夏の里山 小蓮華山 白馬岳 雪倉岳 朝日岳周回  2016.07.18
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- 二日目 白馬大池から白馬岳 -


日本アルプスの山旅

蓮華温泉~白馬大池  7/18 
白馬大池~白馬岳~白馬山荘 7/19 
白馬岳~雪倉岳~朝日小屋  7/20 
 朝日小屋~朝日岳~蓮華温泉  7/21



朝ゆっくりとして、5時頃起きると既に小蓮華山に朝日が当たっていた。

もう出発している人達が大勢いる。

白馬大池山荘泊まりだと、今晩は天狗山荘に泊まって不帰キレットから唐松岳への縦走かな。

健脚だと、白馬岳経由で朝日小屋まで行くのかもしれない。



小屋の前には衛星電話が設置されている。

三俣山荘にもあったが、この辺は携帯電話が繫がらない。

電波が圏外で電源を入れっぱなしにすると電池の減りが早いので、電源オフにするようにと書いてある。

このことを知らずに肝心なときに電池切れになる人が多い。



朝食は厚いハムとスクランブルエッグ。

今日も山岳救助隊のお兄さんが、仁王立ちで登山者を見送っている。

お聞きすると、昨日のヘリは小蓮華山のあたりで登山者が転倒、骨折して救出したらしい。

緩やかに見える登山道なのに、転倒して骨折することもあるのだなあ。

気を付けなければ。



5時57分出発。

此所は標高2,370m

白馬岳山頂2,932mまで登らなければならない。

コースタイムは4時間か。

午前中には余裕で白馬岳に着くことが出来るだろう。



雷鳥坂への道を行くと両側はお花畑。

ハクサンコザクラの群生があちこちにある。



ツガノアオザクラやチングルマも満開。



コイワカガミは花期が終わりかけているが、まだまだ綺麗な花もある。

この花はツガザクラかな。



チングルマの向こうに白馬大池が輝いている。



ツマトリソウもまだ元気だ。



ゴゼンタチバナとチシマギキョウ



正面には、船越の頭から小蓮華山への稜線が私たちを呼んでいる。



そして小蓮華山から右には雪倉岳へと続く稜線



雪倉岳とその右に朝日岳

朝日岳から右へと伸びているのは、日本海へと続く長栂山、黒岩山等の栂海新道の山並みかな。



砂礫帯にはコマクサも花を咲かせている。



チシマギキョウはツヤツヤテカテカとしている。



振り返ると、白馬乗鞍岳の右に、頸城三山(妙高山~火打山~焼山)が天空の城のようだ。



噴煙の出ている山は焼山。

そしてその右の三角錐の山は火打山だろう。

雨飾山はもっと左だろうか此処からは見えない。



緩やかな平原のような道を登っていくと、ミヤマダイコンソウがたくさん咲いている。



少し標高があがって振り返ると、白馬大池がきれいに見える。

その向こうには、頸城三山とその左には雨飾山。

ずっと右に見える台形の山は何処だろうか。

多分、黒姫山と御巣鷹山だろう。



コマクサが多くなる。

毎年出会うが飽くことが無い。

北アルプスの女王だと思う。

気温は12.8度。

尾根道は風が通って気持ちがよい。



ハイマツ帯に入っていく。



船越の頭に近づくと稜線上に出て、雲海の上に五竜岳などの後立山の山波が見える。



正面に見えているのは、五竜岳。

その右手前の三角錐の山は唐松岳、そして左奥の双耳峰の山は鹿島槍ヶ岳。

面に左奥には燕岳、右奥には針の木岳。

すべてこの数年の夏に歩く事ができた。



ピークを登りきると船越の頭に着く。

このピークは何でもない特徴の無いピークだが、春スキーで有名らしい。



もう一度振り返る



此処から小蓮華山への稜線は、NHKの「坂の上の雲」でエンディング画面に使用されて有名。

綺麗な山容の山だ。



なだらかな稜線歩きは気持ちが良い。

雪渓が残っていて白く輝いている。

ふと見ると家内が転んでいる。

岩に躓いたのか?

