秋の里山  薬師岳 雲ノ平 2014/09/26~28
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 折立登山口から太郎兵衛平へ -

その2 太郎兵衛平から薬師岳へ

そのⅢ 薬師沢経由 雲ノ平



針ノ木岳から見た薬師岳

今年の7月に針ノ木岳に登った時、黒部湖の奥に堂々と聳える薬師岳標高2,926mを見た。

大きなどっしりとした気品のある山容と大規模なカールの美しさに目を奪われた。

是非登ってみたいと9月の連休に計画を立てたが車が故障し断念した。

今年はもう駄目かなと思っていた。

所が、25日が代休で急に休みとなった。

24日の晩、送別会があり遅く帰ると家内が明日から良い天気が続くので薬師岳に行きたいと言う。

此は大変だとバタバタと用意をして寝る。

25日は朝10時前に燃料を満タンにして出発。

大雨の中をひたすら立山ICを目指す。



立山ICを降りて有峰有料林道(1,900円)を走り、16時30分有峰湖畔の有峰森林文化村に着く。

走行距離は約540キロ。



有峰ハイツは木造の新しい建物でまだ木の香りがする。

熊の写真があるのでお聞きすると、この森林文化村にはよく熊が出てきて散歩するらしい。

おとなしくて可愛いよと言っていたがちょっと怖い。



ゆっくりと風呂に入り豪華な夕食と生ビールそして地酒 立山

相変わらず降り止まぬ雨の音を気にしながら19時には熟睡

何しろ部屋にテレビなど何も無いので寝るしか無い。



朝5時には起きて出発。

雨はすっかり上がり晴れ間が広がっている。

少しばかり走ると折立登山口に着く。

100台程停めることが出来る駐車場があるが停まっているのは10数台。

シーズンには満車となり道端までずっと車が連なるらしいが今日はすいている。

有峰有料道路は夜間(20:00〜6:00)通行不可。

その為早く登り始めようとすると、有峰ハウスに泊まるか車中泊しかない。

白樺ハイツはゲートの手前に建っているのでゲートが開くまで登山口に来ることが出来ないので注意が必要。

車中泊の人達が歯磨きなどをしている。



立派なトイレが二カ所もある。

登山口 6時6分出発。

標高1,355m

此所から標高2,326mの太郎平まで標高差約1,000mを登る。



8月18日から10月13日までは金、土、日、祭日にバスが富山駅から出ているようだ。

朝一番のバスは8時に着くらしい。



13重の塔 慰霊碑がある。

昭和38年愛知大学13名が豪雪のため薬師岳で遭難死した慰霊碑のようだ。



登り初めから急坂となる。



紅葉にはまだ早いと思っていたがすでに綺麗に色付いている。



赤く紅葉しているのはヤマハゼかな?



視界が開ける所から見える山は鍬崎山くわさきやま)標高2,090mだろうか。



オオミヤマガマヅミが真っ赤に紅葉している。



素晴らしい紅葉の登山道を黙々と上る。

オオカメノキかな?



ブナの黄葉は始まったばかり。



ゴゼンタチバナが真っ赤に紅葉している。

こんなに鮮やかに紅葉しているのは初めて見る。



マイヅルソウの実かな?

有名なアラレちゃんの絵が出迎えてくれる。

ネットで見た絵は随分と古かったがまた誰かが書き直したようだ。

単調な長い登りの最中に一時のやすらぎタイムで水休憩をする。

7時14分。



四国の山より紅葉が鮮やかな気がする。



この辺で後続の登山者に追い抜かれるようになる。

この太郎坂は太郎平までコースタイムは5時間となっているが3時間以内で登っているレポートが多い。

傾斜が比較的緩やかなので脚力がある人は早く登ることが出来るのだろう。

合計で6人程が抜いていった。

その後は誰にも抜かれなかった。

緑色の松ぼっくりが半分囓られて食べ跡が散らかっている。

リスの「森のエビフライ」かムササビの「森のパイナップル」にしては囓り方が中途半端だ?



