通れないような所は無いようだが。

かなり足が疲れた頃また雲の平山荘が見えてきた。



雲の平山荘 11時53分着。

三俣山荘から3時間53分かかっている。

やはりコースタイムの2時間40分より1時間以上多く掛かっている。

但し、雲ノ平小屋に泊まらずに薬師沢小屋へと向かう予定制限以内だ。

水はタップリ持っているが何故かビールが飲みたくて山荘に行くが、宿泊者以外には売らないという。

弁当の残りを食べて、足の裏がふやけて痛くなったので靴下を履き替えて出発。



雲の平の草紅葉は去年のように綺麗ではない。

チングルマの紅葉が茶色っぽくて鮮やかで無いからだろう。



先ほどの男性がまたタバコ休憩していた。



アラスカ庭園で、行動食を食べて最後の急下りに備えていると、またあの男性が追い抜いていった。



薬師沢への下りは、去年よりも岩が滑りやすくて大変だった。

家内が少し滑って木の根の絡まった穴に足を落とした。

中々抜けなかったので強引に抜くと膝下が傷ついたようだ。

家内は右足の十字靱帯の片方が切れて手術で取り除いているので、横方向に踏ん張れない。

少し不安定な所に乗っかると倒れてしまう。

私はと言えば、左足の膝の横の靱帯が伸びてこれまた踏ん張れない。

ズボンに右足を通すにも左足だけではこけそうになる。

転んで捻挫して歩けなくなることだけは避けなければならない。

その後、いよいよ慎重になり岩の上に乗らないように気をつけて下る。

16時には十分間に合うと思っていたがドンドン時間が過ぎる。

若い男性が残り標高差200m位だから頑張ってと言って追い抜いていった。



疲労困憊で最後の滑りやすい坂を下りて渓流を渡り薬師沢小屋に着いた。

テラスでビールを飲んでいた男性達から拍手で迎えられる。

追い抜いていった人達が、私達が余り遅いので、遭難でもしているのかと心配していたようだ。

16時21分着。

小屋の入口の冷たくて美味しい水をコップに三杯も飲んで頭からも被る。

チェックインしようと申し込むと、なんと言うこと。

「今頃予約なしで来られても困ります。食材の用意も無いです」

カップヌードルでも良いですからと言うが、「カップヌードルも売り切れだ」という。

「大体、この時間に山小屋にチェックインするのは常識外れだ。」

かなり厳しいことを言う。

これ以上言うのなら、非常食は持っているし玄関脇ででも寝てやろうかと思った。

所がしばらくすると、予約客が来ないので泊めてあげますという。

部屋に入ると、宿泊客は8人程。

横になるともう動けない。

17時の食事まで気を失ったように眠った。

食事の放送で目が覚めるともうスッキリとしていた。

冷えたビールを飲んで腹一杯食事を食べる。

食後、沢の流れを聞きながら程良い疲れにウトウトして20時前にトイレに行って寝ようと階下に下りていく。

なんと、今頃山小屋に着いた人が居た。

ベテランの人のようだが、疲れ切って座り込んでいる。

受付の男性が無線で太郎平小屋と相談している。

食材も無いので泊めれないとか良く解らないが、かなりキツイことを言っている。

太郎平小屋から、無理をさせないようにとの指示があってやっと宿泊がOKとなったようだ。

また、食材も明日届けると言っていた。

私の隣の寝床で一言も喋らずリュックから食事を出して食べていた。

薬師沢小屋が厳しく言うのは、小屋への登山道での遭難が多く、時間的に余裕を持って歩かないと危険だからだろう。

また、この連休は登山客が多くて食材が不足したこともあったのだろう。

でもこんな遅くになるとは何処かで迷ったのかな?



