夏の里山 北アルプス 裏銀座縦走 Ⅳ     2015/07/23
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  前夜 
 Ⅰ 烏帽子岳
 Ⅱ 水晶岳
 Ⅲ  双六岳
 Ⅳ 小池新道


いよいよ今日は、新穗高温泉まで下りる予定の日。

昨夜は、風雨が強かったようだが、小池新道の沢は大丈夫だろうか。



朝起きると、相変わらず雨は降り続いているが、昼からは小やみになる予報。

また烏帽子小屋で同室だった男性が、早く出発して行った。

今日は西鎌尾根を槍ヶ岳まで行く予定だったが、残雪が多くアイゼンピッケルが必要

そして悪天候なので、槍ヶ岳は諦めて此所から下山するとのこと。

小屋の壁には、登山道に残る雪渓などの状況が詳しく書かれている。

双六小屋は、多くの写真家や画家そして小説家に人気の小屋だ。

双六小屋の看板の文字は、作家の田中澄江のサインが入っている。


朝ご飯を頂いてからゆっくりと出発。

小屋の方から、お昼ご飯は鏡平小屋でもワサビ平小屋でも美味しくて種類が多いので、弁当は必要ないと言われる。

6時2分出発

今日は上下のレインにスパッツと完全雨仕様。

直ぐにキャンプ場に出るが、此所からも双六岳への登山道があるようだ。



天気が悪いのでテントの数はほんの少し

相変わらず風雨が強く、濡れた木道を進む。

双六池があるはずだがガスっていて見えない。



登山道の両側は花園となっているが、天候が悪いのでよく見えないのが残念だ。



天気が良ければ、最高の花街道になることだろう。



トリカブトが咲いている。

今回のコースでは初めて見る花だ。

熊のおどり場は見つからなかった。



残った雪渓を渡っていく



ハクサンチドリが咲いている所を過ぎると、30分と書かれた石がある。

私達は小屋から50分かかっている。



ベンチが有り「クロユリベンチ」の看板がある。

この辺が一番高いピークかな?



左には雪渓が迫ってきている。

クロユリやヨツバシオガマが咲き乱れているが、晴れていないのが残念だ。



ミヤマダイモンジソウも咲いている。

珍しいなあ。



タカネオトギリかな?