ちょっと尻餅をついただけのように見えるが手首が痛いと言う。

テーピングを確りすると、痛みは和らいだようだがストックは持てないようだ。

ストックを一本仕舞って、シングルストックで行くことにした。



ヨツバシオガマやシナノキンバイが、咲き誇っている。



ハクサンイチゲやウラジロナナカマドの花も。



左はタカネツメクサに似ているが、花弁の形がミヤマツメクサかな。

右の紫の可愛い花はミヤマアズマギク。

これから至るところで見ることができる。



五龍岳が雲に覆われ出した。

タンポポのような花がたくさん咲いている。

シロウマタンポポ(ミヤマタンポポ)だろう。

総苞の焦げ茶が目立つ。



家内はドンドン歩いて行ってしまうが、花が沢山咲いていて前に進めない。



雲に包まれた山の姿もすばらしい。

せっかくなのでスマートフォンで撮影して、フェイスブックに送る。

これが中々手間がかかる。



タデの群生の中にハクサンフウロが群生。



ウラシマツツジがもう色付いている。



また後ろを振り返る。

どちらを向いても素晴らしい景色だらけ。



白馬と白馬鑓のツーショットに見ほれる。



小蓮華山の山頂はゴツゴツの岩塊。



コバイケイソウは今年は裏年だと聞いていたが、少しばかりでも咲いていて嬉しい。



ミヤマダイコンソウやシナノキンバイも、一杯咲くと迫力がある。



タカネヤハズハハコやミヤマダイモンジソウも、元気よく咲いている。



アオノツガザクラやコイワカガミの群生



岩屑の道を行くと小蓮華山。

新潟県と長野県の県境にまたがる山で、大日岳とも呼ばれる山。

標高2766mは新潟県最高峰となる。



山頂には鉄剣と石仏があり、かつては信仰の対象となっていた。



地震や風雪による崩壊で、標高が2769mから2766mと3m低くなっている。

(2008年の国土地理院の調査)