沢の音がうるさいので、耳にティッシュペーパーを丸めて詰める。

やがてぐっすり寝る。

今日は帰るだけなので、ゆっくりと起きて朝食用の弁当を頂いて出発。

5時42分



昨日あれ程疲れていた言うのに今日は快調。

家内も、足取りが軽い。

シラタマノキの実が多い。



去年は滑りまくった木道は霜が降りていなくて快適。



ナナカマドなどの紅葉を楽しみながら登って行く。



何度か沢を渡っていく。



お弁当は去年と同じ炊き込みご飯のちまき。



昨日の疲れも無く快調に登る。



登るにつれて紅葉が綺麗になる。

太郎平小屋が見えてほっとする。



8時45分着。

家内の携帯が鳴った。

太郎兵衛平はドコモが繋がる。

やっと息子と電話が繋がった。

急な仕事でサンフランシスコに行っていたようだ。

急だったので国際電話の契約をする暇が無かったとの事。

私からのショートメールは帰国すると届いていたそうだ。

少し休んでから太郎平小屋に下山届を出して下山開始。



外人の男性が歩荷で、沢山の食材を背負って登って来た。

缶ビールも沢山背負っている。

昨日の無線で言っていた食材の補充かな。



三角点で弁当の残りを食べてドンドン下る。

雨がパラパラとしたと思ったら本降りになった。

沢山の人が登ってくるが、雨では大変だろうなあ。



12時27分 折立に着く。

平日だというのに車が一杯。



流石に林道奥には私の車だけ。

有峰林道を下って温泉に入ろうと思ったが見つからず、ガソリンスタンドも見つからないまま高速に入る。

高速のSAで、びっくりする程高価な燃料(軽油なのに何時入れる給油所のレギュラーよりも高い)をチャージし、カレーを食べる。

下山後のカレーは美味しいなあ。

帰りは、米原経由。

途中でもう一度SAに寄り肉たっぷりのドリアンを食べてひたすら家路を急ぐ。

丁度20時に家に着き、風呂に入ると体重が7キロも減っていて76.4キロ。

お腹の贅肉が綺麗さっぱり消えてびっくり。

この体重は30年前以来だ。

しかし、湯上がり後缶ビールを二本飲んで寝て、その後大して大食いもしていないのに今日計ったら79.9㎏だった。

元に返るのももうすぐだろう。

今回は、宿題だった黒部五郎岳に登ることが出来ただけでは無く、憧れの黒部源流まで行くことが出来た。

今年に入ってから、歩くのが随分と遅くなった。

体力維持に努めながら、無理の無いように来年もアルプスに行きたいと思う。

宿泊費 9500円×2×3=57,000円

燃料代 12,500円

高速代 19,550円

有峰林道 1,900円

ビール代、バッジ代、食事代等7,000円

合計 97,950円


おまけ

去年、倒れてから山歩きの回数が減り、特に9月は雨が多くて山らしい山を歩いていなかった。

体力維持対策に、腹筋と、腕立て伏せそしてスクワットを毎日続けた。

もう4ヶ月になる。

体重は減らなかったが、太ももの大腿四頭筋ハムストリングスはかなり強化されたような気がする。

お腹の脂肪は減らないが、脂肪の下の筋肉は固くなった気がする。

登山と、筋肉の関係については剣山系などでよくお会いする高知大学・高知県立大学ワンダーフォーゲル部のHPに詳しく書いてあります。

本当はちょっとキツイ山を歩いて長時間負荷を掛ける方が良いに決まっているが、歩けないときは仕方が無い。

それと、サプリメント

10数年前に、クエン酸と出会ってから、私の山歩きは大きく変わった

有酸素運動をする時にクエン酸を摂取すると、筋肉に溜まった乳酸をエネルギーに変えてくれる(クエン酸サイクル)。

殆どのスポーツドリンクにクエン酸は含まれているが、量が少ない。

そしてクエン酸サイクルを有効にする為のクエン酸の効果は2時間しか続かない。

その為何度もクエン酸を摂取する必要がある。

カプセル入りのクエン酸を登山途中に飲むことにより、以前は直ぐに疲れていたのが長時間歩けるようになった。

あと登山では、紫外線の影響が大きい。

紫外線の酸化作用により老化が進み体の細胞がダメージを受ける。

その為私は、眼の血管が硬化し網膜が破れて手術をした。

いつの間にか黄斑変性にもなっていた。

その後、ルティンを必ず飲んでいる。

ルテイン(Lutein)とは強い抗酸化作用を持つカロテノイドの一種

ルテイン(Lutein)は、光そのものを遮る役割がある。

また、光の一部が細胞に達してしまい、細胞が光による酸化ダメージを受ける危険性が生じた場合でも、抗酸化作用によってこれを防止する。

更にルティンは紫外線やパソコンから出る青い色の光線も吸収する。

ルテインとDHAを両方摂取することで眼の抗酸化機能と脳の記憶機能が改善することが分かってきている。

山歩きしてパソコンを使用している人にはルティンは欠かせない。

いつの間にか、一生治らないと言われていた黄斑変性が治っていた

もう一つ、心不全や不整脈の防止のためにコエンザイムQ10も欠かせない。

コエンザイムはDHA・EPAと併用することで効果が上がるらしいのでDHA・EPAも必要。

特にコエンザイムQ10を飲み始めてから疲労が翌日に残らなくなった。

また、登山中で一番怖いのは脳梗塞・心筋梗塞。

その予防に血液をサラサラにすることは必須だ。

そのためには、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増加させるDHA・EPAが欠かせない

随分と沢山のサプリメントが必要のようだが、纏めて特売で買うと意外と費用も安い。

ちなみに色々なビタミンや栄養素添加されているサプリメントは高価。

必要な栄養素だけが高単位で入っている物を選ぶことが必要。

60才になるまでは、美味しいものを食べていれば問題なかった。

おかげで20キロも太ってしまったが。

しかし65才を越えてからは体の老化が進むのが早い。

サプリメントの助けも借りて、せめて70才までは元気に山歩きを続けたい。



そのⅠ 太郎平小屋

そのⅡ 黒部五郎岳

そのⅢ 9月23日 黒部五郎小舎 ~ 三俣蓮華岳 ~ 三俣山荘 




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