秋の里山 槍ヶ岳      2017.09.24~26
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秋晴れの槍ヶ岳を堪能する -

上高地から槍沢ロッジへ

槍沢ロッジから槍ヶ岳の穂先へ







総歩行距離 41.2㎞

.累計標高差 ±2,213m

一昨日は剣山、次郎笈、丸石を周回して、昨日は隙なのでゴルフの打ちっ放しで400球も打った。

今日はボランティアで徳島市内を案内して4時間程歩いた。

結構足に疲れが溜まっている。

昼過ぎに帰ってふと槍ヶ岳の天気予報を見ると、明日の日曜から火曜日まで快晴が続く。

以前、槍ヶ岳に登ったのは2009年の7月

日本アルプスへ山小屋泊まりで登った最初の経験だった。

それまでも山登りはしていたが、登山素人の私達がまさか槍ヶ岳に登る事が出来るとは思っていなかった。

前年に宝剣岳や西穂独標に登ったので、思い切ってチャレンジする事にした。

その為に40年以上も吸い続けたタバコをやめた。

最後の一服は、三嶺の頂上で一息だけ深く吸ってその後キッパリと禁煙した。

あれからもう8年の歳月が流れた。

その後テレビなどで槍ヶ岳登頂のレポを見る度にもう一度登りたいと思っていた。

一寸紅葉には早いかもしれないが、この機会を逃がす事は無い。

急遽準備をして19時過ぎに就寝。

1時過ぎに起きて2時前に出発。



あかんだな駐車場に8時過ぎに到着。

駐車場は数段に分かれている。

バス停横は満車。

直ぐ下の駐車場に停める。

8時20分発のシャトルバスで出発。

往復料金は2,050円。



バスは中の湯温泉を経由して上高地に向かう。

途中、貸し切り温泉『ト伝の湯』の前を通過。

素晴らしい天気だ。



登山届けはCompassで提出済み。

山岳保険(jro)も加入している。

8時58分出発。

標高は約1,500m

槍ヶ岳3,180mまで標高差1,680m。

水平距離は22㎞。

しかし今日の宿泊地の槍沢ロッジまでは標高差300m、歩行距離15㎞。

標高差は少ないが距離がある。



定番の穂高連峰の眺め。

今まで眺めた中で一番空が澄んでいる。



カッパ橋から今までで最高の眺め。

秋独特の濃紺の空に奥穂高岳が聳え立つ。



上高地の画家として有名な渡辺さんの奥穂高の油絵。

かれはテントで何ヶ月も上高地に滞在して絵を描いている。

花の少ない季節だがノコンギクが沢山咲いている。



ガマズミの実やトリカブトの花が目立つ。

何時もなら歩き始めて直ぐに靴の紐を締め直すのだが、此処からしばらくは平坦地なのでそのままにして歩く。

少し締めが緩いようだ。

この判断が大失敗だった事に後から気づく。



マユミの赤い実が一杯。



沢山の登山者と一緒に歩いて行く。



サラシナショウマの花が沢山咲いている。

何故かヤグルマソウの枯れかけた葉が多い。



こんな所にも熊がいるんだ。

10時4分 明神に到着。



明神岳が青空に突き上げるように聳えている。



ここへ来たのは奥穂高岳に登った2010年以来だ。

あれからもう7年も経つのか。



梓川の河原は益々荒れているように見える。

徳本峠への分岐を通過。



静かな遊歩道を進んでいく。

もう下山してくる人達が居る。

川の流れが緩やかになって、鏡のような水面に山々の姿が映る。



涸れたような河原が広がる。

左には明神岳そしてその右に前穂高岳が見えてくる。



10時53分 徳沢ロッジに到着。

大勢の人達がキャンプをしたりしてノンビリと過ごしている。

氷壁の宿・徳沢ロッジは、素敵な個室に14,000円/人から泊まる事が出来るが、紅葉の時期などは全て予約で満室。

皆さん1年も前から予約して居るようだ。



徳沢園は昔ひっそりとした牧場の番小屋だった。

その牧場跡はキャンプ地となっている。

みちくさ食堂も大人気。



横尾へと向かう。

新村橋通過。



白いトリカブトが沢山咲いている。



前穂高岳の頂上付近をヘリが旋回している。

遭難者を捜しているのだろうか。



単調な林道歩きも、素晴らしい山並みを眺めながらだと飽きる事が無い。

途切れなくやってくる下山者と挨拶を交わしながら歩く。

上高地から何人かの人達と前後して歩くが、皆さんの早さに合わせて歩くのは一寸大変。

先日の剣山周回や昨日の町歩きで少し足に疲れが溜まっている。



ノコンギクやヤマハハコが咲いている位で花は少ない。

7月だと数え切れない位の山野草が咲き乱れているのだが。



11時53分 横尾到着

上高地バスターミナルから丁度3時間。

ビックリする程多くの登山者が休憩している。



横尾大橋とその向こうに屏風の頭を見ながら昼食。

左奥は前穂高岳。



上高地から11㎞。

丁度槍ヶ岳への中間地点。

ここから槍沢ロッジまでは約4キロ。

標高差も200m位なので楽勝かな。