いつの間にか青空が広がっている。

今日は良い天気になりそうだ。



7時48分 三等三角点「青淵」 標高1,870mに着く

登山口から500m余り登ってきたことになる。

所要時間は1時間40分程。



ベンチで休憩して出発

オヤマリンドウが沢山咲いているが花を開いていない。

紅葉しているのもある。

三角点からはしばらく緩やかに下る。



ヘリが轟音を立てて荷揚げ作業に飛んでいった。

左を見ると尖った山が見える。

剱岳だ。



大日岳から雄山まで続く稜線の向こうに聳える剱岳の姿に見とれる。



岩が四角くひび割れているような所をしばらく登る。

やがて小石の多い緩やかな登山道となる。



振り返ると有峰湖のブルーが美しい。

左奥の遠くには白山がくっきりと見えている。



草紅葉が綺麗だ。

ネバリノギランの紅葉が素晴らしい。



朝日に輝く草紅葉の美しさに感動する。



草紅葉の向こうに立山

イワショウブがピンクの実を付けている。

白い花も綺麗だがピンクの実も印象的だ。



富山の町?がくっきりと見える。



五光岩ベンチ2,168mに到着。

9時9分

ここまで3時間かかった。

太郎平まで後2キロ

ベンチで朝食にする。

北側に「岩井谷」があり、その谷の北側に「五光岩(標高 2233m)」と呼ばれる大きな岩山がある。

五光岩を眺めることが出来ることからその名が付いた。

今年の9月初め京大生二人がこの五光岩との間の岩井沢で遭難死したニュースを見た。

のどかに見える山だが天候が急変すると怖い。



剱岳を見ながら石畳の道を上っていく。

青空に向かって登って行くのは気持ちが良い。



遠く丘の上に山小屋が見えだした。

もう少しだと思うが中々近づかない。



池塘やチングルマの紅葉が美しい。



やっと太郎平小屋が近づいてきた。

随分と長い時間歩いてきた気がするが疲れは感じない。



太郎兵衛平 2,330m到着

9時52分

登山口から3時間46分掛かった。

 距離6928m 標高差963m



ベンチでしばらく休憩。

目の前にこれから登る薬師岳がその雄大な姿を見せている。



南を見ると槍ヶ岳への縦走ルートが続いている。

目の前の山は北ノ俣山 2,662m

山の肩に特徴のあるイボがある

その向こうは黒部五郎岳2,839m

更に左奥には三俣蓮華岳2,841mと双六岳2,860 m

槍ヶ岳は此所からは見えない。

休んでいると登山口からずっと私達と同じペースで登って来た広島の男性が太郎平小屋を予約している。

これから薬師岳までピストンして明日は黒部五郎を登り黒部五郎小屋に泊まる予定だそうだ。

その後は天気が良ければ三俣蓮華岳、鷲羽岳と縦走し高天原で温泉に入って帰る予定だとか。

凄いなあ。

そこに青年の5人組がやって来た。

俺たち頑張ったと讃え合っている。

聞けば雲ノ平から5時間でやって来たという。

私達なら6~7時間ぐらい掛かるだろう。

聞いていた家内が、私達も目の前に見える雲ノ平まで行きたいと言いだした。

雲ノ平は山の奥の奥の天空の庭園として何時かは訪れたいあこがれの秘境だ。

そのあこがれの場所が目の前に見えている。

しかし、まさか今回行くとは思ってもいなかったし、日曜日にはボランティアの勉強会の予定がある。

まあ欠席しても良いのだけれど。

どうしようか?

山小屋の男性に聞くと薬師岳ピストンは5時間位かかるとのこと。

頭の中で時間計算をするが、月曜日に会社に出社するためには日曜日の14時頃までに登山口に着いていないと厳しい。

ちょっと無理かも?

薬師岳に登るのを止めて雲ノ平に行こうか?

地図を眺めて考え込む。


その2 太郎兵衛平から薬師岳へ

そのⅢ 薬師沢経由 雲ノ平



里山倶楽部四国編 

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