夏の里山 白馬岳 朝日岳  2016.07.18~21
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- 蓮華温泉から白馬岳そして朝日岳周回 -

日本アルプスの山旅

蓮華温泉~白馬大池  7/18 
白馬大池~白馬岳~白馬山荘 7/19 
白馬岳~雪倉岳~朝日小屋  7/20 
 朝日小屋~朝日岳~蓮華温泉  7/21

毎年恒例の夏の北アルプス登山の日が近づいてきた。

しかし、今年は梅雨明けが遅い。

例年なら7月中旬に四国の梅雨が明けて、海の日頃には北アルプス地方も梅雨が明ける。

どうしようかなと思っていたら梅雨が明けないのに快晴の日が続く。

山歩きの前には疲れるようなことはしないと決めているが、急遽ゴルフのお誘いがあった。

所が、予想以上に気温と湿度が高く、午後からは暑さで頭がボウッとしてハーフとしては最悪の62。

昨夜は風呂に入って直ぐに就寝して、12時間以上グッスリと爆睡してしまった。

昨日はあまりの暑さで、スポーツドリンクと生ビールを飲み過ぎて胃が重い感じがする。

昼前まで休養していると、明日から四日間程白馬岳地方は曇り時々晴れの予報。

これはチャンスだと家内が言う。

直ぐに山小屋に予約を入れる。

泊まる予定の朝日小屋は完全予約制。

その他は予約は必要ないが、予約をしていると混んでいても便宜を図ってくれる。

9時過ぎに寝て1時過ぎに起きて北陸道経由で蓮華温泉に向かう。

糸魚川ICから塩の道の国道148号と約660キロ走って、10時過ぎに蓮華温泉に着く。

安曇野ICから逆に走ってくる方法もあるが一般道を走る距離が長い。



蓮華温泉ロッジの駐車場は殆ど満車状態。

手っ取り早く用意して出発。

10時34分



立派なトイレに登山届け用のボックスがあったが、用紙が品切れ。

大勢の登山者に用紙の用意が間に合わなかったのだろう。

やはり家で「コンパス」を利用して記入してくるべきだった。



道路沿いに淡いブルーのアジサイがたくさん咲いている。

北海道と、本州中部以北の日本海側に分布するものはエゾアジサイ。

サンカヨウの実が黒く熟れている。



エンレイソウの実はでかい。

少し歩くと白馬岳蓮華温泉ロッジに着く。

昔、越中や越後では、白馬岳・小蓮華山・白馬乗鞍岳を蓮の花に見えることから「大蓮華岳(山)」と呼んでいた。

今でも北に連なり新潟県の最高峰である小蓮華山や蓮華温泉にその名残が見られる。




かのウエストンが明治時代(1894年)に大蓮華山、すなわち白馬岳に登ったときの基点が蓮華温泉だ。

当時は山間のひなびた湯治場のひとつであったようだ。

このことは、彼の「日本アルプス」に詳しい。



看板で今回のルートを確認

カシミール上で確認すると総歩行距離 約30㎞。

通常は蓮華温泉に前泊して、白馬山荘と朝日小屋の二泊三日で周回するが、今回は前泊はしないで白馬大池で宿泊する。

初日、二日で楽をして、厳しいと言われている朝日岳周回コースをがんばろう。



露天風呂の案内がある。

祠があるので登山の安全をお祈りする。



ロッジ右横から登山道に向かう。

エゾアジサイが満開。



タマガワホトトギスにヤマブキショウマが一面に咲いている。



黄金の湯の分岐通過。

野天風呂は登山者が偶に覗くと、とあるブログに書いてあるが登山者は露天風呂へは行く事が出来ない。



沢の横を上っていく。

沢山咲き始めているのはオオハナウドかな?



蒸し暑いと思ったら気温が24.2度もある。

標高1,500mを超えているのに今日は暑いなあ。

?のカエデの実



火山噴気帯にある仙気の湯が見下ろされ、誰かが入浴しているのが見える。



蓮華の森の標識を過ぎると下山者が増えてきた。

お聞きすると大部分の人が夕べ白馬大池に宿泊したようだ。

ミヤマカラマツソウ?が沢山咲いている。



ソバナやミヤマカラマツが群生。



サンカヨウの実の色が薄い。

ヤグルマソウも多いが花が終わっている。



トチバニンジンとオタカラソウかな?