池の畔にはコバイケイソウ



緩やかに下って行くと、雪渓の手前に花見平の標識



雪渓を横切っていくと、シモツケソウが咲きはじめている。



ホソバシュロソウやニッコウキスゲも



緩やかに下り、弓折乗越に着く。

7時36分



此所から右へ行くと笠ヶ岳に行くことが出来る。



更に緩やかに下って行くと池があって鏡平山荘に着いた。

8時25分。

小屋でバッジを購入して、登山道の状況を聞く。

「今日の雨の状況では大丈夫。去年の滝谷出合いの事故は無謀だった。今日は心配ない。」

少し安心して、暖かい500円のコーヒーを飲んで体を温めてから下山開始



ひょうたん池の向こうには槍穗高が見えているはずだが、この天気ではしかたがない。



小池新道を下る。

小屋の男性は大丈夫と言っていたが、登山道は半分沢のようになっている。

凄い勢いで流れている。

山自体が大きな岩盤で出来ているので、降った雨がそのまま集まって一気に水量が増えるらしい。


最初は水の少ない所を選んでいたが、返って滑りそうなので水を気にせずにジャバジャバ歩く。

急流の中くるぶしの上まで浸かりながら下りていく。

スパッツとレインのパンツをはいているので、意外と靴の中には水が入ってこない。

その内傾斜が緩くなり水流が弱まる。



シシウドヶ原2,090mに出る

9時34分

此所から道は大きく左へと曲がる。



所々沢を渡るが石等を伝うと転倒しやすいので、浅い所を気にせずにジャバジャバと渡る。

キヌガサソウが花盛り



イタドリヶ原1898mに着く

10時4分



エンレイソウの実が出来ているが、ここからが大変。

山から水が集まるのか、何処が登山道か解らないほど水が増えてくる。



転倒しないようにだけ注意して慎重に下る。



沢を離れると岩ゴロゴロ道。大きな岩が多くて歩きにくい。


幸い余り滑らないので良いなあと思っていたら、大きな岩で突然スッと滑った。

うまくお尻から着地したのでザックのクッションも有り怪我はない。

所が、私の声を聞いて振り返った家内がもろに、前のめりに滑った。

酷く膝を岩に打ち付けたようだが、歩くのに支障は無いようだ。


更に慎重に下るがまた2度ほど岩で滑った。

最後は変に滑って脇腹を捻ってしまった。

変だなと思って靴を見ると、スパッツの止めベルトが外れてブラブラしている。

外れたベルトを踏んづけて滑った様だ。

ゴロゴロ岩場を過ぎて振り返ると、チゴ岩と書かれていた。



仮設橋を渡りまた滑りやすくなっている雪渓を慎重に下りていく。

ストックの石突のゴムを外して使っているがとても役に立つ。



突然広場に出ると其処は秩父沢

10時53分

何人かが休んでいるが、かなり疲れているようで挨拶しても返事に元気がない。

普段なら何でも無い木の橋だが、風雨が強く増水した沢の上なのでちょっと緊張する。



ゴウゴウと大きな音が聞こえてきた。

また沢を渡るらしい。



ロープが張ってあるが、ロープの場所は水の流れがきつくて渦巻いている。

どうするのかと思っている間に、家内はロープも使わず一直線に膝まで浸かって渡ってしまった。

早く来いとこちらを見ている。

私も直ぐ後を追うが、転倒するとしゃれにならないので慎重に、しかし一気に渡る。

流石にゴアテックスも利かずに、靴の中に大量に水が入る。

次には雪渓が沢に落ちている所に来る。



雪渓を横切って行く。



雪渓を登り切ると目の前に橋が見えた。

また沢を渡り車道に出る。



小池新道入口に着く

12時1分

此所からは左俣林道を歩くことになる。



コンクリートの橋も冠水寸前。

しばらく行くと左俣林道が雪渓に覆われている。

雪渓が緩んでいるので、左の河原を行くように書いてある。



所が、河原の中の道が冠水して何処を歩いて良いか解りにくい。

黄赤テープの巻かれた石を目印に、もう靴に水が入ることなど気にせずに進む。

反対からやってきた家族連れが、水の中を渡るのに躊躇している。

小さな子供さんを二人つれているので、これから先の沢は危険だと思う。



また林道に復帰して歩いて行くが、水が流れてカタツムリが溺れそうになっていた。

若い男性がやってきた。

彼は朝、右俣林道から槍平小屋を目指したそうだ。

しかし、水量が多くとても登れないので、急遽引き返して鏡平小屋に向かうことにしたらしい。

あんな所を進んでいったら死んでしまうと言っていた。



わさび平小屋 12時43分着

何時もなら美味しそうに思うバナナやリンゴだが、今日は欲しくない。

大勢が屋根のあるベンチで休んでいた。

私達も靴を脱いで靴の中に入った水を出す。

レインジャケットもザックもつるして少し乾かす。

乾かしている間、小屋で昼食にする。

家内はカレー、私はスタミナどんぶり

味が濃くてカロリーたっぷりで、とても美味しく力がみなぎってくる。



また濡れた靴を履きレインジャケットを着て出発。

雨も小やみになってきた。

こんな時間に、登山者がドンドンやってくる。

普段なら鏡平まで十分に行くことが出来る時間だが?



笠新道の分岐に着く

REIKOさんは、此所から笠ヶ岳に登ったそうだが、随分キツイ道らしい。



集まった水がゴウゴウと流れている。

凄い雨が降ったのだなあと思う。



林道脇に白い花が咲いている。

近寄るとオオヤマレンゲだった。

彼方此方に沢山咲いているのに驚き。



ベニバナイチヤクソウも咲いている。

ウバユリはまだ蕾



看板がある

この看板の上の端の鷲羽岳の更に置くから下ってきたと思うと感慨深い。



ゲートに14時55分着



新穗高ロープウェイ下の新穗高登山指導センターで下山届を出す。

疲れた足を引きずって深山荘駐車場に着くと、我が愛車が待っていてくれた。

帰りに、新平湯温泉で疲れを癒やす。

体重を量ると6㎏も痩せていて、77.7㎏とスリーセブンになっていた。

20数年ぶりの体重だが、またビールを飲むと直ぐに元に戻るだろう。

五平餅が美味しそうだったので食べながらひたすら我が家を目指す。

道がすいていて早く着きそうなので、名塩インターで休憩。

24時を過ぎないと3割引のサービスが受けられない。

所が名塩SAの名物塩ラーメンは芯が残っていて不味い。

半分残してしまった。

また淡路SAに寄ってコーヒーとサンドイッチで休憩。

後は時速80キロで走って、24時ちょっと過ぎに鳴門インターを出て我が家へ。

帰ってとりあえずはビールで乾杯して就寝。


翌日には顔や背中の皮がボロボロと剥けた。

家内は膝に大きな裂傷があって血栓が出来る恐れがあると言われて毎日病院へ行っている。

私は捻った脇腹が余り痛むのでレントゲンを撮ったが、骨折はしていなかった。

足は二日ぐらいは筋肉痛だったがもう回復した。

今回の山歩きは、病み上がりの所為か体力不足か?コースタイムをかなり上回るドンガメ歩きとなった。

長く歩くと紫外線や暑さの影響で余計に疲れる。

次からは日頃の訓練と体調管理を確りとして、アルプスを楽しみたいと思う。






総歩行距離 16.4㎞

累計標高差 +546m
       -2,085m

単純標高差 1,534m

総歩行数 32,891歩


今回のトータル

総歩行距離 47.1㎞

累計標高差 +4,264m
        -4,527m

総歩行数  96,614歩



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