キベリタテハがヒラヒラと飛んできてリュックに留まった。リュックの汗を吸っているのかな。

翅を立ててとまる蝶という意味で命名されたタテハチョウの一種で、翅に黄色い縁(キベリ)があることから名付けられた。

四国では見た事が無い蝶だ。

足が蒸すので靴下を脱いで風を通す。

靴下は直ぐ乾いたが、左足の小指が腫れて、「親指付け根―小指付け根」の横のアーチに水ぶくれが出来かかっている。

靴の紐を緩めたまま速く歩こうとして、指の蹴りを強くして歩いたので足がずれて靴擦れを起こしたようだ。

以前高松に住んでいた時、スニーカーなどで長距離の尾根歩きなどをしている時に良く靴擦れがした。

最近は靴擦れなどした事が無いので油断していた。

仕方が無いので小指にバンドエイドを張って出発。

これが辛い歩きの第一歩だった。



12時29分 横尾を出て直ぐ蝶が岳への分岐通過。

山道に入るとマイヅルソウの赤い実が沢山出来ている。



ゴゼンタチバナの実も目立つ。



小さな沢を渡っていく。

ユキザサの実も多い。

花の咲く時期には見事だっただろうなあ。



ツルリンドウにも赤い実。

ゴゼンタチバナに3~4個の実が付いている。

普通は一個ずつ実が付いているのを良く見るが、こんなに沢山実を付けているのは初めて見た。



小さな沢が多い。

マユミの実が多いが少し色が薄い。



キツリフネが咲いていた。



槍見河原から
10分程で一ノ俣谷に架かる橋を渡る。

一ノ俣モレーンが確認できるそうだが良く解らない。


この橋の架かる一ノ俣谷は、東天井岳の直ぐ下から始まって沢山の滝があるので有名。

昔は、常念小屋からの登山道があったそうだが、今は廃道になっているようだ。



槍沢は綺麗な水がゴウゴウと流れている。

上高地から一緒だった登山者と前後しながら歩く。

段々と小指と足の裏が痛くなってきたが、緩い登りに差し掛かる頃になると痛みが少なくなってきた。



また橋を渡って二の俣に着く。

この橋は冬季には積雪が欄干位まであるそうで橋板を外すらしい。



前回7月に来た時はグンナイフウロやコオニユリなどが綺麗に咲いていたが、今日は美しい渓流を見ながら進む。



渓流の横にはコイワカガミの葉が多い。

もう色付いても良い頃だけれど、まだ緑の葉。



コウゾリナ?の花とクマノミズキの実。



オオカメノキの実とトリカブトの花



沢に架かる細い橋をおっかなびっくり渡る。



センジュガンピの花とシラタマノキの実。



以前は水力発電設備があったが壊れている。



真っ赤なツリバナの実を見ながら一寸した石段を登る。



14時8分 槍沢ロッジ着。

上高地から約5時間。

8年前より20分程長く時間がかかっている。

テーブルで大勢が休んでいる。



ロッジのヘリポート横にはスコープが置いてあり覗くと槍ヶ岳山頂が見える。

なんと頂上には登山者が動いているのまで見える。

24倍ズームでパシャリ。

取りあえずチェックインして、ビール。

今回はつまみも沢山持ってきた。

まずはチーズ鱈をつまみながら庭のテーブルでノンビリと過ごす。

部屋に帰ると皆さんもう寝ている。

食事まで時間がありすぎてウロウロ。

3時となり風呂の時間となったが、大勢が順番を待っている。

またビールを飲んで庭のテーブルでノンビリしていると風呂に入るのも面倒となった。



やがて夕食の時間。

またビールを飲みながら美味しく戴く。



食後、部屋に帰っても話も出来ないので入口のテーブルで日本酒をチビリ。

一寸今日は飲みすぎかな?

6時前にお年寄りの男性がフラフラしながら登ってきた。

入口の石段を登るのにも一歩が中々上がらない。

もう食事はカレーしか無いと言う事で黙々と一人食べていた。

着古したニッカボッカの腰の所はすり切れている。

かなり年季が入っているようだ。

山のベテランの方のようだが、80歳を過ぎて急に体力が落ちてきたとお話されてきた。

明日はどうされるのだろうか?

槍ヶ岳まで登るのは無理だと思うのだけれど。



明日のお弁当を貰ってから就寝。

靴擦れも大したことは無いようだが少しズキズキと痛む。

バンドエイドを巻き直すが足の裏が痛いのはどうしようも無い。

ロキソニンのジェルを塗る。

日曜の夜だというのにロッジはほぼ満員。

少し大きめの布団一枚に二人で寝る。

一寸窮屈だけれどなんとか快適に寝る。

槍ヶ岳までの標高差は約1360mなので何とか頑張れるだろう。

しかし槍の穂先への登りは、体が硬くなっているし少し怖い気もする。

晴れてくれれば良いのだけれど。

前回は朝食を食べてから登ったら、頂上寸前まで快晴だったのに急にガスが出て山頂からの眺望は殆ど無かった。

明日は朝食前に出発しよう。

あれこれ考えているうちに熟睡。

槍沢ロッジから槍ヶ岳の穂先へ

 


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