コキンレイカ(ハクサンオミナエシ)が咲き始めている。

ここまで約30分かかっている。

白馬大池まで150分の標識がある。



イチヤクソウやゴゼンタチバナの花が多くなる。



オトギリソウとシロバナハナニガナも多い。



カニコウモリとハナニガナ



ミヤマガマズミの実とホソバノヤマハハコ



登山道は良く整備されていて歩きやすい。

先ほどの標識から15分歩いたのに、後140分の標識。

11時38分



目玉親爺のようなギンリョウソウの実。

キヌガサソウの花が沢山咲いている。

トレランの若い女性が走り降りてきて、何の花ですかと聞く。

急だったので焦ってサンカヨウだと言ってしまってから、間違いを正そうとするともう走り去ってしまった。

ごめんなさい。

どうも若い女性に話しかけられると焦ってしまう。



タニギキョウも咲いている。

標高が上がると、サンカヨウの実の色が薄くなるのが面白い。



実値が段々急になる。

オオバミゾホウズキの花が多くなる。



キヌガサソウは実になりかけているのかな?

標高が高くなるとモミジカラマツの花が多くなる。



ガスが巻いてきて、ますます蒸し暑くなる。

12時17分 後110分の標識までやってくる。

後140分の標識から40分かかっている。

やはり私たちの登山ペースは遅い。

大きな段差があったり、邪魔な木の根があったり予想よりも歩きにくい。

何よりも睡眠不足と蒸し暑さが応える。

健脚で有名なおじょもさんも香川から夜間走って直ぐに登り始めて苦労されている。

おじょもの山登り



?のランとアキノキリンソウ



マイズルソウが咲き残っている。



ダイニチアザミ?とシモツケソウの蕾



クルマユリのオレンジの花が、その名の由縁のように揺れている。

私たちも遅いが、駐車場に着いたとき出発していた団体に追いつく。



ハクサンタイゲキ?とホツツジ。



イワシモツケとイブキジャコウソウが所構わず咲いている。



タカネナデシコはピンクの色が濃い。

ミヤマウィキョウは細い葉がかわいい。



?の蕾とミヤマコゴメグサ



花が多いと聞いてはいたが、何処までも花園が続くのに喜びの声を上げる。



タカネバラが沢山咲いているのに驚く。

コキンレイカも花を開き始めている。



初めて出会ったミヤマムラサキ。

噂通りとても可愛い花だ。



花に見とれて登っていくと急に視界が開ける。



此所が天狗の庭。

標高2,093m

12時46分着。

蓮華温泉から此所まで、標高差540mに2時間程掛かっている。

岩に腰をかけて昼食。

ヒメシャジンが沢山咲いている。



ウメバチソウの蕾がとても多い。

中には綺麗に咲いている花もある。

ウメバチソウは家内が好きな花。

例年、次郎笈から丸石への縦走路に咲いているのを見に行く。



チョウジコメツツジも初めての出会い。

次々と珍しい花が咲いていて、その都度カメラを取り出すので大変。

今回カメラを新調したが、ケースと合わずに出し入れが手間が掛かる。



濃いピンクのイブキジャコウソウと、淡いブルーのミヤマムラサキが共演。



先ほど追い抜いた団体がやってきて、ザックから缶ビールを出して宴会。

この為に冷たい缶ビールをザック一杯持ってきたとか。



食後出発すると、またタカネハバラが出迎えてくれる。

ウスユキソウも今年初めての出会い。



クロトウヒレンの蕾とハクサンシャクナゲ。



ホソバヤマハハコやオオバミゾホウズキも、咲き乱れている。



岩場の道となる。

ミヤマダイモンジソウが多くなる。



湿原の中を歩くようになり、イワイチョウの花が沢山咲くようになる。



モミジカラマツの群生と白いスミレ



タケシマランはまだ蕾。

急にガスが湧いてきた。



?の実と?