目の前には素晴らしいパノラマが広がる。

この幾重にも連なる山並みの眺めは、四国の山とは少し違う。



十分に景色を楽しんで、フェィスブックにも投稿して先に進む。

気温は11.4度。

風もあり、照りつける日が気持ちよく感じられるくらいだ。



白馬岳が近づいてくる。



単純な縦走路かと思っていたが、中々変化のある道だ。



少し歩く間に、ドンドン景色が変わってくる。



明日歩く雪倉岳から朝日岳まで、くっきりと見える。



三国境に着く。



遠く朝日岳の左の稜線上に朝日小屋が見える。

ずいぶんと遠く思うがズームするとクッキリと小屋が見える。



イワヒバリが遊んでいる。

ウルップソウはほとんど黒くなっているが、まだ青い色が残っている花もある。



シコタンソウとタカネツメクサ



瓦礫帯に来るとますます花が多くなる。

イワベンケイかな。



シコタンソウとミヤマシオガマ



ウルップソウとシラウマタンポポ



ミヤマクワガタかな。



岩場となる。

ミヤマダイコンソウとイワアカバナ



岩の間にヒメクワガタ。



シナノキンバイと?の花



ミヤマアズマギクも綺麗に咲いている。



ミヤマガラシとコイワカガミ



白馬岳と旭岳の間に剱岳が顔を出した。



雪倉岳と朝日岳



旭岳と清水岳から猫又山へと続く稜線



ミヤマキンバイも岩の間に咲いている。

ちょっとした岩場を越えようとした家内が、突然あっと言って後ろ向きに倒れ落ちた。

幸い斜め後ろに居たので、前に突き出した家内の腕を掴むことが出来た。

強く掴んで引き寄せようとしたが、ズルズルと手が滑って離れてしまった。

しかしその時には、背中のザックが岩場に当たってクッションとなり私の足下に倒れ込んだ。

私が手を掴まなかったら、そのまま頭から岩場に落ちていただろう。

どうしたのかと聞くと、這い上がろうと岩を掴んだとたん手首がビリッと痛み、思わず手を離したとか。

後ろ向きに落ちて空が見えた時、もうだめかと思ったと言う。

危なかったが、何とか無事で良かった。

帰ってから病院に行って解ったが、このとき既に家内の左手首は骨折していた。



岩場を越えると緩やかな道。

シコタンソウやミヤマヨツガマが咲き誇っている。



ミヤマオダマキも咲いている。

特徴ある白馬岳の頂上が見えてきた。

白馬岳の東側は鋭く切れ落ちている。

その為か、頂上付近の長野県白馬村と富山県朝日町の県境が定められていない。



白馬岳 山頂に着いた。

10時28分

2012年に白馬鑓まで周回したときから4年ぶりの山頂だ。



金時娘のお父さんの強力が運んだ包囲盤も随分と年季が入ってきた。



山頂の左は恐ろしいくらい切れ落ちている。



正面には剱岳



怖いもの見たさにのぞき込む。



気温は25.7度に上がってきた。

白馬山荘に向かって降りていく。



白馬山荘の向こうには杓子岳、白馬鑓ヶ岳そして剱岳が雲の中に聳え立っている。



白馬開発の先駆者 松沢貞逸記念碑の前を下って行く。



11時15分 白馬山荘着

気温は日陰で22度くらい。

部屋は4畳位で二人だけでとはありがたい。

込んでいる時なら8人以上が寝るのだろう。



部屋の小窓からは眺望が最高。

荷物を片付けてから外に出る。

この白馬山荘には昭和大学の診療所がある。

家内に捻挫した手首を診療してもらうように言うが、もう大丈夫だという。



正面には杓子岳、白馬鑓ヶ岳。

右には旭岳。



ドンドン下って行って頂上宿舎前に来る。

4年前は、雨の中を此処まで雪渓を登ってきた。



旭岳に向かう三人組が居る。



頂上宿舎横ではウルップソウがまだ綺麗に咲いている。



2,768mのピークまで行ってみる。

前回きた時には、この道沿いにはツクモソウが咲き乱れていたが、今日は姿が見えない。

楽しみにしていただけに残念。



このピークから見た白馬岳は独特の姿が美しい。



目の前には杓子岳と白馬鑓ヶ岳

4年前はあの二つのピークを越えて鑓温泉までいった。



杓子岳へは細かな瓦礫が砂のようで、登り難かったことを思い出す。

何人か登っているが苦労しているようだ。



白馬山荘まで帰ってレストランに立ち寄る。



家内は冷たいコーヒー。

私は冷たいビール。



大きな音が聞こえて、ヘリコプターがやってきた。

頂上宿舎へ荷物を運んでいるようだ。

何回もやってくるので空中ショーをしばらく楽しむ。



5時に夕食。

今日もハンバーグ。

メニューは素晴らしいが、やはりハンバーグが堅くてまずい。

ジューシーどころか箸で皿に押しつけて、かなり力を入れないと切れない。

案の定、元々肉があまり好きでない家内は食べるのを止めてしまった。

明日は長丁場なのに困ったものだ。



夕食が終わってもまだ日は高い。

ベンチでビールを飲んでゆっくりとする。



やがて日も落ちてきた。



杓子や剱もホンノリ焼けてきた。



杓子岳の右肩に槍ヶ岳が顔を出した。

みんながオオッと声を上げる。



やがて日も落ちた。

今日は満月か。

部屋に帰って明日の準備をして、7時半頃トイレに行く。

なんと今頃若い女性が軽装で5人程やってきた。

どうも中国の女性らしい。

通訳らしい男性が「この子らは登山が初めてで白馬まで登ってきた」と得意そうだ。

いろいろな人が居るものだ。

事故がないのが不思議な位だ。

8時前にはぐっすりと寝ることが出来た。

さあ明日からは長丁場。

下りが多いので大丈夫かな。



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