視界が広がるとハクサンシャクナゲが咲き誇っている。



また森林の中をいく。

暑くて段々へばってくる。

多くの登山者が降りてきて、稜線に出ると涼しいですよと言う。



白いスミレはニョイスミレかなあ。



ツマトリソウやマイヅルソウも咲いているが段々撮影するのが煩わしくなる。



ハクサンチドリかな。

大きな岩を越えて行くようになる。

白馬大池までは標高差900m程。

こんなにヘバルのは、先日のゴルフの後遺症だろうか。

家内が、あんなに行くなと言ったのにと怒る。



時折ガスがミストとなってヒンヤリと感じるが、湿度が高いのがやりきれない。

突然、ヘリコプターの大きな音が何度も聞こえた。

何か事故でもあったのだろうか。



やっとの事で、ハクサンシャクナゲの咲き誇る平原に出た。



ハクサンシャクナゲの根元に咲いているのは、コケモモかな。



エゾシオガマも多い。

ウラジロナナカマドの実?



ミヤマキリンソウやムカゴトラノオ



一気に視界が広がり花園を見ると、チングルマは既に種になっている。



ガスの立ち込める中を白馬大池山荘に向かう。



タテヤマリンドウが沢山咲いている。



今年は花の咲く時期が早かったようだ。



白馬岳への分岐にはコースタイムが4時間なので、遅い時間のスタートはやめるように書いてある。

此所から更に4時間も掛かるのか。

私は既にバテバテ。

時間があっても白馬には向かえない。

山荘に近づくと、まだチングルマが綺麗に咲いている。



ハクサンコザクラが一面に咲いている。

これ程の群生は見たことがない。



今日はガスっていて色合いが悪いのでまた明日見てみよう。



黄色い花はイワキンバイかな?

アオノツガザクラも咲いている。



湖畔の山荘に来ると、涼しい風が吹いて疲れも吹っ飛んだ。

白馬大池山荘 15時6分到着。

なんと駐車場から4時間半も掛かった。



もうテントを設営してトタンの板?で寝転がっている人も多い。



チェックインすると、4畳位の部屋に二人だけ。

やはり予約していると優遇してくれるようだ。

暑かったのでパンツまでビッショリ。

上から下まで全て着替えて乾燥室に吊す。

その後、池の湖畔で缶ビールを飲んでのんびりとする。



池の向こうには、白馬乗鞍岳が見える。

以前、栂池からこの池の向こうまで来たことがある。



夕食は5時からハンバークカレー。

美味しいはずだが、ハンバーグもカレールーもご飯も冷えている。

早く配膳のしすぎだ。

お替わりを頼んだ人はホカホカで美味しそうだったが、冷たいハンバーグを食べるともう食欲がなかった。

山荘の水は池の水を消毒してあるだけなので、ミネラルウオーターを購入するようにと書いてある。

困ったなと思っていると食堂で水を分けてくれるという。

ペットボトルを満タンにする。



また缶ビールを購入して夕暮れまで過ごす。

曇っていて夕焼けは見えなかった。

7時半、寝る前にトイレに行くと、今ごろ着いた老夫婦がいる。

テント泊の登山者らしい。

「考えられない非常識な時間だ」と小屋の人が怒っている。

奥様はザックを背負ったまま、外のベンチに腰掛けている。

駐在している山岳警備隊の男性が事情を聞いていた。

しかし、夫婦の男性はケロッとしてカレーはまだあるかと聞いている。

奥様はしょんぼりと座ったまま。

何があったのだろうか。

まあ事故なく無事に着いたから良いものだけど。

部屋に帰るとあっという間に爆睡。

明日は白馬岳に登るだけなのでキツクもなくのんびり高山歩きができるだろう。



総歩行距離 4.9㎞

累計標高差 +1,238m
        - 320m
行動時間  5時間7分


蓮華温泉~白馬大池  7/18 
白馬大池~白馬岳~白馬山荘 7/19 
白馬岳~雪倉岳~朝日小屋  7/20 
 朝日小屋~朝日岳~蓮華温泉  7/21


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